6月26日(2)
趣味で書き始めました。
読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムなし。
・デスゲームなし。
・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名とは一切関係ありません。
健介が受け持った者達も、ほとんど同じ末路を辿った。
豪腕によってコープスの頭部は木っ端微塵に吹き飛び、その胴体は回し蹴り一発で容易く切り離される。
その身体に血液や臓腑は詰まっていないらしく、彼らは破壊される度に炭を思わせる粉や塊を傷口から吐き出していた。
文字通り一撃で倒れてゆくコープスの中には運よく近づけた男も居て、男は健介の身体を掴むと摂氏500℃に達する吐息を浴びせる。
しかし、健介は意に介することなく男の腕を掴み、そのまま投げ飛ばす。
腕は掴んだ部分で千切れ、残った手首だけが往生際悪く、健介にしがみついている。
コープス達は今の健介にとって脅威ではないが、相手も同じように考えているらしい。
焼死体は頭部を潰さない限り、怯むことなく向かってくる。
全身に火の気を帯びている事を除けば、正しく映画のゾンビそのものだ。
(もうちょっとか)
こちらは残り3体。
健介が若干気疲れを覚えた時、右手にくすぐったい様な感覚が立ち上がる。
そちらに意識を向けた瞬間、掌の中に片刃の剣が出現した。
出現した剣は日本刀に似ているがやや装飾的で、鍔が揺らめく炎を象っている。
(マジか!?武器とかあったの!)
刀を正眼に構え、右の一体に切っ先を向ける。
健介は鋭い一声と共に踏みこみ、男の身体を真っ二つにする。
現れた剣は真紅の怪人から見ると、使い慣れた竹刀とほとんど変わらないサイズだが、常人の視点では大剣の範疇にある。
大した抵抗もなく、コープスは切り割られた勢いのまま、地面に倒れ込んだ。
残った2体は彼我の戦力差を顧みることなく、真紅の異形に向かう。
健介は消滅しつつあるコープスを視界から外し、向かってきた者達に切っ先を向けた。
摺り足で一気に近づいた健介に、鈍重な焼死体は呻る事しかできない。
健介は刀を斜めに振るい、焼死体をまとめて両断した。
一通り敵を始末し終え、健介は息を吐く。
変身して行う、初めての本格的な戦闘。人間に似た生き物を壊し、その身体に刀を入れる感覚。
体内でうねる力を解放した充足感を持ってしても、本能にすり込まれた嫌悪感は拭えない。
3人の元に戻ろうとした時、刀の存在に気が付いた。
鞘は無いのだろうか、と健介が考えた直後、掌中の刀は白い粒子となって砕け、跡形もなく消え去った。
3人の元に戻った時 引き続き探索しようとする千晃を、秀人が「この先にどんな危険が待っているかわからない。もう夕方だし、準備を済ませてから明日乗り込んだ方がいい」と制している所だった。
「準備ったって、何するんだよ?丸の内だって調べなきゃならないんだし、さっさと進んじまおーぜ」
健介が割って入り、千晃に加勢する。
涼葉はやり取りの最中、3人の顔を子犬のような目で眺めまわしていた。
「…わかった。余計な事を口走ってしまったな」
「いや、責めてるんじゃねーんだ」
「すみません!先輩の言う事にも一理あるとは思うのですが、可能な限り被害が出る前に片づけておきたいんです」
神妙な面持ちで謝罪する秀人に同情した健介と千晃は、謝罪と労わりの言葉をかける。
ひとまず奥まで進む事に決めた四人は、改めて異空間の奥に突き進む。
2体の異形と2人の男女。周囲に人の姿は無い。
焼死体の群れを倒した後、彼らは化け物に遭遇することなく、噴水広場まで進むことができた。
風景に目立った異常は無く、怖気に似た感覚が皮膚に刺さっていなければ、昼間の公園としか思えない。
健介が3人から一歩前に出た時、妖気が濃厚になる。
雑木林から何かが飛び出してきた。
噴水広場まで来た彼らの前に、灰色の大猿が姿を現した。
大猿は涼葉と目が合うと、口の端をキュッと吊り上げる。
涼葉が短い悲鳴をあげると大猿は喉を愉快気に鳴らし、歯を剥き出して飛び掛った。
まず反応したのは千晃。
空中に雷電が奔り、右肩と腹部を貫く。
熱と衝撃に悶絶した大猿は腹から着地。
大猿は起き上がろうと試みるが感覚が麻痺しているらしく、手足の動きがぎこちない。
健介はすぐさま走り寄り、振りかぶった右拳で顔を打つ。
殴った感触は石のように固く、猿の顔にヒビが入る。
立ち上がりかけていた大猿は噴水まで大きく吹き飛ばされた。
相当に機嫌を損ねたらしく、びしょ濡れの醜い顔を健介に向けると咆哮を轟かせた。
ありがとうございました。