表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/41

6月26日(1)

趣味で書き始めました。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名とは一切関係ありません。


 健介が唐突に異常を感知したのは金曜日の昼前。

気配は東から発せられた。気配は爆発の如く、一瞬の間に3人に叩きつけられ、まもなく雪のように溶けて消えた。

集中しても輪郭が分からないが、猿のような不快感も3人のような生気も感じられない。


 千晃たちに連絡を取るべくチャットを立ち上げると、彼らの方から連絡があった。

向こうも発生した気配を感じ取ったようだ。その場で討論していても仕方がないので、4人は相談の末、集合場所を大曽根から今池に変更してトークを打ち切った。


 稽古を終えた健介は、最寄駅まで一直線に駆け抜ける。

今池に着いた頃には3人は既に集まっていた。


「それでどうする?今日中に2か所回るのは無理だ。ルート分岐の形にならざるをえないが」

「あー、こっちでいいんじゃね…向こうは救助隊がいるし、入れないだろ」


 東区で凍死体が相次いで発見される事件に今朝進展があった。

昨夜10時過ぎに徳川町で急激な気温低下が起こり、全域で積雪や降雹が確認されているという。

現在、街は封鎖され、自衛隊が原因解明と行方不明者の捜索を行っているらしい。


 健介が気のない風に意見を述べると、表情を厳しくした千晃が拾った。


「山岸さんはどう思います?」

「えぇ…私も、こっちでいいと思う。海野先輩なら後ででも調べられると思うから…」

「そっか。じゃー、外に出ようぜ」


 4人は地上に出た。

秀人が地面に触れた瞬間、感覚を頼りに徒歩で南下。

吹上公園から漂う不吉な気配を全員が認識した。

敷地内に入ってみるが目に見える異常は見つからず、園内では近隣住民が思い思いの時間を過ごしている。


「普通だよね」

「出所がよくわかりませんね」


 秀人が露わにした気配は公園全体から漂っており、正確な発生源が辿れない。


「だな…で、ここから2人ずつになんのか?」

「いや、俺が追跡する。こっちだ」


 四人はさらに奥に進む。

澱みない足取りの秀人について行くと、三人にも発生源を知覚できた。

決定的な違和感が、子供広場近くの雑木林の中に浮かんでいる。

表通りからは物陰になっている空間に、不可視の塊が線のように走っていた。

健介が線に触れると、周囲の空間が瞬く間に崩れ始める。


「松岡、不用意に触るな――」

「うわ、どうなってんの!?」


 一見すると、周囲には変化がないように思える。

ただし見上げてみると、空模様が夕方から昼間のそれになっていた。

また、人の気配が全く感じられず、ちょっと歩いても誰もいない。


「誰もいないよ」

「た、多分、異空間か何かに引きずり込まれたんじゃないか?」

「マジか!?」

「そんな物まであるんですか…」


 4人が現状について話し合っている時、周囲に漂う気配の濃さに変化が生じた。

まもなく、男女十数名が突如現れ、胡乱な足取りで彼らに近づいてきた。

年齢層は様々だったが、彼らの肌は焦げたように黒く、身体の一部から火の粉を撒き散らしている。

また彼らは健介達を見てはいなかった。彼らの燻ぶる眼球から、視覚は既に失われていた。


 一番前を歩く男が腕を振り降ろすと、指の隙間から漏れる火が軌跡を描く。


「ね、ねぇ…この人たち…」

「知らねーけど、敵なんだろ」

「突然出てきましたね…」

「うぅ…千晃!やっておしまい!」


 秀人が3人の背後に隠れる。

千晃と健介は秀人と涼葉を挟んで背中合わせの形になり、現れた集団――バーンコープスの動きを注視する。


「先に行くぜ!」


 言うが早いか、健介の身体が純白の燐光に包まれる。

まもなく真紅の異形が姿を現し、集団を構成する片方の組に向かっていった。


「そっちは頼みます!」


 千晃の身体が白い光の中に消える。

代わりに現れたのは、黄金の装飾に身を包んだ白い肌の異形だった。

肩甲骨から生える一対の翼が、一体化した下半身を空に浮かべている。

異形――変身した千晃の全身が山吹色の火花を散らす。

彼が得意とする「雷」の力が、緊張に呼応して漏れ出しているのだ。


 千晃が気合いを発すると同時に、空中に輝く円盤のようなものが出現する。

それは門であった。刹那の後、彼の前方で光の帯が何本も弾けた。

人体くらいは容易く焼き尽くす電流を束ねたものを、千晃は近づくコープス1体につき1本、豪快に投げつける。

その攻撃速度は常人よりも動きの遅いコープスに対処できるものではなく、彼らは成す術なく塵のように消えた。



ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ