海月
僕は
生きる核のないくらげ
回転軸を失ったまま
危なっかしく回る
柔らかな触手で
こっそりと抱えていた希望
同じ重さのあきらめを
別の手に隠し持ちながら
ゆうらりと
波の間に間に漂って
長いこと
辿りつく場所も見つからないまま
ひりひりと痛む
剥き出しの心臓は
点滅する危険信号
ひきつって震える
透明な唇
触れたくもない言葉ばかりが渦巻く
自分勝手な脳みそ
失いたくないのは
すりきれた希望なのか
ほろ苦いあきらめなのか
いつまで待ってみたところで
しょせんは
海にたゆとう月の影
君が
僕の核ならよかったのに
ずっとそう願っていたのに