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ゆうしゃ様とまおう様~勇者と魔王の再国譚~「えっ?社畜の俺が魔王の国を復興させる!?無理無理っ!」  作者: 団栗珈琲。
第四章 神と仕事と大災害と

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第16話 復興開始!

 サルジニルグの復興が開始した。

 ……といってもなにか特別なことをするわけではない。


 まずはこの真っ緑の土地を開拓することから始める。

 開拓をするといっても何をしたらいいのかはわからないが。


「いやー大災害の影響をもろに受けておるな。まあ、大きかったからな」


「…………」


 ベーゼルがそういうとルナは黙って俯く。


「悪かった。今のは失言じゃ、忘れてくれ」


 ルナのその顔を見てベーゼルは咄嗟に謝る。


「いいよ。別に」


 ルナはそういうが、言葉に陰りが見える。


「なあ、大災害ってなんだ?」


 俺がベーゼルにそっと耳打ちする。

 ルナに聞くのは流石に野暮だからな。でも気になる。


「なんだ?お主聞いていないのか?」


 ベーゼルも俺の質問に小声で返してくる。


「ああ。名前だけしか」


 まあ、言うのが辛いっていう事しか知らないしな。

 ルナにはとてもじゃないが聞けない。


「そうか……。だが流石にルナがいる前では言えん」


「わかった」


 俺はそう言うとベーゼルから離れる。


「ルナ。俺は何をしたらいい?」


「う~ん。クロスの出番はまだないかも」


「そうか」


 俺はまだ働かなくていいのか。


 まあでも出番は来るって言ってたし、絶対『万物製造ポゼッションメイキング』使わされるよなあ。


 今働かなくていいという事実よりも、いつ働かされるのかを考えるとは……。

 社畜って辛い。


 別にいいけどな。


 にしても、大災害ってなにがあったんだろう。


 ベーゼルは今、邪神の力を最大限活用し、草を刈る。という仕事をしているので、話は聞けない。


 クレイトもメイさんも大災害に関しては何も知らなそうだしな。


 とりあえず、ベーゼルの仕事が終わるのを待つか。


 ―――― 数時間後 ――――

 

 ……。邪神の力ってすごいんだな。

 あんなに生えてた草を、ものの数時間で片づけてしまった。


 いってなかったが、サルジニルグの面積は日本の半分くらいらしい。


 あと、金の単位についての話だが、この世界での金の単位は一律で「ZR」らしい。

 ちなみに、1ZR=1円らしい。

 日本と金の単位が同じだそうだ。


 分かりやすくていいね。


 俺がそんなことを考えていると、ベーゼルが戻ってくる。


 どうやら少しだけ、魔力回復の時間を与えられたそうだ。


 休憩時間があるだけ、まだホワイトだなぁ……。と考えていると一つの罠に気付く。


 これ、無給だわ。


 ホワイトに見せかけたブラック。

 ボランティアって言葉を使うとよさげに聞こえるが、実際のところただの無給なので、俺はボランティアという言葉があまり好きじゃない。


 寧ろ嫌いまである。


 仕事って言われていったのに、給料の振り込みがないなと思って、確認の電話したら、上司に「なにいってんの?あれはボランティアだよ」って言われた俺の気持ちを考えろ!


 ……まあ無理ですよね。わかってます。


 普通はボランティアってわかってやるものですもんね。


 でも、俺の会社はそんな常識通用しないんだ。


 本当に、辞めれてよかった……。


   ✕   ✕   ✕   ✕


 ベーゼルが俺の隣に腰掛ける。


 ルナから魔力休憩をもらって、休んでいるようだ。


「なあ、ベーゼル」


 俺は不自然に話しかける。


 話しかけようとするとき、ごく自然に話しかけれる子なんてあるのだろうか。

 ……無理だな。


「む。なんだ?」


 ベーゼルはそう返してくる。

 不自然に話しかけたことに疑問を持たれたないといいけど……。


「大災害について教えてくれないか?」


 そう、ここ直近で一番気になっていたことだ。


「うむ。まあ良いが、我も封印されていて、概要と大まかなことしかわからんぞ。」


 そうだな。訊くやつ間違えたかもしれない。

 そういやこいつ数千年封印されていたんだった。


「大丈夫だ。それでいい」


 何か少しでも知っているんだったら、それでいい。

 

 俺はただ、ルナがあんなに暗い顔をする原因がどんなものなのか知りたいだけなのだ。


「わかった。とはいっても、他人事な我からしてもあまり気分の良いものではないぞ?」


 そんなにつらい話なのか。


 だが、覚悟はできている。

 ベーゼルが話すことで、気分が悪くなるのなら申し訳ない。


 だが、それでも俺は知りたいのだ。


「ああ。悪いがそれを承知の上で頼む」


   ✕   ✕   ✕   ✕


「今から数百年前、魔王の国があった。そこがここ、サルジニルグだ。だが、当時のサルジニルグには活気があり、魔王の国とは思わせないほど、楽し気で賑やかな国だった」


 昔のサルジニルグは今のサルジニルグと似ても似つかないんだな。

 そんな、よさげな国がなんて変わりよう……。


「だがある時、サルジニルグに雷が落ちた。それだけなら当たり前のことだが、一

 筋、二筋なんて数ではない。瞬きをする間に数千万の雷がここに落ちた」


 雷?

 数千万?

 あんまり実感がわかないな。


「家には避雷針を設置していたが、あまりの膨大な数の暴力に避雷針は申し訳程度の意味すらなさなかった」


 避雷針設置してあったんだ。

 というか俺、避雷針がどういう構造で、なんで雷を避けれるのか知らないんだけど。


「そして雷によって、家は燃え、家から家へと炎が燃え移り、平和だったサルジニルグには、泣き声、叫び声にあふれていた。それはまさに、阿鼻叫喚の地獄絵図というに相応しい状況だった」


 ん?というか、ベーゼルは封印されていたんだよな?

 なんでそんなことが事細かにわかるんだ?


「ん?なんだ?」


「あっ。いや、なんでそんな詳細に知っているのか気になっただけだ」


「ああ、気になるのか、私とルナは目繋アイリンクさせているからな」


 まーた知らない言葉が出てくるよ……。

 分からなくなるって……。

 もっと俺に優しい適度なカタカナの量の異世界がいい……。


目繋アイリンクってなんだ?」


目繋アイリンクは相互が了承して行われる契約だ。目繋アイリンク契約をした者同士は、自由に相手の目に写っているものをのぞけるのだ」


 へえ~。年頃の男子が絶対にしたくない契約だな。


 ごそごそやっていることがばれちゃう!


 とりあえず、目繋アイリンクについては理解した。


さえぎって悪い。続けてくれ」


「ああ。その雷が大量に落ちたのは神々の仕業だったんだ」


 神?

 神がそんなことするのか?


「いや、神々は悪くないんだ」


 え?サルジニルグに雷落としまくったのに?


 どういうことだよ。


 じゃあなに?ルナが悪いのか?

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