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第四章第4話 悪魔王ダフ二ス

グランは震えていた。

魔王への恐れもある。だが、それだけじゃない。

この世界を長年苦しめてきた魔王との決戦が、今まさに始まろうとしている。

その事実が、心を震わせていた。

——まさか、自分の生きている間に、こんな瞬間が訪れるとは。

突然やってきた少年、莉緒。

思えば、あいつがこの世界に現れてから、すべてが動き出した。

ゴキヌス然り。ヴァルグ然り。ネイレア然り。

そして今、魔王と悪魔王が同時に姿を現した。

あいつは魔王へと立ち向かう、勇敢だ。とにかくまっすぐだ。

年下のくせに、あいつはいつも先を見ている。

——俺は、あいつより年上のくせに、始まりの五王ごときにビビってる場合じゃねぇ。

そのとき、フウリが風を解き放った。

追い風が吹き抜け、空気が変わる。身体が軽くなる。魔力が巡る。

不思議と、力が湧いてくる。

「よし……行くぞ!」

グランは拳を握り、魔力を集中させた。

雷鳴と稲妻——彼の代名詞とも言える技が、空間を裂いた。

「雷鳴と稲妻ッ!」

電撃が走る。

空間が震え、雷がダフ二スの腕を貫いた。

「ぐっ……!」

黒い霧が弾け、腕が切り落とされる。だが、ダフ二スは笑った。

「おお、やるね。しびれたよ」

その声は、まるで遊びのようだった。切り落とされた腕が、黒い霧に包まれて再生する。

「……再生かよ。面倒なやつだな」

レイが前に出る。「これでも喰らえ!」氷魔法が炸裂する。

だが、ダフ二スは軽く手を振るだけで霧を纏い、氷を弾いた。

「悪魔に氷は効かないよー。残念だったね」

セリアが切りかかり、ルカとミリが矢を放つ。

連携の射撃。風の流れを読んだ見事な一撃。

だが——

「そんな攻撃じゃ、当たらないよ。もっとよく狙って撃ってきなよー」

ダフ二スは霧の中で笑いながら、斬撃と矢をすり抜けた。

その姿は、まるで“現実”に触れていないかのようだった。

「くそ……こいつ、何者だ……!」

グランは歯を食いしばる。だが、心は折れていなかった。

——俺たちには、風がある。

——そして、あいつがいる。

この戦いは、終わらせるための戦いだ。

この世界の“痛み”を、ここで断ち切るための戦いだ。

グランは再び拳を握った。雷が、再び空間を裂こうとしていた。

フウリの風が、空間を裂いた。

疾風が巻き起こり、ダフ二スの動きが止まる。

その瞬間、奴が叫んだ。

「いくら技量があっても、普通の魔法や斬撃は闇属性の悪魔には効かへんで!」

その声は、嘲笑と確信に満ちていた。

だが——

「祈りよ、光となれ」ミナの声が響いた。祈りの魔法が発動する。

眩い光が、グラン、レイ、ルカ&ミリの身体を包み込む。

——これは……光の加護か!

身体が熱を帯びる。魔力が膨れ上がり、心が澄み渡る。今なら、奴に届く。

「今だ、全員で行くぞ!」

グランが叫ぶ。雷が再び走る。レイの氷が光を纏い、鋭く突き刺さる。

ルカとミリの矢が、風に乗って正確にダフ二スの胸を貫いた。

「ぐっ……があああああっ!」

ダフ二スが苦しむ。黒い霧が揺らぎ、身体がよろめく。

——効いてる。確かに、今の攻撃は奴に届いた。

だが次の瞬間——

「よくも……よくもイケメンの僕の体に傷をつけてくれたな、ゴミムシどもが!」

声が変わった。

怒りが、空間を震わせる。黒い霧が渦を巻き、ダフ二スの姿が変わっていく。

角が生える。体には黒い毛が覆い、足が巨大化する。背中からは、黒い翼が四本。

牙が、獣のように鋭く伸びていた。

——これが、奴の本性……!

スピードが倍に跳ね上がる。

「お前、目障りなんだよ!」誰も反応できなかった。

「ミナッ!」

叫んだ瞬間、ミナの身体が吹き飛ばされていた。壁に激突し、崩れ落ちる。

「くっ……!」

グランは拳を握る。

怒りが、恐怖を塗り潰していく。

——絶対に、負けられない。——この世界を、守るために。

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