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0.はじまり

「〜〜〜...」

「〜〜〜!〜〜〜〜〜!」

逃げ惑う人の声と鳴り響く警鐘

視界には子供が地面に座り込み泣き叫んでいるのが見えている。


「ここ……どこだ?」


先程まで寝ていたはずの時也は、目覚めたら何故か見知らぬ土地で災害に巻き込まれていた。



目の前に広がる風景はどれも洋風な作りで、

ここは一体どこなのか?

逃げ惑う人々はどんな言語を発しているのか?

そんな疑問が頭の中を埋めつくした。


時也(ときや)は何とか自分の身に起きている状況を理解しようと体を起こすが、足に瓦礫が挟まって動けないことに気がついた。

人は怪我に気づくまで痛みをあまり感じないというが、どうやらそれは本当だったみたいだ。


「ぐぅっ…あぁぁぁぁぁあ」

怪我を自覚した途端、経験したことの無い痛みが彼を襲い

どうにか痛みを逃がそうと瓦礫を押すが、どれだけの力を込めようがビクともしない。


「くっそ……こんな所で死んでたまるか」


仮に夢だとして、痛みまで感じることがあるのだろうか?

今までこんな罰が与えられるほどの悪さをしたことがあったのだろうか?

どんなに思い起こしても原因は分からない。


痛みと死の恐怖で混乱している時也はあまりにリアルすぎる光景に、本当は夢では無く、トリップというやつでは?と非現実的なことを考え始める。


未だに鳴り止むことのない鐘の音は、これは現実だと教えるように時也の頭の中に重く響いた。

気づけば先ほどまで泣き叫んでいた子供は、誰かの手に引かれその背中はどんどん小さくなっている。

そして、もうほとんどの人が逃げきったのか時也の周りには助けてくれそうな人など見当たらない


「誰…か助け……」


どうにか助けを求めようと声を出すが、その声は突然聞こえてきた爆発音でかき消され

終いには痛みからか、目の前がぼやけ意識が遠のいていく感覚さえ感じる。



もうダメか…と目を瞑ったとき、上から人の声が聞こえた。


「~~~~~~~?」


閉じていく瞼を無理やり上げると、

そこには金髪の女が焦った顔でこちらを覗き込み必死に何かを喋ってる。


「た…すけ…」


時也は最後の力を振り絞り金髪の女に助けを求めるが

彼女の発している言葉を理解することはできない。


こんな事ならもっと人生謳歌しておくべきだったか?

1回でいいから彼女というものを作ってみたい人生だった。

時也は後悔先に立たずとはこのことをいうのかなんて冷静に考えながら、

落ちてくる瞼に抵抗もせず目を閉じた。


…先ほどから女が必死に体を揺らしてくるが

目を開ける気力も、起き上がる気力ももう存在していない。


ああ、このまま死ぬのか?

そもそも俺ですらビクともしなかった瓦礫を女1人でどうするというのだ…


時也はどうせ死ぬならと色んなことを思い返そうとするが、どの記憶も靄がかかったように思い出せない。


人生ってこんなもんか…


徐々に体の感覚が無くなるのを感じながら

今はとにかく眠りたい、疲れたから放っておいてくれという気持ちでいっぱいになり、

暗闇の中に落ちていくような浮遊感を感じながら意識を飛ばした。


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