俺氏死す
やぁ、みんな俺の名前は七瀬空。今日から高校一年生になるごく普通の一般人。
今日は高校の入学式だ。今日俺は失敗するわけにはいかない。入学早々にぼっち確定なんてやだからな。
中学の時は自宅警備員をしてた。中学では盛大にやらかしてぼっちになり、結局引きこもってしまった。だからこそ高校ではやり直すんだ。
「空、学校遅れるわよ。はやく準備しなさい。」
「おう、わかってるって。」
「空がちゃんと学校行く気になってくれて母さん嬉しいわ。」
「うるせぇよ。」
なんで親ってのは言われたくないことを言ってくるのだろう。
「行ってきます。」
「いってらっしゃい。」
ついに俺の新たな学校生活が始まるのか。久々の学校だからまじで緊張するな。
横断歩道をわたっているとき、クラクションが右から聞こえた。
なんでクラクションなんて鳴らしてるんだ?てか信号赤だろ。おい、スピードだしすぎじゃね。あれ、やばいこのままだと俺…
あれ、俺生きてんの?たしか俺トラックに轢かれて…
もしかして俺最強じゃね。じゃねぇよ、ここどこだよ。周り全部色白だし。なんだここ?もしかして俺死んだのか?トラックに轢かれて死ぬとか、なんて俺はベタなことしてんだよ。いや、それより俺どうなるんだ?
「おや、目が覚めたようですね。」
銀髪の髪をした女の人がそこには立っていた。
「えっと、ど、どちら様でしょうか?」
やばい、家族以外の人と喋るのなんて久しぶりすぎて言葉がおかしくなってしまった。
「私の名前はラファエルです。」
「へぇ、天使とおんなじ名前か。」
「えっと、私天使なんですけど…」
「えっ、まじで?てかなんで天使がこんなとこにいんの?」
「あなたが死んだので魂の誘導をしにきたんですよ。」
「そういうのって閻魔大王とか神様的な人がやるんじゃないの?」
「なんですかその偏見。」
「てか俺やっぱ死んだの?」
「今更ですか…聞くの遅すぎではありませんかね。まぁ別にいいですけど。あなたなは死んでもらいました。」
「おい、今なんて言った?」
この人今さらっとすごいこと言ったぞ。
「ですから、あなたには死んでもらいました。」
は?
「人を殺す天使がどこにいるんだ!」
「喜んでください、あなたは選ばれたひとなんですよ。」
何を言っているんだこの人は、殺されて喜ぶ人間がどこにいるんだ。そもそも会話になってない…
「選ばれたとはどういうことですか?」
「あなたにお願いがあります。」
さっきから話が噛み合わないのはなぜだろう。
「お願い?」
なんだろう、嫌な予感しかしない。
「あなたに異世界に行って魔王を討伐して欲しいのです。」
はい?異世界?魔王を討伐?何を言っているんだ。でもやばい俺の厨二心騒いでやがる。
「人を殺しといて魔王討伐をお願いするとはいい度胸じゃないか。」
「それほどでも////」
照れてるのかわいいな。じゃなくて。
「なんで俺なの?」
「あなたは漫画やアニメに詳しいみたいなので得意かなーって。」
なんだその理由。
「魔王討伐得意ってなんだ、そんなやつなんていねぇだろ。」
「それに俺じゃなくてよくない?俺以外にもオタクなんて全国にたくさんいるだろ。」
「あなたは他の方の違って体を鍛えてますよね。」
「まぁ俺はアニメか漫画かゲームしかすることなかったしな。たまに体は鍛えてたけど、流石に魔王は倒せないだろ。」
「問題ありませんよ。向こうの世界に行く時にステータスを少し上げますし、特別な能力を手に入れることもできますから。」
「転生するわけ?」
「いいえ、体はそのままです。」
「そういえば俺以外にも異世界に行った人っているの?」
「はい、過去に二人だけ、一人は剣術もう一人は魔道具を作る能力を手に入れてました。」
意外と少ないな。いや、こんなもんか。異世界に行くことなんて普通ないからな。
「あれ、その二人で魔王討伐できなかったんだよな。俺にできなくないか?」
「その二人には魔王ではなく邪神を討伐してもらいました。まぁ封印してもらっただけですけど。」
封印してもらったのに文句言ってるよこの人。魔王だけじゃなく邪神のいるとかやばいな異世界。俺大丈夫かな。やばい不安になってきた。
「そのあとですかね、魔王がでてきたのは。」
「勇者的なのいないわけ?」
「いるにはいるんですけど…」
「勇者に討伐してもらえばいいじゃん。それとも、なにか問題でもあるわけ?」
「まぁ、最近魔王があまり表に出て来ないし勇者が強すぎて調子にのってなかなか仕事をしないんですよね…」
なんだそんな勇者いるのか働けよ。元自宅警備員の俺がいえたことじゃないけどな。それより、そんなやつのせいで俺は魔王討伐しないといけないのか…
よし勇者にあったら絶対顔面に一発くらわせてやる。
「それでどんな能力がいいですか?」
「そうだなせっかく異世界行くんだから魔法とか使いたいよな。魔法使えるようにできるの?」
「はい。魔法自体は異世界にありますが、あなたには魔力量増加と新しい魔法が使えるようにしておきますね。」
「まじか、それって俺だけの魔法が作れるってことだよな。」
「そういうことになりますね。そろそろ時間です。異世界で魔王討伐頑張ってくださいね。」
「これで俺も魔法使えるのか。魔王討伐頑張りますよ。」
「ご武運を。」
銀髪の天使がそう言い終わると魔法陣がでてきた。
なんか本格的に異世界ファンタジーぽくなってきたな。これから異世界で生活するのか…
魔法陣が強く光り視界が真っ白になった。