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幻想奇譚

ヴァニタス

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

最後、ほんのり渡の顔が曇っているので、ほんのりバッドエンドです。


今日は予定を間違えてしまい、午後からのお出掛けです。でしたらと、私は美術館に行く事を決めました。時には動き回る真似をせず、静謐な世界に浸りとう御座います。

私はお昼を戴いた後、美術館を訪れました。何時も格安で入れるとあって、長蛇の列を作っておいでですが、今日は幸運にも、空いておられる様です。早速チケットを購入し、中へ。

関内の展示室に足を踏み入れた途端、絵画室特有のインキの匂いが。長い時間を掛けて生み出された、歴史の匂い。此処に来たことを再実感させて戴きます。

ですがそれよりも、音。奏楽堂の様に些細な足音でも木霊する造り。人の囁き声さえも、館内にぼんやりと反響を繰り返し、一つの音色に変化しておいでです。これが好きなのです。ぼんやりと反響した、音と共に絵画の世界に没頭するのが。

最初の部屋は聖書を元に生み出された絵画達。主に登場するのはイエス様、聖母マリア様。磔にされる事柄を大きく題材としているせいか、物悲しそうなお顔をなさっております。血走った双眸や、涙で歪んだ顔も。

けれども、一際目を惹いたのは、マリア様の無表情なお顔です。あぁ、人間は…本当に悲しくなると、そんなにも表情が消えてしまうのですね。惹き付けられて、離れられなくなる前に、別のフロアへ。

訪れたの黒の背景に果実と楽器、そして煙草が置かれた絵画達。その中に混じって、頭蓋骨も一緒に添えられております。此処はどうやら静物画が主役のようです。

中でも惹き付けられたのは、葡萄と檸檬の絵画。

葡萄は採れたてのようで、本物にも勝る勢いで瑞々しさを、檸檬は此方の世界に飛び出して来そうな程に描かれております。手を伸ばせば掴み取れそうな程。

ですがそれを永遠に留めておけるのは、絵画の中だけのお話。現実に持ち込まれら、直ぐにでも熟して、次の世代へと養分と変わってしまうのでしょう。余りにも儚い、瞬きの命。でもだからこそ、美しいと感じて仕舞うのかも知れません。

ふと、頭を過ぎるの『ヴァニタス』という単語。果実、時計、楽器などを置いて、人間の儚さを連想させる絵画達。あぁ、この部屋はヴァニタスで出来て居るのですね。


「全く、昨日は暑かったから、バナナが黄色くなりよってからに」

「そうですね。美味しい食べ頃ですよ」

「はよせな、腐るな」

お家に着いたら、母さんが恨めしそうにバナナを睨んでおりました。買った時は青かった実が既に黄色く、熟しております。このまま数日も経てば真っ黒になり、新たな世代を作る為の苗床になるのでしょう。そしてそれは……瞬きの間。

ふと過ぎるのは美術館で見た聖母マリア様とヴァニタスの静物画。

熟れた果実、皆から囃され、甘言を与えられる存在。けれどもそれは瞬きの間。それは偉大な事をなされたイエス様と同様。あれほど慕われておりましたのに.....最後は儚くも.....。

あぁ、マリア様……その様な悲しみにくれた、ヴァニタスに塗れのお顔にさせてしまう程、人は脆く、容易く死んでしまうのです。

たまには物凄く静かな場所に行きたい( '-' )

誰にも話しかけられない、という事は、何も考え無くて済むと言うこと( '-' )

脳みそぱっぱらぴーです。故に美術館です。


最初、聖母ネタは抜こうと思ったんですよ。

タイトル、ヴァニタスって決めてましたし。

でも渡ちゃん、話しちゃうから、関連性付けるのに苦労しました。


ヴァニタスに出てくる果実、腐ってると言うより、皆熟れてるんですよね。

丁度、栄光が過ぎ去る直前みたいな感じで。

偉大な事を成したからこそ、これ以上はない。

反乱分子に刈り取られるか、自分が落ちぶれるしかない。

その熟れた果実に、偉人を例えて書いたものです。

マリア様の表情も、悲しみを超えて、虚無的でしたし。


全てを『ヴァニタス』に帰する様にしました。

(気合いがありゃなんとでもなる。と思いたい.....( •̅_•̅ ))




ドーナツ、美味しかったです。


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