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3話 今後の方針

 辺境へ向かう旅路は、外套に付いているフードで顔を隠して徒歩での移動がメインだった。


 王国の近衛騎士団団長といえばそこそこ顔が知られているだろうし、顔を見られれば俺が辺境へ向かったという噂が立ちかねないからだ。


「しっかし、辺境で何をして暮らそうか」


 王都から移動し、立ち寄った街の小さな酒場で食事をしながら考える。


 辺境での職といえば狩人か農民かの二択になるだろうか。


 生活必需品は定期的に来る行商人が売ってくれるので、辺境で物品を製作する者は少ないし売ったところで実入りは高が知れている。


 となれば俺の身体能力を活かして狩人あたりが無難だろうか。


 そう考えながら水を呷ると、目線の先の壁に張り紙がしてあるのが見えた。


 そこには「開拓者募集」とか「鉄剣や武具はイイル商会まで」とか宣伝文が並んでいる。


 この酒場は街の情報交換所も担っているらしい。


 気になって目で追っていくと、視界の端に「辺境で護衛をしませんか?」といった趣旨の文句が映り込む。


「護衛? 辺境でか」


 盗賊でも出るのかと思って眺めてみると、そこにはこうあった。


『タラミ村は今、近年活発化している魔物の脅威に晒されています。

 腕に覚えのある方、タラミ村に力をお貸しくださいませ。

 移住も大歓迎です!!』


「タラミ村ってまだあったのか」


 俺の前世でも辺境にあった村の一つだ。


 のどかに広がる丘が近くにあったと記憶している。


 それに『近年活発化している魔物』という文章で護衛募集に合点がいった。


「そういえば今は魔物が活発化する時期だったか」


 魔物、それは自然界の魔力を吸って凶暴化した動物や魔王領出身の生物を指す。


 今俺がいるのが人間領だが、この世の半分は魔王領とされている。


 一説によれば魔物は新たな魔王が即位する前後に活発化すると言われており、その周期は数十年から数百年と幅が広い。


「でも護衛ならうってつけだな。狩人や農民よりもしっくりくる」


 今まで鍛えた【剣聖】としての強さも活かしつつ食っていける。


 それに辺境に出る魔物はせいぜい最低位のFランクかEランク程度だ。


 人間を積極的に襲い討伐対象となるのはCランク以上だし、俺からすれば辺境も魔物は大した脅威でもなかった。


「となれば移住先はタラミ村だな。護衛の報酬は一月三ゴルドだけど辺境暮らしならこれくらいで十分だな」


 ちなみに辺境暮らしなら三日で一シルバあれば生きていけるはずだ。


 十シルバで一ゴルドなので、うまくいけば貯金だってできる。


 近衛騎士団団長の月給と比較すれば微々たるものだが、そもそも辺境暮らしに金はあまり必要ないので気にもならなかった。


 なにせ辺境は基本、金より物々交換がメインなのだから。


「この酒場に寄ったのは正解だったな。店主、お代はここに」


「はいよ。まいどあり」


 俺は食事料金を机に置き、酒場を出て行った。


《作者からの大切なお願い》


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