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Decisive battle of the park

作者: 腹黒兎

【注意事項】深く考えずにお読みください。


    ーー ミッション ーー

【 囚われた仲間を救い出し、宝を入手せよ 】




草むらの隙間からターゲットを捕捉。

宝の前に敵が1人。

次いで、堅牢な牢屋に囚われた仲間2人を確認。

2人とも酷い扱いは受けていない模様。

そして、牢屋の前にも敵が1人。

敵は宝と牢屋の前を行き来している奴が1人いる。コイツは厄介だ。どうにかして引き離さなければならない。


1番の問題は優先順位だ。仲間の救出が先かお宝が先かを決めなければならない。

本当ならばお宝を優先させなければいけないだろう。だが、仲間を捨てていいのかと良心が叫ぶ。

仲間の1人は自分を逃す為に囮になり捕まってしまった。しかも、その時にお宝を寸前で逃すという失敗を犯している。

ここは、仲間を救出して作戦を練り直した方が得策ではないだろうか。

緊張で額から汗が一筋流れた。それを拭う事なく牢屋の仲間を見つめた。


待ってろよ。絶対に助けてやる。




仲間が捕らえられ、こちらはもう自分1人しかいない。ならば背後からの奇襲が定石だが、相手もそれは警戒しているだろう。

ならばどうするか。牢屋の幹斜めに汚い建物がある。そこまでたどり着けば、後は隙を見つけて救出にむかえばいい。


問題は牢屋とお宝の間を行き来するアイツだ。

一つ罠を仕掛けてみたが、うまくいくだろうか。

茂みに身を隠しながら、建物に無事たどり着いた。すえた臭いに顔をしかめる。

あまり長居はしたくないな。


「後はお前ひとりだ!出てこいよっ!必ず捕まえてやるからなっ」


牢屋とお宝を行き来する男が声を張り上げる。残念ながらお前の向いている方にはいないぞ。

うろうろと歩いていた男が止まって、何かを見ている。牢屋とお宝の前にいる仲間に声をかけると、男はゆっくりと離れていく。

やった。罠にかかったな。

男が十分に離れた所で建物の角から走り出し、牢屋へと一直線に走る。


「ごっちん!牢屋だ、急げ!」

「寛太!捕まえろ!」

「まーくん、こっち!こっち!」

「頑張れ!まーくん!」

「亮!朝陽!手ぇ出せぇ!」


立ち塞がる寛太の横をサッカーのフェイントで通り抜け、亮と朝陽が伸ばした手に次々とタッチして行く。


「やったぁ!まーくんすげぇ!」

「すげぇ!でも、お宝取れたんじゃねーの?」

「バーカ。アッチのが距離あるから無理だろ。それより早く来いよ。もう一回作戦練るぞ」


亮と朝陽は笑顔でジャングルジムから抜け出てきた。

それを笑顔で迎えて、グーにした拳を出せば2人とも同じよう拳を突き出し、3人でグータッチをしてニヒヒと笑った。


「抜かれてんなよ、寛太」

「ごっちんだって騙されてたじゃん」

「うっせ。あんなとこに帽子隠すとか思わないだろ」

「はいはい。寛太もごっちんもケンカしないで、次やるよ。なぁ、カウント50でいいだろ?」


揉めていた警官チームだが、リーダー気質の西やんが上手くまとめているみたいだ。

西やんが転げ落ちたお宝の空き缶を兎の頭の上に乗せる。前後に揺れる兎の遊具はペンキがハゲて一見では兎とは分からない。


「50って短くない?」

「2回戦目だからいいだろ。100は長ぇよ」

「オッケー。あっ!帽子取って来るからちょっと待ってて」

「おう」


茂みの低木に引っ掛けた帽子を取り、付いていた小さな葉っぱなどを叩いて落とす。

ギュッと帽子を被り直し、仲間たちの元に走る。



さぁ、ケイドロ2回戦目の開始だ。



泥棒チーム まーくん、亮、朝陽

警察チーム  西やん、ごっちん、寛太


推定年齢 11〜12才

場所   近所の公園

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― 新着の感想 ―
[一言] こういう話好きです。 最初はドキドキハラハラして冒険者対悪人⁉︎的なことを考えていたのですが、そう来たか!というオチにクスリと笑えました。ちなみに夏月もドロケイ派なのですがケイドロ派の人もい…
[気になる点] 作者様の作風を知ってると最初の数行でヲチが読めてしまうのが少し残念でした。
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