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水の僧侶ミズヒと。⑦【挿絵】

「やったー! メタルホップを倒したわ!」

 ミズヒを誘った先の3人組パーティは突如出合った大量に経験値を持つ魔物『メタルホップ』撃退に沸いていた。

「経験値オバケのメタルホップ! それも3匹も!」

 ホイップ状の金属の魔物、それがメタルホップだ。遭遇率と討伐率が極めて低い幻の魔物。それを3匹も仕留めたからだ。


「これで私のレベルも……、あ、上がらない……?」

「ま、まあ私らレベル50台だし、3匹程度じゃあね……。」

「君達かい? レベルが上がらずに困ってるパーティは。」

 カンラーが音も立てず現れる。先ほどの全身ミスリスアーマーのディフェンダーナイト、コエーストを従えて。

「な、何? あ、さっきミズヒのとこに居たでかいの! そ、それにこいつたしかウンエイの奴だって……。」

「わ、私らに何の用?」

「……せっかく私が経験値の高いモンスターをあてがってあげて、それを3匹も倒してもレベルが上がらないって事は君ら3人供もうダメみたいだね……。……残念だけどコエーストさん、…いや、『ウンエイとして』やっちゃって。」

「はっ。カンラー殿。」

 コエーストはミスリルの大剣を振りかざす。

「え? ウンエイなんじゃないの? ウンエイの目の前で……?」

「グルかよ、くそっ! つるんでパーティキラーか!?」


 言うが早いかリーダーらしきレベル50台の魔法剣士の火炎剣がコエーストを襲う! 早い判断。

 ミスリルの装備は、レベル30前後の冒険者が纏う中レベル程度の装備だ。レベル50台の魔法剣士達にとっては何でもない装備だった。

 爆発、炎上。そして崩れ去るミスリルの鎧……。


「フン! ミスリルの装備ぐらいでいい気になってるから!」

 しかし崩れ去るミスリルの鎧の中から真っ赤な鎧の戦士が現れる。

「自分は『マッダー=ヴァーン』。ウンエイの名の下にお前たちを処分する!」


 傭兵コエーストとして偽りの鎧でその正体を隠した赤いウンエイの戦士、『マッダー=ヴァーン』。それはカンラー=セウの右腕であり、ウンエイのいわゆる治安維持部隊隊長でもあった。


「この! 何わけが分からない事を……!」

 このパーティは手馴れらしく、的確に狩人は遠距離から弓で先制をし、その間魔法剣士は強化魔法で武術家を強化。その武術家はマッダーに接近戦を挑む!

 その隙に魔法剣士はマッダーの赤い鎧は火属性持ちと判断。水属性の水流の魔法剣を放った。

 攻撃が波状に当たる! レベル50台の重火力だ。


 しかし全ての攻撃を受けてもマッダーは物ともしない。まるで攻撃は効かない。

 ―――効かないと言うより手ごたえその物がまるで無いようだった。

「……ッ! 赤いから火属性ってわけでもないか! なら電撃剣で……!」


 魔法剣士の戦いもそこまでだった。

 2メートルを超える赤いマッダーの巨体が猫のように素早く駆け抜け、その大剣は魔法剣士が身構えるよりも早く彼女の胴を掠めた。


 横一閃。


挿絵(By みてみん)


「ぐぉえっ!!!?」


 一瞬だった。リーダーとおぼしきレベル50台の魔法剣士は、一瞬で上下に切り裂かれた。

 後は恐怖で浮き足立った残りの武術家と狩人の二人は何も出来なかった。あっさりと散る、全滅。


「……レベルも上がらないようだったし、素行もあんまり良くないみたいだったし、本来ならこのまま削除させてもらう所だけどここも人が少なくなって来たからね……。これからは別の役を演じてもらおうかな。」

「カンラー殿、どうされるおつもりで? その者達の思念を。」

「うん。前々から試したい事があってね。その試作品になってもらおうと思ってるんだ。マッダーさんにもやっと使える部下が出来るかもね。」


 カンラーは不適に笑い、3人の魂と言うべきデータをブロック状へと変えた。

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