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最初。
初めてだから許してちょ。
ー「ポチー?」
そう呼んでみるが、やはり、返事はない。
「まぁそうよね。」
自分だけ、出て行くのは、少し気が引けるけれども
昨日までの彼の状態を見れば、感染しているのは明ら
かだったし正直治る見込みもない。ここに来た彼らの
言葉を借りるならば、禁欲の森にいて、無事でいる僕
の方がおかしいらしい。
ーあぁ、そう言えば、僕のような形をした物を見るの
久しぶりだし、何なら僕の言葉が通じたのは、いつ以来が覚えてないや。ー
「えっと、日本って言うんだっけ?ここ。」
よく分からん。