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第6話 「返せよ。私のドキドキを返せよ」
適性0。
つまりそれは、魔法が使えないことを意味する。
この世界の人々は魔法に対する適性が必ず存在し、適性がない人はまずいないらしい。でも⋯⋯、
「返せよ。私のドキドキを返せよ」
魔法が飛び交い魔法によって成り立つこの世界で、私は魔法が使えないのである。
これはひどい。
あの後、男性店員に何度もフォローを入れられたが、あまりにもショックでほとんど話は聴いていなかった。
ああ⋯⋯私はこの世界でも仲間外れなのね。
しかし、くよくよしてても仕方ない。
どうやら適性を測った後は、その適性に合った武器を揃えるため武器屋に行くのが良いんだとか。
そのため私は武器屋に足を運んでいた。
「いらっしゃいませ」
分厚い扉を開けると、店員と思しき人の挨拶が響いた。