8,相談
山を吹き飛ばした後、俺は教師に呼ばれ校長室に連れてこられた。
「君が山を吹き飛ばしたという天野くんだね?」
そう俺に問いかけてくる人。この人が校長先生だ。
髪は若干白髪が混じっていて年は五十くらいか。
だがこの人からはとてつもない魔力を感じる。
「はい、私が天野燈夜です。山はわざとじゃありません。全力でと言われたので全力を出したのですが、思ったよりすごかっただけです」
「はぁ…あのね?思ったよりで山が吹き飛ぶ訳ないだろう。もしや君はエルフかなんかなのかい?あの威力、始めは初級魔法を打とうとしてると思ったら突然巨大化しすざまじい威力を持って山を吹き飛ばそうじゃないか。君のレベル…本当は何レベなんだ」
「何レベって言われても10レベは10レベですよ」
「冗談はよせ。あの威力の魔法、伝説級の魔法使いか何かなんだろう?」
なんでこの人
『俺は真実を知ってるぞ?』
みたいな顔なんだ?
しかも伝説って、俺はまだ10レベだぞ?
何言ってんだよ。どうせあの山も爆発するような危険なもんがあっただけとかだろ?
「本当ですよ。内緒にしてくれると約束してくれるならギルドカード見せましょうか?」
「ああ、わかった。このグリムドの名において約束しよう」
おっさんグリムドっていうのか。
約束は守りそうだしいっか。
俺はコンビニでポイントカードを渡すような感じでギルドカードを見せた。
「な、ななな…なんじゃと!こんな、こんなことあるのか?」
さすがに魔力だけ異常っぽいしな。
「この膨大な魔力でレベル10…しかも全属性適性じゃと?なっ!詠唱破棄に魔法陣破棄なんて………」
そんなにすごいことなのか?
「あ、天野くん…この魔力強化?とはなんじゃ?」
あ〜魔力強化か。
俺もいまいちわからないんだよな。
まだ使ったことないし。
「ちょっと俺にもわからないんですよ」
「何を言っておる。ギルドカードはスキルをタップすれば効果欄が出るというのに…まぁ本人にしか使えんのだがな」
「そうだったんですか。ちょっと貸してもらいますよ」
タップか。こうか?
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魔力強化
魔力総量の最大値がステイタスの上乗せされる。
魔力圧縮や魔力減少の効果は受けない。
補足→攻撃力には適応されない
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お?…ん?…え?!つ、つまり俺は魔力の量だけステイタスが上がるのか?今これを使えばステイタスに+4500の補正がかかるってこと?
もし20レベになれば500ずつ上がるから+9500も上がんの?
強すぎじゃね?
「して、どのような効果なのかね?」
う〜ん、どうしよう。
このことはいくらなんでも言わないほうがいいと思う。
誤魔化すか。
「難しくて理解できませんでした」
「そうかまぁ良い。それよりもじゃ。こんな馬鹿げた魔力にそのためだけにあるような適性、何者なんじゃ?」
「ちょっと魔力が多いだけの一般人ですよ」
「言えない事情でもあったか…いらぬことを聞いてしまったな。してじゃ、特待生として入学してみないか?いや入学してください。も、もちろん学費も寮費もいりませぬ。あなたのような方がこの学校を卒業してくださるだけで我が校にはとくがあります。どうかお願いします」
おお!なんてありがたいんだ。
願ったり叶ったりだよ。
もちろん断る理由もないしな。
「もちろんですよ。こちらとしてもありがたい申し出ですし」
「そうですか。では試験はもう合格ということで伝えておきますので。入学式の際は特待生席にお座りください」
「わかりました。それでは」
そうして俺はアルプリラの特待生入学に成功した。
あと最強の固有スキルを手に入れた。
というか使えるようになった。