7,強すぎる初級魔法
魔法学校『アルプリラ』それが学校の名前だった。
ちなみに今日は入学試験を行なっているだけだった。
つまり、道にいたのは一年生ではないらしい。
それにしてもこの学校はでかかった。側から見ただけでも驚きのデカさだ。
残念ながら俺の前世は都会ではなかったため例えることはできないが野球場なんかよりよっぽどでかいのは確かだ。
俺は試験の受付に行き控え室のようなところに連れてこられた。
そこにはローブで身を包み杖を持った如何にもな人や、普通の街で見たような服を着ている人もいた。
この学校は誰でも試験は受けられるらしい。
初代の校長が才能を埋もれたままにするのはもったいない、といったせいでこうなったらしいってオッチャンが言ってた。
にしてもあれだな俺に対する視線は皆軽蔑の目だ。
なぜお前みたいのがここにいる?、と言われている気がした。
俺は控え室にある椅子に腰をかけた。すると15歳くらいの青年がこちらにむかってきた。
厳しい目つきだ。
「おい、そこのお前。お前みたいな魔法を知らぬようなものがなぜここにいる!ここは遊びにくるような場所ではないぞ。お前みたいのがいると俺の順番が遅れるのだ。大した覚悟もないようなやつが!帰れ!」
え?なんで俺こんな怒られてんの?他のやつと何が違うんだ?それに帰れって…受付済ませてるしディウスさんに何もせずに帰ってきたなんて言えるはずないし。
何より俺はこういうのが嫌いだ。
自分の正義押し付けたり偉そうにいうやつ。
ここは一発「調子にのるなよ」とか言ったほうがいいのだろうか?でもなんか周りの人はウンウンって頷いてるし。
とりあえず言い返しておくか。
「嫌だ。俺はここに魔法を学びにきたんだ。お前みたいに威張り散らすようなやつのいうこと聞くわけがないだろう?それに俺は一応魔法は使えるから、そこは訂正してね?」
「くっ、貴様俺を誰だと思っているのだ。俺はお前みたいな一般人とは違う。貴族だ。調子にのるんじゃないぞこの野郎」
なんだよ貴族のボンボンかよ。
喋るのめんどくさいよ。
「はいはい、そうですね…すごいですね貴族は」
「貴様舐めてるのか?確かこの学校の最終試験は受験者同士の模擬戦だ。そこまで調子に乗っているといことは残れるのだろう?残れたら俺が相手をしてやろう。そこでお前をぶちのめしてやる」
「わかったよ。お前が残れたらやってやるよ」
「必ずボコボコにしてやる。せいぜい残ってみせることだ」
そう言い残すとうるさい奴はどっかいった。
まぁディウスさんが大丈夫とかいってたし試験は問題ないだろう。
それにしてもちょっと上から目線だったかな…まぁうざかったしいっか。
しかし模擬戦か…対人戦はやったことないけど大丈夫だろうか?
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1つ目の試験は魔法を使えるかだった。
俺は問題なくすんだができないと2つ目には行けず軽く教えられできなければ落ちるらしい。
2つ目は魔法適性の判断だった。
俺は全属性なので驚かれた。
「す、素晴らしい」って言ってた。
まぁ悪くない気分だった。
3つ目は30メートルほど離れた場所にあるマトに本気の魔法を当てろというものだった。
飛ばしすぎる人もいるし危ないからとか言って場所を移動しグラウンドのような場所に来た。
グラウンドの奥には学校の所有する山がある。
500mくらいありそうだな
特に使用している訳ではないようだが。
「次、天野燈夜さん。そこの線の後ろに立って魔法を打ってください」
「わかりました」
本気の魔法か。
本気っていうと魔力を全力で込めればいいんだよな。
よし。目をつむり集中する。
イメージするんだ。火の球を…火の球…良し。
「ぷぷっ。なぁあれ初級だよな」
「しかもあんな集中しないとできないなんて」
ちっ、うるせぇ。
集中だ。次は魔力を込める。
ギリギリだ。魔力切れギリギリで…良し!目を開け目標を…
「えぇ?!」
俺の手の前にある球はでかすぎた。軽く一軒家くらいの大きさだ。
驚いたがとにかくマトに向かってうつ!
『ドガァァァァァァ』
俺の出した火球は周りのマトを巻き込み、学校の所有する山にあたり当たった部分を噴火のごとく吹き飛ばしようやく勢いを止めた。
「「「っ…」」」
皆、口をぽかんと開け山を見て思考が少し停止していた。
教師に至っては「アババ」とかずっといってる。
俺もびっくりだ。
まさかこんなに威力があるなんて。
だが魔力はほとんど残っていない。
多分今ので4450位使った。
「ご、合格です」
教師の小さな声がその時はとても大きく聞こえた。
そして俺は『火球暴走魔術師』と影で呼ばれるようになった。