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3,初めての魔法

 それから宿で魔法のことについて教わった。

 ディウスさんの話を要約するとだ、魔法とは法則を魔力によって捻じ曲げて起こすものらしい。

 魔力を具現化したようなものか。

 そしてそれを行うには陣を描くか詠唱のどちらかをしなければならないらしい。

 つまり詠唱破棄とか持ってる俺は念じればできるみたいだ。

 念じればって言われても魔法名やその魔法が起こすことなどは知る必要があるらしい。


 実に便利だな。

 ディウスさんにも少し教えてもらった。簡単なのと言って水球を教えてもらった。

 なんでも、手から水が出て飛ばせると言うだけの魔法だ。

 だが苦労した。

 突然体に流れる魔力を感じろとか、水球をイメージするんだ。

 なんて言われてできるはずもない。

 1時間ほど葛藤しようやくできたのだ。

 絶望しかけた。


 詠唱はそう言ったことを自動で行ってくれるそうだ。

 ない方が必ずいいと言うわけではないそうだ。

 ともかく疲れのたので今日は寝ようと言う話になったがベットが1つしかなかったので俺は異世界初めての夜を床で過ごした。


 その日夢の中に神が出て来た。


「あ〜天野さん聞こえますか〜?」


「え?」


 驚きすぎると案外普通の反応になることがわかった。そこは何もない真っ白な空間で目の前に死んだ時にいた神がいた。


「あ、やっと起きましたか。いや起きたって言うよりは夢の世界で起きたと言うべきですね。天野さん?天野さんには毎日夢の中の世界で魔法のトレーニングをさせてあげましょう。どうです?このままでは覚えても使うのに時間がすごくかかるんですよ。水球のを見ていた限りですが。なので、私が直々にえらい神様に許可を得て来たんですよ!頑張ったんですから活用してくださいね」


 突然何を言い出すんだこの神は。

 夢の中でトレーニングとか寝てる時も起きてたら意味ないじゃん。

 俺の体調のことに気を使えよ。

 魔法だってコツさえつかめばすぐ使えるようになるってディウスさん言ってたし。

 お断りするか。

 俺はノーと言える日本人だ。


「お断りですよ。夢の中くらい休みたいですよ。」


「だ、だって簡単そうな魔法にあんなに時間使ってたから死神のミスだけど責任者は私だしそれでせめてもと思って時間を増やしてあげたのに、そんな…こと…そんなこと言わないでよね」


 なんで半べそかいて怒ってんだよこの神。

 泣かれるとなんか俺が悪いみたいじゃん。


「じゃ、じゃあ必要になったら使うことにしますね」


「そ、そうよね。じゃあ寝る前に使いたいって思ったら使えるようにしとくから。じゃあね」


「ええ、わかりました。では」


 そう言うと意識は落ちていった。


 朝起きると俺はディウスさんに抱き枕にされていた。

 何このシチュエーション。

 昨日確かに床で寝てたのに今はベットの上でディウスさんに抱かれていっ!?痛い痛い痛い!この人めっちゃチカラ強いんですけど。


「ちょ、ディウスさん。死んじゃう死んじゃうから〜」


「ん?…おっ、すまない。夢でちょっと変なのが出て来てな…というかなんで君はベットの上にいるんだ!…もしや夜に…」


「してませんから、そんなことしてませんから。俺だって起きたら体に腕が巻きついていてベットの上だったんですから」


「そ、そうか。疑って悪かったよ」


 お?あっさり信じてくれた。

 でもこんなことはごめんだ。

 普通に死にそうになったし、いくら美人のお姉さん相手でも殺されるのは嫌だ。


「それで今日はどうしますか?」


「ん〜?そうだな。ちょっと討伐にでもいってみるか?」


「でも何にもできなくないですかね。まだ攻撃手段がないです」


「魔法があるだろう?ちょっと練習すればいけるって。危なかったら助けるしさ」


 まあこの人がいれば危なくはならなそうだな。ドラゴン肉塊にしてたし。


「魔法って言ってもまだ水球しか出せないんですが」


「だからさ、練習するっていったろ?お前ならすぐできるようになるさ」


「はぁ、わかりました」


「よし、じゃあ朝ごはん食べに行くか」


 宿の朝ごはんは元いた世界と比べるとお世辞にも上手いとは言えるレベルではなかった。

 正直これを美味しいと言っているディウスさんはちょっと変だと思うんだが。

 さっきから隣で「うめ〜」て言いながらめっちゃ食ってるし。


「どうした?さっきから箸が進んでないようだが。お腹でも壊したか?」


「いえ、そういうわけではないのですが…」


 言えない、言えないよ。

 こんなにも美味しそうに食べてる人の前で美味しくないなんて言えない。


「大丈夫か?朝はしっかり食わないと動けなくなるぞ?」


「い、いえ俺はもうお腹いっぱいなので、先に部屋に戻ってますね」


「そうか。お前は小食なんだな。無理させたみたいで悪かったな」


「大丈夫ですので、部屋で魔法の練習でもして来ますね」


「わかった、できるだけ早く戻るようにするからな。この後は火球の練習でもするか」


「わかりました。それでは」


 とりあえずの問題は…ご飯をもっと美味しくするところからだな。

 あとで料理人のところにでも行こう。

 これでも小学生くらいの時には家の手伝いくらいしたことがあるのだ。

 さすがにこのめしよりはうまくなるはずだ。

 話を聞いてくれればの話だがな。

 それにしても火球か、ワクワクするな。


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