進め。
ずっと、後悔ばかりしてきた。
失敗ばかりし続けた。
何をやっても駄目駄目で、いつの間にか、無理だ、無駄だと、やる前から諦めるようになっていた。
そして、立ち止まって、しゃがみこんで。
そんな自分が、嫌いになった。
何をやっても意味がない。
どうせ伝えても無駄な言葉。
怖くて伸ばした手を握ってもらえることなんてなくて、疲れて、求めるのを諦めた。
周りとの差は大きい。
皆ができることの、大抵は半分もできない。
その上、こんな性格だから、それが災いしてか、溶け込むことなんてできないで、高い高い壁ができた。
その向こうが、どんな景色だったか忘れてしまった。
帽子を向こうに投げようとしても返って来てしまうような、とてもとても高い壁。
それをを越えようとすることをやめてしまった。
できない自分。
遅れている自分。
足りない自分。
全部全部、嫌になった。
自分を恨んだ。
自分を憎んだ。
どれくらい、自己の破滅を願っただろう。
何度も何度も。長い間。
世界が悪いんじゃない、悪いのは自分なんだ。
いつもいつも、そう思っていた。
そんな時だ。多くの人に、気づいて貰えたのは。
とても嬉しかった。
心から泣いた。
自分の存在を認めてくれる人が居るんだ。
生きているってことを、証明できたような気がした。
けれど、そんな人たちは、いつもそうあるんじゃない、ってことがわかった。
それはそうだよ。人間なんだから。
いつも、世話になってるんだ。
困っている人は助けなければ。
なら。
いつまでも、くよくよしている訳にはいかない。
少しでも、強くならなければ。
自分の暗い部分を嫌う必要はないって知った。
教えてもらった。
だから、拒絶するんじゃなくて、認めるんだ。
糧にするんだ。
いつも傍に居てもらったように、誰かの傍に居られるように。
困っている人の涙を受けてあげられるように。
共に泣いて笑えるように。
強く、強く、強く、強く。
弱音を吐いている暇なんてない。
後悔を恐れている時間はない。
過去を未来へ。想いを繋げ。
涙拭って、顔を上げろ。
人を、安心させられるように。
明るく、笑ってやれ。
進め、俺。