告白
彼女は帰ってこない。
新しい未来を見なければならない。
現実を。受け入れろ。目の前にある世界。自分一人の力じゃどうしようもできない大きなもの。
彼女を取り戻して何がしたいわけでもない僕には取り戻す資格なんてない。
そもそも---資格なんて。資格なんて必要ない。
僕は彼女が好きだった。
過去形にしていいのかどうかは分からないが強がりで「だった」と強調しておこう。
彼女と一緒にいる時間に永遠を感じる程度には好きだった。
ただ、僕の永遠は彼女にとって刹那でしかなく。
ただ、彼女の永遠は僕にとって刹那でしかなかった。
【遠距離恋愛】
ありふれたワードだと思う。
たくさんの物語、たくさんの現実で苦難を幸福に変えることが出来ると聞いたことがある。
片道三時間。
そんな程度の距離だ。きっと歴戦の猛者(?)からしたらその程度で遠距離とは笑わせてくれる。と一蹴されることであろう距離。
そして、僕は週末になると彼女のもとへと急いだ。
一週間ぶりの彼女。
別れるときにまた来週。
そんな付き合いをしていた。
至極真っ当。平凡無垢。
僕は彼女と会うまでの一週間、仕事をしてlineをして刹那のごとく時間が過ぎていき、彼女と過ごす時間は永遠に続くと思うくらい楽しかった。
だが、彼女の寂しさに気付いてあげられなかった。彼女の苦難に寄り添ってあげられなかった。
僕の刹那の中に彼女は永遠にも近い葛藤と苦痛を受けていたのに。
全く。笑える。なんとも愚かで。なんとも自分勝手。彼氏だなんて名乗れない。そういう観点から見ても彼女の答は正解だったのかもしれない。
まぁ、どれだけかっこよく書き連なったところで僕の愚かさが消える訳じゃない。
だからここは出来る限り無様に。一生忘れることのないくらいに。凄惨に笑いながら泣いて告白しようじゃないか。
これは-----遠距離恋愛の果て、彼女の気持ちを汲み取れず他の男に奪われた愚かな男の物語だ。
とりあえずは、短編小説と言うことであげさせていただきます。
続くお話もあるのですが誰かの要望があれば書きたいと思います。
それでは、私の人生初小説。
少しでも続きが気になると思っていただけたら幸いです。