第九話「初めてのパーティ」
「ぐぎゃあああおおおおおおお」
「おう、怖い怖い」
俺は剣にエンチャントを掛けた
ドラゴンが俺に向かって攻撃してくる
「身体強化!!」
俺は空高く舞い上がりドラゴンの攻撃を回避した
ドラゴンは攻撃を回避されたと気づいた瞬間
俺の方に顔を向け再び噛み付いて来た
俺はその攻撃を剣で受け止め
そのまま後ずさった
「接近は厳しいか、なら!!」
俺は剣で空を斬り衝撃波を出現させドラゴンに向かって放った
ドラゴンはその攻撃に怯んだがすぐ体を修復させた
「よし、お前のパターンは読めた!!」
俺は連続で衝撃波を出しつつドラゴンを怯ませドラゴンに接近した
「今だ!!」
俺はドラゴンの首目掛けて渾身の一撃を放った
ドラゴンの首が落ち地面に転がった
「ふう、何とかなったぜ!!」
俺はしばらくドラゴンを倒したという達成感に浸っていた
「あのー」
一人の女性が俺に申し訳なさそうに声をかける
何だ? 助太刀するのは余計だったか?
と思いきやその女性は俺に礼を言った
「いえ、俺は勇者として当然のことをしたまでですよ」
「俺たちからも礼を言わせてください」
三名の男性が俺に頭を下げた
俺は何だか照れくさくなった
でも褒められるのは悪くないな
「それで、もし良ければなんですが……」
一人の男性が一つ間を置くとこう言い放った
「俺たちのパーティに入りませんか?」
唐突な誘いだ
俺はレリータに聞くことにした
なあ、レリータ
「何じゃ?」
俺、パーティに入ってもいいのか?
「別に今はそれで支障が出てらんので構わんが」
分かった
「ええ、構いませんよ」
「本当ですか!? それは心強い」
こうして俺は彼らのパーティに入ることになった
俺にとって初めてのパーティだ
突然私たちの前に戦士が現れた
彼は剣にエンチャントをかけるとドラゴン相手に一人で立ち向かった
私を含む周りの戦士たちは彼の戦いぶりに目を奪われた
恐らく彼は魔法戦士の中でもなかなかの凄腕をもつ人物だと言うことがわかる
剣にエンチャントをかけるだけでなく身体強化もしているのだ
身体強化している人物は強烈なオーラを放つので見れば分かる
それに私のパーティにも魔法戦士はいるが
魔法戦士であるエジェネのエンチャントよりも彼のエンチャントの方が数倍強力に見えた
彼はドラゴンに接近して上手く行かないと分かると距離を取り強力な衝撃波を放った
彼はドラゴンの攻撃パターンを読んだのであろう
ドラゴンに衝撃波を放ちつつ近づき最後にはドラゴンの首を斬り落とした
彼の戦いっぷりは見事としか言い様がない
ただ、強いだけじゃなく敵の動きを読み的確に動いていたのだ
私たちは唖然としていた
彼の戦いっぷりが脳裏に焼きついている
「あのー」
私はしばらくして彼に声をかけた
「ありがとうございます!」
「いえ、俺は勇者として当然のことをしたまでですよ」
何という勇敢な言葉だろう
彼はまさに勇者と呼べる人物だった
「俺たちからも礼を言わせてください」
リンファン、ガルベス、エジェネも彼に礼を言った
「それで、もし良ければなんですが……」
リンファンが申し訳なさそうに彼に声をかける
「俺たちのパーティに入りませんか?」
無茶な要求だと私は思った
こんな強い戦士が私たちの仲間になど入ってくれるはずがない
彼はしばらく考え込んでいた
やはりダメか
そう思った矢先
「ええ、構いませんよ」
何と私たちの仲間になることを了承してくれた
「本当ですか!? それは心強い」
リンファンは大変嬉しそうだった
私も嬉しい
これで彼が私たちのパーティに加わることになる
彼がいればどんな難敵とも戦っていけるだろう
私はこれからが楽しみで仕方がなかった