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第六話「魔術の初歩」

「おい」


 う~ん母ちゃん


「おい!」


 ご飯に


「おい!!」


 腐った卵使わないでくれよ


「おい!!!」

「はっ!!」


 俺は目を覚ました

 レリータがペチペチと俺の顔を叩く


「ホント、お前は寝ぼすけだな、これじゃあ勇者なんてやっていけんぞ」

「別に勇者が寝ぼすけでもいいだろう」


 俺なんてまだマシだ

 他の勇者なんて他人の家に勝手に上がってタンスを物色して物を盗むという外道まで働いているんだぞ


「それはお前の妄想上の勇者じゃろう」

「はい、そうでしたすいません」

「では早速魔術修行の続きをやるぞ」

「はいはい」


 俺は起き上がろうとした


「いてて」

「どうした?」

「昨日の稽古のせいで筋肉痛が」

「はあ……相変わらず情けない男じゃのう」

「普段体を動かすことがないから仕方ないだろう」

「なら今日は人形と戦わずイメージだけでやるぞ、歩くことぐらい出来るじゃろう?」

「まあ、それぐらいなら出来るが」


 俺たちは早速街の外へと向かった


「今日のレリータさんも素敵ですね」

「何のつもりか分からんが媚ても何も出んぞ」

「そう言えば今更だけど」

「何じゃ?」


 俺は長いあいだ思った疑問をレリータにぶつけた


「お前のその容姿だと街の人々に驚かれたりしないのか」

「安心せい、ワシはお主にしか見えないようになってる」

「なるほど」

「まあ通常悪魔などの霊体だけの魂は人には見えん」

「ふむ」

「ただ姿を現すことが可能な世界もある」

「ほう」

「さて、前置きはこのくらいにして早速修行を始めるぞえ」

「はーい♪ イメージすればいいんだよね」

「そうじゃまず心を無にして火の玉をイメージして精神を集中するのじゃ」


 俺は心を無にする努力をした

 ……


 うん、無理だ


「ダメです、レリータさん」

「すぐ諦めるでない、続けるのじゃ」


 もう一度俺は心を無にする努力をする

 あの人形と戦ったときの感覚をイメージする

 すると自然と心が無になるような気がした

 ここら辺でいいのかな

 そして俺は右手のひらから火の玉が浮かぶイメージをした

 その途端俺の右手が熱くなった


「おお!」


 目を空け俺の右手を見ると火の玉が浮かんでいた 


「良かったな魔術の初歩突破じゃ」

「はい、ありがとうございますレリータ先生」

「さて、魔術の修行はこれだけで終わりではない、お主が戦っていけるようにもっと上を目指すのじゃ」

「分かりました、レリータ先生」


 着々と俺の勇者への道が近づいていった

 勇者として崇められる日が来るのが楽しみだ

 そう思いながら俺は魔術の修行を続けた

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