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第二十六話「エンシェントドラゴン討伐」


「ぐぎゃあああああ」


 レリータ!!


「何じゃ?」


 この起こし方やめてくれえええ!


「何じゃ? ちょっと足を握り潰してるだけじゃが」


 それをやめてくれって言ってんの!


「そもそも起きないタケルが悪い。もう朝じゃぞ」


 分かったからその手をなあ!!

 俺の足を握り潰しているレリータの手の力は徐々に弱くなり、俺の足を離れた。

 

「ふう。痛かったぜえ」

「それよりもそろそろお仲間が起こしに来るぞえ」

「ならお前に起こされる必要なくね?」

「わしはネボスケは嫌いなのじゃ」

「それだけの理由であんな惨い起こし方をするのかお前は」

「起きないお主が悪いのじゃ」


 もういい。次からは目覚まし時計でも容易するか。

 待てよ? 異世界に目覚まし時計ってあるのだろうか?

 まあさすがに、時間という感覚があるから目覚まし時計もあるよな。

 あとで商店街でも行って探してみるか。


「目覚まし時計を買うとはお主にも頭はあるのじゃな」


 馬鹿にしてんのかレリータ。

 ってか俺の思考読むんじゃねえよ。


「読まされてるんだから仕方ないのじゃ」


 はいはい。もういいよ。


「タケル! もう朝だ。皆待ってるぞ」


 この野太い声は!

 誰だっけ?

 今の俺のパーティメンバーどいつもこいつも体ごついし、声も野太いんだよなあ。

 とりあえず行くか。


「やあ。ボブ」

「ボブって誰だ?」

「え? ボブじゃなかった?」

「人の名前を間違えるとは失礼だな。俺の名前はジーンだ」

「オーケージーン。レッツゴー」

「お前こんなキャラだったか?」



 ――。


「遅いぞタケル」

「ごめん俺ネボスケだから」

「ネボスケは嫌われるぞ」


 レリータみたいな起こし方さえされなけりゃ嫌われても全然いい。

 まあ直すべきではあるか。


 朝食を済ませた後、俺たちはエンシェントドラゴンの討伐に向かった。

 エンシェントドラゴンが生息するグルガル山。

 標高2500メートルはあるそうだ。

 ってか前の前の世界みたいに魔法陣があればどんだけ良かったことだろうか。

 移動時間が長くて長くて。


「ベガット!」

「ん! ハッ!!」


 道中のモンスターも相手にしないといけないし。


 道中出てくるモンスターを処理しつつ、俺たちはエンシェントドラゴンが出没するグルガル山頂上に辿り着いた。

 辺りは障害物が何一つない平野みたいな光景だ。

 さて、エンシェントドラゴンはと。見当たらないな。もう討伐されていないとか?


「ん? あれは?」


 遠くの空を飛んでくる物体。


「エンシェントドラゴンだ! 皆備えよ!!」


 物体は近づくにつれ段々と姿をはっきりさせていく。

 でかい図体。大きい翼。狂暴な目つき。金色に輝く体。

 明らかにエンシェントドラゴンらしき見た目だ。

 こいつは標的か


「ベンツ! 閃光弾!」


 某狩猟ゲームみたいなものを標的に向けて投げるベンツ。

 その閃光弾が効いたのか標的は飛ぶのをやめ、一気に地上に落ちた。


「標的の混乱が解ける前にかかれ!」


 皆が一斉に斬りかかる。


「ぎゃおおおおおおおおおおおお」


 標的は大きな咆哮を上げる。

 普通ならここで耳を塞いでしまうところだが。

 作戦会議で耳栓も事前に準備するようジーンからの指示があったので大丈夫だ。


「ぐぎゃああああああああ」


 斬られた痛みからか標的が暴れだす。

 

「タケル前衛は任せた! 他の皆は下がって砲撃だ!」

「オーケーボブ!」

「俺はジーンだ!!」


 やべ、冗談言ってる場合じゃないな。


「身体強化+シールド!!」


 なぜ俺がこの討伐に必要だったのか?

 それは俺が一番魔法を使えるからだ。

 この世界でも魔法は強いらしい。

 シールドという魔法を張れる俺は前衛に必須というわけだ。

 

「グッ!」


 混乱が解けた標的が俺目がけて猛攻をしかけてくる。

 身体強化もMAXにしてるが、それでも標的と同等ぐらいの能力しか上がっていない。

 攻撃ももろに食らってシールドもいつまでもつか。

 でもでも。


「ぐぎゃあああああおお」


 敵は俺だけじゃないぜドラゴンさん。

 仲間たちの砲撃銃が標的の体を抉る。

 少し怯んだ後標的は命の危険を感じたのか飛んで逃げようとしたが。


「そうはさせないぜ!」


 怯んだ隙を逃がさず、首目がけて一閃。

 無事、エンシェントドラゴンの討伐が完了したのだった。

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