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第二十二話「ヘルフェスとタケル」

 朝


 ベキボキバキガキベシボシドシャ


 俺はいつもどおりレリータに起こされた

 これももうお約束だな


「やっと起きてくれたか」


 こんな起こされ方したら誰でも嫌でも起きるしかないのだが……


「さて、今日はお主にあることをやってもらう」

「あること?」

「そうじゃ」

「それは何だ?」

「それは独裁者の説得じゃ」

「な!?」


 俺は耳を疑った

 独裁者ってあれだろ

 民に理不尽な行為をするあれだろ


「そうそのあれじゃ」

「どうやって説得するんだよ」


 それに俺一人で説得しろってか

 それは無茶に決まっている


「安心せい、お主一人で説得するわけではない」

「ほお」

「これはワシも驚いたことじゃが」


 レリータが驚いたこと?

 気になるな


「ヘルフェスという悪魔と組めというのだ」

「な!? 悪魔!?」

「驚くのも無理はない」


 まあレリータも悪魔なわけだが


「確かにそうじゃがあいつは格が違う」

「どういうことだ?」

「あいつは上級悪魔の中でもトップクラスの実力を誇る悪魔、ヘルコレオスと並びその残忍性は他の悪魔を抜きん出ている」


 お前らの悪魔事情は知らんが

 ということはつまり……


「そう、その悪魔とお主が組むのじゃ」

「無理言うなよ~」

「しかし、エルメカレタの命令である以上仕方がない」


 そうだね

 エルメカレタの命令だからね

 って


「いやいやいやいや無理でしょ」

「とりあえずそやつがワシらを待っているという」


 ということで俺たちは宿を出て

 ヘルフェスが待っているというところへ向かった


「ここじゃ」


 見る限り雰囲気がいいカフェといったところか

 この中に本当に悪魔がいるのか?


「とりあえず入るのじゃ」


 俺はレリータの言われた通りにした

 カフェの中に入る

 しかし、悪魔らしきものはいない


「あやつじゃ」


 レリータがとある人物を指差す


「ん? 見た感じ普通の人間みたいだが」

「どうやらヘルフェスも事情があって人間の姿で異世界を旅しているらしい」

「ふうん」

「とにかくあやつに話しかけることじゃな」


 俺はヘルフェスと呼ばれる人物に近づき話しかけた

 その人物は白髪で極めて一般的な青年といった容姿だった 

 ただ妙なオーラを感じる


「あのーあなたがヘルフェスさん?」

「ほお、お前がか」


 ヘルフェスという人物は何か納得したかのように言った


「俺、タケルっていいます、その、よろしく頼みます」

「まあ俺はお前がいなくても何とかなるが」


 何か嫌味なやつだな

 まあ悪魔だからだろうか?

 いや、何でもかんでも悪魔だからと決め付けるのは良くないな


「それでもちろんお前も事情は知っているんだよな」

「独裁者の説得……ですよね?」

「そうだ」


 ヘルフェスは席を立ち上がると俺にこう言い放った


「それじゃあ早速行くぞ!」

「ちょっと待ってください! 俺たちだけで独裁者を説得するんですか?」

「そうだが?」

「どうやって」

「そりゃ直接王宮に乗り込んで独裁者をコテンパンにすればいい話だろう」

「な!? 無茶です!」

「お前にとっては無茶でも俺にとっては楽勝なの」


 言ってくれるねえ

 この人


「ヘルフェスの言う通りじゃ」


 レリータがヘルフェスをフォローする

 どういうことだ?


「ワシが今までお主を鍛えたのは何のためだと思う?」


 それは……


「独裁者たち相手に立ち向かうためじゃ」


 っていっても俺とあいつだけじゃ


「もっと自信を持てい、それにあやつは悪魔じゃ」


 う~ん


「大丈夫じゃタケル、お主とあやつなら出来る」


 もう! 分かったよお

 ということで俺たちは王宮へと向かった


「俺の足を引っ張るような真似はやめてくれよ」

「はいはい、分かってますって」


 しかし、こいつは余裕そうだな

 悪魔だからか?

 もしくは俺が自信を持ってないだけか?

 しかし、普通に考えたらそうだろう

 王宮に二人だけで乗り込もうだなんて考えない


 そうこうしている間に王宮の門が見えてきた

 目の前には二人の兵士が門番の如く立っていた


「それじゃあ行くぞ! タケル」


 ヘルフェスはその声を発すると同時に門番たちに襲いかかった

 恐ろしいスピードだ

 門番たちはヘルフェスに吹き飛ばされ気絶した

 やはりこいつは悪魔だ


「やはりここではアレにはなれないか」


 ヘルフェスが独り言を呟く

 アレって何だ? 

 そんな疑問を置きつつ俺たちは王宮の門の中に入っていった

 門の中にも勿論兵士達がいて俺たちを見るや否や剣を向けてきた


「侵入者だ!」


 その兵士の声と同時に兵士達が俺たちに襲いかかる


「フンッその数で俺を倒せるとでも思ったのか?」


 こいつどこまで余裕をかましてるんだ取り囲まれたというのに

 そう思っている間も兵士達は俺たちに接近してくる

 兵士達が俺たちに剣を振りかざした

 あれ? 兵士達の動きが遅く見える

 少なくともあの二刀流の人形よりは弱く感じる

 やはり俺も鍛えられていたということか


「グアッ!」


 俺は兵士の剣を避け顔面にパンチを食らわした

 その兵士は吹っ飛び気絶する


「お前、なかなかやるな」


 ヘルフェスが俺を褒める

 しかし、彼の方が俺より数倍も強い力を発揮していた


 俺たちは兵士達を薙ぎ倒しながら玉座へと進んでいった


「何奴!」


 みりゃ分かんだろ

 人間と悪魔だよ

 まあこいつも見た目は人間だが


「よお、お前がここのボスか?」


 ボスというより王様じゃないのかな?

 まあ細かいことはいいか

 俺たちは王様の側近も倒した

 ヘルフェスが王様へと近づいていく


「な、何が望みだ?」

「お前の命」

「ヒィ!!」


 ヘルフェスが鞘から剣を抜き王様に斬りかかろうとした


「やめろヘルフェス! 俺たちの目的は説得で殺すことじゃ」

「チッ、やはりダメか」

「ん?」


 ヘルフェスはそう言うと剣を鞘におさめ王様にこう言い放った


「とりあえず奴隷達を開放しろ」

「わ、分かった、そうする」


 奴隷の開放?

 その話は俺は聞いてないわけだがそれが説得って訳か


 こうして俺たちはその役目を終えた

 しかし、あっという間だった

 自分でも驚いている

 あれだけの兵士達をたった二人で倒したという事実に


 俺たちは王宮を出た


「うおっ!」


 ヘルフェスの右手にしている腕輪が光った


「次の世界へ向かうのか」

「次の世界?」

「お前には関係ない」


 ヘルフェスはそう言い放つと


「短い間だったがじゃあなタケル」


 と言い放ち姿を消した

 確かに短い間だったな

 ってか俺がいなくてもあいつ一人だけで行けたんじゃね?


「いや、お主も必要だった」


 レリータが言う

 まあ確かに一人よりは二人の方がいいが


「さて、ワシらも次の世界へと向かうぞよ」


 ヘルフェスの場合はあの腕輪が異世界への出発の合図なのか

 俺のとは大違いだな


「何をしているタケル、早くせい」

「はいはい」


 俺もレリータに言われるまま次の世界に向かうことになった

 しかし、ヘルフェスという悪魔が異世界の旅をしている理由は何だろう?

 罪を滅するためか

 なあレリータ


「それはワシも知らん」


 そうっすか

 そうこう思考している内に鳥居へと辿りついた

 さて、次の世界では何があるのだろうか?

 出来るだけ無茶なことはやりたくないけどね

 そう思いつつ俺とレリータは鳥居の中へ入るのだった

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