↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラジエルライブラリの司書見習い  作者: 日野 祐希@既刊9冊発売中
レファレンスNo.3 見習い司書とつながる絆
PR
59/68

レファレンスNo.3 8-3

「さて、そろそろおやつにしましょうか。今日はみなさんのために、おいしいお菓子をたくさん用意しましたよ」


 ゲームが一通り終わったところで、立川さんがみんなに向かって言う。

 時計を見ると、午後三時。ちょうどおやつの時間になっていた。


「おぉ! おやつか。それはいいな!」


「おやつ? やったー!」


「あたし、いっぱいあそんだから、おなかペコペコ!」


 おやつという言葉に、真っ先に反応したのはエノク君だ。さすがは、ラジエルライブラリで一番の食いしん(ぼう)だね。

 エノク君に釣られて、キンタ君とアンちゃんも大喜びでバンザイしている。

 まあ、ゲームをやっている時からずっと、(あま)くておいしそうなにおいが立ちこめていたからね。二人が喜ぶのも当然だろう。


「では、少々お待ちくださいね。お茶の用意をしてきますので」


「あ、わたしも手伝います」


「そうですか? では、バスケットの中のお菓子を、テーブルに並べてください」


 立川さんに「了解です!」と返事をし、バスケットの中からクッキーやケーキを取り出して並べていく。

 その間に、立川さんも慣れた手つきでお茶の用意を始めた。


「あ、詩織ちゃん、私も手伝うよ」


「葵ちゃんは座ってて。今日はお客さんなんだし、キンタ君やアンちゃんとお話でもしててよ」


 いっしょに手伝おうとしてくれた葵ちゃんを、やんわりと押し止める。

 葵ちゃんにはできるだけ長い間、キンタ君やアンちゃんといっしょにいてもらいたいからね。


「さあ、お茶の準備ができましたよ」


 わたしがお菓子を並び終えたところで、立川さんがポッドを持って戻って来た。

 全員の前に紅茶が給仕(きゅうじ)されて、準備完了。

 それじゃあ、プログラムナンバー2を始めるとしようか。


「コホン! それでは、ゲーム大会に続きまして、プログラムナンバー2、お茶会の開始です。みんな、思う存分お菓子とお茶に舌鼓(したつづみ)を打ってください!」


『いっただきまーす!』


 わたしの言葉を待っていたというように、エノク君、キンタ君、アンちゃんがお菓子に手を伸ばす。

 思い思いのお菓子を口に放り込んだ三人は、花のような満面の笑顔となった。


「おいしい~」


「ほっぺたおちそうだよ~」


「うむ! 立川はお菓子作りの腕も超一流なのだ。いっぱい食べるといいぞ!」


 キンタ君とアンちゃんがおいしそうにお菓子を頬張(ほおば)る横で、なぜかエノク君が得意げにしている。

 まあ、いつもみたいに一人占めしようとはしてないし、よしとしますか。

 さてと、わたしもテーブルに並んだとりどりのお菓子をいただくとしよう!


「うーん、おいしい! 立川さん、このケーキ、絶品(ぜっぴん)ですよ!」


「本当にすごくおいしいです。私、こんなにおいしいお菓子を、今まで食べたことありません!」


 わたしといっしょに葵ちゃんも立川さんのお菓子を絶賛(ぜっさん)する。

 お菓子があまりにおいしくてびっくりしたのかな。葵ちゃんの(ほお)は、ほんのりピンク色に()まっていた。


「ありがとうございます。お口にあったようで何よりです。――もしよろしければ、作り方をお教えしましょうか?」


「いいんですか! ぜひ教えてください!」


「立川さん、立川さん! わたしも教えてほしいです!」


 立川さんと葵ちゃんの会話に加わって、わたしも「はいは~い」と挙手をする。

 こんなおもしろそうなイベント、参加しない手はないからね。


「わかりました。では今度、お菓子作り教室でもやりましょう」


「はい。よろしくお願いします!」


「わ~い! ありがとうございます、立川さん」


 お菓子作り教室の約束を取り付け、「やったね!」と言いながら葵ちゃんとハイタッチする。

 いや~、本当に楽しみだ。主に――試食が。


「アオちゃん、アオちゃん!」


「聞いて、聞いて!」


 わたし達がお菓子作りの話で盛り上がっていると、キンタ君とアンちゃんが葵ちゃんの手を引いた。

 おっと、いけない。パーティの主役をわたし達が独占(どくせん)しちゃいけないよね。


「アオちゃん、こっちのクッキーもすごくおいしいんだよ!」


「あっ! キンタずるい。アオちゃん、このシュークリームも食べてみて」


 おやおや、二人で葵ちゃんを取り合い始めましたよ。

 葵ちゃん、大人気!


「二人とも、ありがとう。それじゃあ、みんなでいっしょに食べようね」


「うん、そうだね!」


「えへへ。みんな、いっしょ!」


 葵ちゃん達は三人で仲良く、お菓子を分け合っている。

 あはは。ほんと、姉弟姉妹みたいに仲がいいよね、この三人。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。