レファレンスNo.2 10 ~finale~
ここからは、ちょっと後日談。
実は、読み聞かせを行ってから数日経った今日、デューイさんが再び図書館を訪ねてくれたんだよね。あの日の出来事を経て、その後、文香ちゃんがどう過ごしているかを報告に来てくれたの。
「あの日以来、文香ちゃんは元気を取り戻して、リハビリも頑張っているんですよ」
図書館にやってきたデューイさんは上機嫌で、文香ちゃんの近況を教えてくれた。
デューイさんの話では、文香ちゃんはあの日の出来事をすっかり夢の中のことと信じているそうだ。
それでも、あの日デューイさんとした約束をしっかり覚えているようで……、
「あたしね、はやくあるけるようになって、デューイといっしょにサーカスをみにいくんだ! せんせい、おかあさん、しってる? サーカスってね、すっごくたのしいんだよ!」
と、お医者さんやお母さんへうれしそうに話しているらしい。
あはは。そんなに喜んでもらえたなら、あのイベントを考えた甲斐があったというものだ。わたしにとって、この近況報告は何よりのご褒美だね。
まあ、わたしのご褒美はさておき、文香ちゃんとデューイさんの約束が一日も早く果たされるといいなぁ。
「みなさんには、いくら感謝しても足りません。本当にありがとうございました!」
そうやって何度もお礼を言い、デューイさんはイキイキとした様子で帰っていった。
「これにて一件落着、だな」
「そうですね」
エノク君と立川さんはそう言いながら、デューイさんが出ていった扉を眺めていた。二人ともとても温かい顔をしているね。
で、わたしもそんな二人といっしょになってニコニコしていたら、不意にエノク君がこちらを向いた。
「さて、見習い。反省することも色々あったが、今回のレファレンスはよくやってくれた。この調子でこれからも精進しろよ!」
「はい。次も一生懸命頑張ります!」
エノク君の激励に笑顔で応える。
さあ、今日も勉強と仕事に励むとしよう。わたしが学ばなければならないことは、まだまだたくさんあるのだから。
デューイさんの報告に気分も晴れやかになったわたしは、ご機嫌に鼻歌を歌いながら、自分のやるべきことに取り掛かるのだった――。
レファレンスNo.2は、これにておしまいです。
お付き合いいただき、どうもありがとうございました。
引き続き、レファレンスNo.3にお付き合いいただければ幸いです。




