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ショートショート

ショートショートI「年賀状」

作者: 有沢翔治

 元日から正月七日くらいまで、妹は早起きして郵便バイクを待っている。そして、年賀状を受け取ると自室に駆け込んで、仕分けをするのだ。

 今年も僕の部屋にノックの音が響いた。どうやら妹が年賀状を持ってきてくれたらしい。

 ドアを開けると、満面の笑みで年賀状を渡された。僕は礼を言うと、例年の仕事みたいなものだと言う。そういうものなのかと思いながら、パラパラとめくって誰からきているのか確かめた。

 男友達ばかりである。今年も色気のない年になりそうだな……。ふと見ると、妹のポケットからライターが顔を出していた。

「おい、タバコ吸ってるんだろ? オヤジにはばれないようにしとけよ」

 僕は妹に囁くと、妹はしばらくきょとんとしていた。やがて曖昧に笑ってライターを押し込む。僕に見つかったのが気まずかったようだ。

「また明日、お兄ちゃん宛へのがあったら持ってくるね」

 そう踵を返すと、スカートから灰色の紙片が舞った。どこかで見たような気がするけどどこだったっけ? しばらく眺めていたが、僕は部屋のゴミ箱に捨てた。

 居間からは妹の笑い声が聞こえてくる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ツイッターのRTから失礼します。 意味がわかると怖い…その通りですね! さっくり読めますが後味が悪く、良いショートストーリーでした。
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