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ドマじぃ、心の設計図が崩れるの巻

精霊の力によって、巨大な複合施設――

癒しの環モールとDIY王都支部が、

地上四階の堂々たる姿で建ち上がった。


所要時間、たったの五分。


 


その偉業の傍らで、ひとり地面にしゃがみ込み、

木の棒でグリグリと模様を描いている男がいた。


 


「……なしたんだ、ドマじぃ?」


たすくが近づいて声をかけると、

老人は顔を上げず、ぽつりと呟いた。


 


「わしだってな……設計図とか……書いて……頑張ったんじゃ……」


 


「お、おう……?」


 


「末裔たちは住居建築なんぞ朝飯前!

 知恵と技術を舐められては困る!って……

 わし、言ったんじゃ……」


 


「う、うん……それで村に来たんだよな?」


 


「なのに……なのに……!」


 


次の瞬間、ドマじぃは勢いよく立ち上がると、

空に向かって全力で叫んだ。


 


「こんなのあんまりじゃーーーーーーーーーッ!!!!!!!」


 


手にしていた棒が、高く空へと舞い上がっていく。


 


火の精霊が、たすくの耳元でそっと囁いた。


 


「……このじいさん、今までマジでなんも建ててないよね?」


 


風の精霊が小さく頷く。


「せやな……」


 


水の精霊は目を伏せながら、


「でも……ちょっとかわいそう……」


 


地の精霊がビスケットをもぐもぐしながら呟いた。


「ドマじぃの図面、ぜんぶスイーツの裏に描いてたで……」


 


たすくは腕を組んでうーんと唸った後、

しゃがみ込んでドマじぃの肩をぽんと叩いた。


 


「ドマじぃ。あんた、やっと働くチャンスが来たぞ」


 


「えっ……?」


 


たすくはニッと笑う。


 


「“ドマ塾”を作る。王都の若者に、あんたの知識、全部教えろ。

 どうせなら、最後に――伝説のじじいになってやれ!」


 


その言葉に、ドマじぃの目がキラリと光った。


 


「……伝説……わしが……?」


 


「そう。伝説になってから死ね!!!」


 


ドマじぃは涙目で、拳をぐっと握った。


 


「生きるぞぉぉぉぉぉおおおお!!!!!!!!」


 


空に高く舞い上がった棒が、

ようやく地面に落ちてきて、コツンと音を立てた。


 


その音が、ドマじぃの“新たな人生”のはじまりを告げたようだった。


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