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ミントで入場!?魂のタスフェス開幕!!

ある晴れた昼下がり――

たすくは、村の広場にスコップでステージを作っていた。


「……で、なんでまたやんの?」

ジローがスコップを持つたすくの背中に声をかける。


「ミントがあるからさ」

「ミントって、あの草?」

「ああ。喉にいいんだよ。フェスの参観料にぴったりじゃん?」


言いながら、たすくは一丁前な顔で空を仰いだ。

それがなんとも意識高い顔だった。


「ステージの炎、あたしが担当ね!」

火の精霊が手を上げて宣言する。

「花火じゃないわよ、**魂の炎(リアル火柱)**よ!」


「……あんたの唾、飛びすぎるからな」

風の精霊が呆れたように言う。

「わいが“つば拡散制御”したるわ」


「ステージに地霊文字彫った」

地の精霊は堂々と言った。

「“たすく万歳”って書いといた。間違ってたら許せ」


ステージ脇では、タローが震えていた。

「ぴぃぃぃぃ……(村、焼けないかな……)」



【開場!村民たち集合】


「……これがチケット?」

ばあちゃんが、しわしわのミントを差し出す。


受付のジローは無表情でうなずいた。

「うん、入場許可出るわ。つっても草だけどな」


「なんか……意識高いような、ただの変人のような……」

おっちゃんが呟く。


ステージの上。

たすくがマイクもないのに全力で叫ぶ。


「今日はありがとーーーーーーー!!!

集まってくれてうれしいぜ!!

これが“タスフェス”だァァァァァ!!!!!!

俺の歌に力があるっぽいから、みんなにもお裾分けだぜーー!!」


\ チッチ……ぷぴっ……ベフッ……!!!ズビュゥゥ!! /

――唾、大量散布。


「ここで火柱ぉぉぉぉお!!!!!!」

火の精霊の叫びとともに、ステージの後方で爆発が起きる。

木製の背景がちょっと焦げた。


「ほな、唾ブロック!!!!」

風の精霊が全力の風を放つ。

……が、風が唾を全方向に撒き散らしただけだった。


「この前伝承の護竜が現れたからって、調子乗りやがって……!!」

ジローの怒鳴り声が響く。



【たすくのMC】


「みんな、これが“癒し”だ!!!

魂とミントと、モフと畑と――それが俺のビートだァァァァ!!」


\ ブブッ… ぷぃっ… バブッ… ガッ(スコップぶつけ) /


ステージ脇のモフが耳を塞ぐ。

「ぴぃ……」


観客席では、村民たちが頭を抱えていた。



【アンコール……?】


「アンコール、いっちゃう!?いっちゃう!?」


静寂。


……と、その時。


「……あの、たすくちゃん」

ばあちゃんが手を挙げて口を開いた。

「おばあちゃん、ちょっと腰が軽くなった気がするよ」


「ミント食べたせいかと思ったけど……

あんたの声、聞いてたら、なんかスカッとしたよ」


すると――

観客の中からも、あちこちで声があがる。


「肩こり……軽くなってる?」

「さっきまで喉イガイガしてたのに……」

「えっ、まさかこれ……治ってる!?」


驚愕する精霊たち。


「……いやいやいやいや」

火の精霊が首をぶんぶん振る。

「ウソでしょ? 歌で治癒??」

風の精霊:「“騒音”で封印から治療まで!?なんでもありやな……」


ジロー:「……なんなんだよ、こいつ……マジで“効く”のかよ……」


タロー:「ぴ……ぃぃ……(なんでやねん……)」



【ラストナレーション】


――この日、

村は笑いと、ミントと、唾に包まれた。


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