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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
死の森編
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魔物狩り?①

「数はざっと見、百前後かな」

「百!?」

 俺の言った数字が多すぎたのか、リリアは大声を出す。

「フィリアとリーゼで下の魔物を処理してくれ。リリアは待機で怪我した人が出たら治療を。俺は上の魔物を処理する」

「わかった!」

「はい!」

「任せて!」

「シュレイナー殿は騎士の皆さんと魔術師の皆さんで反対側をお願いします」

「了解!皆、隊形を組め!」

「「「「おう!」」」」

 騎士は横に並び、魔術師は後ろで魔力は練り始める。

 あっちは大丈夫そうだな。

「こっちも始めようか」

「行きます!」

 フィリアは身体強化を施して魔物の群れに突っ込む。

「私も行こうか。この剣も実戦で使うのは初めてだしな」

 そう言ってリーゼロッテは剣を構える。

「『二段解除セカンドオーバー』」

 リーゼロッテの纏う空気が変わる。

 そしてリーゼロッテは目にもとまらぬ速さで駆け抜け、リーゼロッテが通った後の魔物たちはすべて絶命していた。

「もう二段階目まで開放してるんだからすごいよな」

 七豪剣は身体強化魔術とは別に七段階の身体強化ができる。つまり今のリーゼは身体強化の三枚重ねしているのも同義だ。

「あの二人、どんどん人間離れしてない?」

「人間ならあれくらいできるだろう」

「えぇ……」

 なぜかリリアに引かれてしまった。

「ギャアアアアアアア!」

 飛行型の魔物がリーゼに向かって飛んでくる。

「させるかよ」

 俺はその魔物に向かって『風渦』を放つ。魔物は断末魔を上げながら絶命した。

「めんどくさいから一気に片をつけるか」

 俺は魔力を練る。

「『豪炎』『氷華』」

 右に炎、左に氷を作り出し魔物たちに向けて放つ。

 ある魔物は炎で焼かれ、ある魔物は氷の華が無数に突き刺さり次々と絶命していく。

「おぉ!こんなにあっさりと……」

 リリアはその手際の良さに感嘆の声を上げる。

 飛行型の魔物は落下していき、そのうちの一体が待機している魔術師の近くに落ちた。

「え?もしかして死んでる?」

 ツンツンとつついて本当に死んでいるか確かめている。

「この程度の魔物なら二人の援護はいらなそうだな」

 フィリアとリーゼロッテはとんでもない勢いで殲滅させていく。

「さてと、向こうはどうなってるかな?」

 俺は反対側を見てみる。







「はああああああああああ!」

 シュレイナーが剣を振るうと魔物が複数同時に斬られる。

 他の騎士たちも順調に魔物の数を減らしている。

「『風渦』!」

「『氷華』!」

「『豪炎』!」

「『水渦』!」

 魔術師たちも無詠唱で中級魔術を使っている。さすが精鋭部隊だ。

「うわあ!」

 騎士の一人が悲鳴を上げる。

 視線を向けると騎士の一人が魔物の牙によって怪我をしていた。

「負傷者は下がれ!他の者は負傷者の穴埋めをしろ!」

「「「了解!」」」

「ここは私が――――」

「怪我したところを見せろ!」

 リリアは負傷者の治療をしようとする。しかし待機していた魔術師の一人が先に光系統魔術を使う。

「私の出番は?」

「まあ回復役の出番は少なければ少ない方がいい」

「それはそうだけど……」

 リリアは活躍ができないことが不服なのかふくれっ面をしている。

「シュレイナー殿、援護は要るか?」

「ガル殿、心配不要!」

 シュレイナーはニヤリと笑う。

「え?なに?なんで友情的なの芽生えてるの!?」

「昨日、ちょっとな?」

「気になるんだけど!?」

 気にするな。

「剣技『散華演舞』!」

 シュレイナーは流れるような剣技で一気に魔物を減らす。

「すっご!」

「リーゼ並みの剣術だな」

 以前、リーゼも同じ剣技を使っていたが同等かそれ以上の綺麗な剣筋だ。

「恐れるな!我らは誇り高きランバルト王家に仕える者たちだ!魔物ごときに後れを取るな!」

「「「「おう!」」」」

 騎士たちは動きがよくなり、魔術師たちは魔術の発動速度が早くなる。

「カリスマ性があるな。さすがは騎士団長だな」

 というかあの役割を父上がやってるとこ想像がつかないんだけど。あの人戦闘特化だったからな。……騎士団の中ではカリスマがありそう。

「やああああああああああ!」

 どうやらフィリアとリーゼの方は終わりそうだな。

「「はぁ、はぁ……」」

「だいぶ息切れてるな」

 正直まだまだ疲れてほしくないんだがなんだがスタミナは徐々についてくるだろう。

「フィリア!リーゼ!」

 リリアは二人のもとに駆けだす。

「怪我とかしてない!?光系統魔術使うよ!」

「大袈裟ですよ、リリアさん」

「あぁ、単なるかすり傷だ」

 美少女三人が寄り添って笑っているのはなんとも絵になる光景だな。周囲に魔物の死体が散らばっていて魔物の返り血が浴びてなければの話だが。

「ガル殿!こちらももうすぐ片付きそうだ!」

 シュレイナーが言う通りだいぶ少なくなっている。

「これでようやく魔物討伐は終わりかな?」

「そう――――」

「「きゃあ!」」

 突然地面が大きく揺れた。

「ガアアアアアアアアアアアアア!」

 森から木々をなぎ倒しながら進んでくる、ひと際大きな魔物が姿を現す。

「まさか、ベルセルクル!?」

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