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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
課外合宿編
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報告

「それで今回はどうして呼び出されたんですか?」

 三回目の呼び出しではさすがに慣れてしまった。

 目の前に座る国王と宰相が申し訳なさそうな顔をしている。

「うむ。此度もティーベルを助けてくれて感謝しているのじゃ」

「私からも。リリアを救ってくれてありがとう」

「俺は自分の役割をまっとうしただけですよ」

 とは言っても今回ばかりは肝が冷えたが。さすがに魔術を使えない空間となるとな。

「それでもじゃ。本来ならばこの責は国にあるのじゃがそれを公には出来ぬのでな」

「古代遺跡は国の管理下にあり、トラブルはないと判断していましたがこのような事態になってしまったことには責任を感じている。本当に申し訳ない」

「頭を上げてください!」

 国王と宰相が一生徒にすぎない俺に頭を下げているのを誰かに見られたら大変なことになる。

「それでだ。なにか褒美を渡そうと思っているのだがどうだろうか?」

「褒美、ですか…」

「いっそのこと叙爵して貴族になるのは…」

「それは結構です」

 国王の提案を一蹴する。

「ではどのようなものが欲しいのじゃ?お主にならある程度の便宜は図れるぞ」

「そうですね…では古代遺跡から持ち帰ったものをそれぞれの持ち物として所持することをお許しいただきたいです」

「そんなことでよいのか?」

「はい。これらの装備品は古代の中でも一級品のものです。当然国宝級のものばかりです。それを個人として所持するには国の許可があった方がいいでしょう」

「それもそうじゃな」

「ところでガーリングくん。その装備品とはどのようなものなのだ?」

「俺のはこれですね」

 そう言って帯剣していた二本の剣を目の前に置く。

「とても綺麗じゃな」

「魔剣、ですね」

「はい。赤い方が神炎轟剣ヴィルヘイム、炎を操る権能を持ちます」

「どれほどの力なのだ?」

「炎の形は持ち主の実力に応じて自由自在に操ることができます。最大火力はこの王都を飲み込むことはできると思います」

「「ほお……」」

 国王と宰相は興味深そうに柄を掴もうと手を伸ばそうとする。

「あっ、安易に柄に触れないでくださいね。この剣は持ち主と認めた者以外は燃やし尽くすので」

「「………………」」

 俺の忠告を受けて二人は無言で後ずさる。

「な、なんという剣じゃ……」

「燃やし尽くすとは?」

「文字通り、骨が残らないほど」

 二人はより一層顔を青ざめる。

「柄に触れなければいいんですよ」

 そう言って赤い剣の方を腰に戻す。

「ちなみにもう一つの方も聞いておこう」

「こっちは神氷轟剣フェニゲール、氷を操る権能を持っています。威力のほどはヴィルヘイムと対になっていることからもわかりますよね?」

 コクコクと二人が首を振る。

「……えっと、用が終わったなら帰ります」

 そもそも長居するところでもないしな。

 俺は帰ろうと立ち上がる。

「ま、待て。実は褒美のほかにもう一つ話があるのじゃ」

 それを聞いて上げかけた腰を下ろした。












「先ほどは取り乱してすまんかったな」

「お見苦しいところをお見せした」

「気にしないでください」

 新しく出された紅茶を飲んで一息つく。

「それでもう一つの話というのは?」

「課外合宿についてじゃ」

「それはもう終わったのでは?」

「いえ、課外合宿は英雄学校での伝統。それが国の管理問題で中止となってしまっては国として後味が悪いものになってしまう。ですから課外合宿は別の場所に行くということになったのだ」

「………危険はないんですか」

「ないと思われますよ」

「王家のプライベートビーチじゃからな」

「はぁ!?」

 思わぬ場所に大声を出してしまう。

「……珍しいな。ガーリングくんが取り乱すとは」

「当たり前でしょう。たかが一学校の一クラスのために王家のプライベートビーチを貸し出すなど前代未聞ですよ」

「逆にそれほどのことであると考えた方がよろしいですよ」

「……トラブルに巻き込まれたのが王女と宰相の娘であるからですか?」

「ご明察」

「古代遺跡でトラブルがあったことは口止めをしても耳の速い貴族には分かってしまう。それが調査中ならばよかったのじゃが、問題ないと太鼓判を押した学校の課外合宿で起こった。しかも被害者が王女と宰相の娘であることから外部からの干渉ではないかという可能性も完全に排除しきれない状態なのじゃ」

「だから外部の者が立ち入りできない王家のプライベートビーチを選んだというわけですか」

 理屈は理解できる。確かに外部からの暗殺を疑うのはわかる。巻き込まれた人物が人物だ。国としては最良の判断だろう。

「それで?なんの要件もなしに俺にこのことを話したりしませんよね?」

「その通りじゃ」

「ガーリングくんには古代遺跡の時と同じようにティーベル様とリリアの護衛を頼みたいのだ」

「一応聞いておきますがどうして俺なんですか?」

「それは君がこの国最強の戦力で実績があるからだよ」

「それにお主なら二人を任せても安心じゃからな」

「……まぁ引き受けますよ。そもそも彼女たちは俺のパーティメンバーですからね」

「ありがたい」

「頼んじゃぞ」

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