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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
課外合宿編
32/176

魔物VS生徒たち

 課外合宿の当日となった。古代遺跡には馬車で行くことになっている。

「この馬車、お尻が痛いですわ」

「だったら王族の馬車を借りればよかったじゃんか」

「一人だけそんなことできませんわ」

「律儀だよな、ティーベルって」

「そ、そんなことないですわ!」

「私はティーベルと一緒で嬉しいよ!」

「わ、私も!」

「リリア、フィリア!」

 ティーベルが感極まったように二人に抱き着く。俺は何を見せられてるんだ?

「仲が良くていいですね~」

「先生もなんでこの馬車なんですか?」

「この馬車が一番質がいいからですよ」

 馬車は合計三台あり、この馬車には俺、フィリア、リリア、ティーベル、ミーナ先生の五人だ。









 古代遺跡まであと半分くらいのとこで近くの森で複数の魔力反応があった。

「先生、近くに魔物がいます」

「ほんとですか!?」

「はい。10体いますね」

「10体!?緊急事態じゃないですか!?引き返して国に討伐要請を――――」

「ここは生徒たちに戦ってもらいましょう」

「えぇ!?正気ですか!?魔物が10体ですよ!?」

「それくらいなら問題ないでしょう」

 初級魔術とはいえ無詠唱魔術を習得しているのだから。

「それって私たちも?」

「いや。リリアたちがやったら瞬殺だから特訓にならないよ」

「そうなんですの?あまり実感がありませんが…」

「それは丁度いい相手がいないだけだよ。今だったら弱い魔族なら倒せるんじゃないか?」

 実際ティーベルたちはポテンシャルだけならば前世でも一流の部類に入るだろう。今でも真ん中より少し下くらいの実力で十分魔族と相対することか出来るはずだ。

「でもあの魔族には完敗しましたわ」

「あれは地味に強めだったからな。傍付きみたいなやつらだったら倒せたんじゃないか?」

「私は傷をつけるだけで精一杯でしたけど…」

「それは前までだったらだろ。今はもっと強くなってるし視野も広がった。自信を持ってもいい」

「そ、そうですか〜、えへへっ」

「では先生、馬車を停めて臨戦態勢を整えてください。危なくなったら手を貸しますから」

「…絶対ですよ」

「はい」

 先生は馬車を停めてもらい生徒たちを降ろした。

「みなさん、近くに魔物がいるらしいので討伐してこい、とのことです」

「ま、魔物!?」

「私たちじゃ無理ですよ!?」

「ガーリングくんいわくできるそうなので文句を言うならガーリングくんに言ってくださいね」

「「「「ガーリング(くん)、何言ってるの!!!」」」」










 しばらくして巨大な魔力反応が近づいてきた。

「もうそろそろ来るから準備しとけよー」

「なんで俺たちがやらないといけないんだよ!」

「いい特訓になるぞ。それにここで魔物討伐しとけば将来出世に役立つかもよ」

「「「「っ!」」」」

 みんなの目つきが変わった。

「よっしゃー!」

「やってやるぜー!」

「どっからでもかかってきなさい!」

 チョロいな。

「それってホントなの?」

「ん?知らないよ?」

「えぇ…」

「ティーベル、どうなんだ?」

「わたくしに聞かないでください。でも確かに有利になりそうではありますわね。確信はないですが…」

「ガルくん…」

「別にいいだろ。やる気出したんだから」








 しばらくして魔力反応が近づいてきた。

「来るぞ!」

 俺がそう言うと生徒たちは気を引き締める。

「グルルルル…」

 森の茂みから狼の魔物が飛び出してきた。見たことない種類だ。

「あれは?」

「キラーウルフですわね」

「群れで行動する獰猛な魔物よ。爪や牙が鋭くて危険なの。特に注意するべきことはその素早さだね」

「つまりどうやって攻撃を当てるかがカギだな」








「「『火球』」」

「全く攻撃が当たらない!」

 戦闘が始まってから10分程度だがまだ一度も攻撃が当たっていない。やはり戦い慣れていないな。どれだけ魔術に優れていても当たらなければ意味がない。これは丁度いい実戦経験が積めそうだ。

「相手の動きを予測するんだ」

「そんなこと言われても!」

「わかんねぇよ!」

「前衛と後衛に別れて戦った方がいいですわよ」

 後ろからティーベルがアドバイスをする。

「キラーウルフはしっぽを見ると動きが読みやすいよ!」

「相手の動きを分析するんです!」

 さらにリリアとフィリアもアドバイスをする。

「しっぽ…」

「あっ!あいつら動く方向にしっぽが動いてるぞ!」

「ほんとだ!そこを狙え!」

 キラーウルフに攻撃が当たり始める。

「この調子でいけば!」

「倒しきれる!」

「あ!危ない!」

 勝機が見えそうになったところで油断したのか一人の女子生徒はキラーウルフの接近を許してしまう。

 危険だと判断した俺は『火球』を放とうとする。しかし放つ前にキラーウルフに『石弾』が当たる。今のは…

「生徒たちだけに任せられないもの!」

「せ、先生!」

「あ、ありがとうございます」

「どんどんやっちゃってくださいね」

 ……これは俺の出る幕はなさそうだな。

 こうして魔物討伐は成功した。

「うおおおおお!」

「やりました!」

「俺たちでもやればできるんだ!」

 生徒たちが叫ぶ。

「ほ、本当に倒してしまうなんて…」

「信じられない…」

「みなさんやりましたね!」

 ティーベルとリリアは唖然としている。俺は問題ないと言ったはずなんだがな…そしてフィリア、なんでお前だけ違う反応なんだよ。








 そうして無事に古代遺跡に到着した。

「さあ、ここがこの国唯一の古代遺跡!」

 こ、ここは……―――――――

「ヴィルヘルムスハーフェン迷宮よ!」

 お、俺の出身の国の宝物庫だあああああああ!

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