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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
始まり編
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初鍛錬

「まずは木刀を握ってみろ握り方がおかしいと力が上手く込められなかったり、手が痛くなったりするからな」

「はい、父上」

 木刀とはいえ、剣を握るのは久しぶりの感覚がする。

 僕は木刀を握る。力を込めすぎないように適度に力を抜く。強ばりすぎては上手く体を動かすことができない。

「どれどれ、ふむ…ガル、なんでできてるんだ?」

「えっ?普通に握っただけですが?」

「普通は多少なりとも癖があったり、変になるんだ。ウィルも初めの頃は矯正が大変だったのに」

「あぁ…」

 そっか。俺はこっちでは初めて剣を握っていることになっているんだったな。俺も初めて剣を握ったときは師に矯正されたものだ。

「ガルはすごいよ!天才なんじゃないかな!?」

「兄上、そんな大袈裟な…」

 兄上が目をキラキラさせながら俺を見る。兄上の思っていることはあながち間違っていない。

「ゴホンッ!…ガルは素振りをするように!私とウィルは模擬戦をしているからな」

「はい」

 父上と兄上は少し離れてスペースの場所へ移動した。

「ウィル、いつでもかかって来なさい」

「いきます!はあああああああ!」

 兄上は父上に向かって突進する。剣を思いっきり振り下ろす。子供にしては鋭い一撃だ。それを父上は軽々と受け止める。

「甘い!もっと腰に力を入れろ!体全体を使え!腕だけで振るな!」

「うわっ!」

 父上が木刀を横になぐ。兄上が吹っ飛ばされる。

「いてて…」

「まだまだだな」

 父上は木刀を担いで兄上に近づくと手を差し伸べる。兄上はその手を取って起き上がる。

「変に力が入りすぎだ」

「やはり剣は難しいです」

「もっと努力しなきゃな!ガルの方は、どう…だ…?」

 父上が俺の方に目を向けると呆然とする。

「どうしました?」

「いや、どうしたって…お前…どんだけ振ってんだよ…」

「えっ?」

 気付けば俺は素振りをすごい勢いでやっていた。一秒に三回のペースで。

「ガル…そんなに振って大丈夫なの?」

「えぇ」

 たしかに六歳児の身体ならおかしいだろうが身体強化をすれば簡単にできることだ。

「…ガル、一回俺と手合わせをしろ」

「父上!」

「安心しろ、ウィル。本気は出さんしけがもさせん」

「…父上がそう言うなら…」

「ガルもいいだろう?」

「問題ありません」

 俺は内心ワクワクしながら答える。

「全力で来い」

「わかります」

 父上と俺は木剣を構える。

「いきます!やあああああ!」

 俺は勢いをつけて木剣を振り下ろす。

「ふっ!」

 父上は兄上の時と同じように軽く受け止める。そのまま横なぎに木剣を振る。俺の身体はやすやすと宙に舞う。俺は空中でバランスを取り着地する。

「ほう、よく着地したな」

「このくらいは当然です」

「このくらいって…僕はできないんだけど…」

「あっ…」

 さっき兄上、思いっきり吹っ飛ばされてたっけ。落ち込んでる。後でフォローしとこ。

「これならどうですか!」

 俺は魔力を身体中に巡らせて身体強化の魔術を発動する。

「こ、これは!」

 今度は父上との木剣が拮抗する。

「うそ…父上とガルの剣が、拮抗している?」

 兄上が呆然と呟く。それも無理もない。さっきは軽々と押し負けていたのに今度はいい勝負しているのだから。

「っ!おもしろい!」

 父上はさらに力を入れてきた。俺の木剣が押されて負けそうになる。これ、本気なのかも…

「ハッ!」

 俺は手首をひねって父上の木剣を横に受け流す。

「ぬお!」

 父上が体勢を崩して隙ができる。そこに木刀を振りぬく。完璧な一撃。のはずだった。しかし父上は木刀を薙いで俺を打ち払う。その勢いが強くて俺はまた吹っ飛ばされる。今度は勢いが強くて足が地面についても後ろに滑り続けて転んでしまった。

「す、すまん!つい本気でやってしまった!けがはないか!?」

「ガル!無事かい!?」

 父上と兄上が近くまで駆け寄ってくる。てか父上、本気だったんだ…

「大丈夫ですよ」

 俺はすぐに立ち上がって無事をアピールする。

「そ、そうか。よかった…」

「ガル、あれは何だったんだい!?」

「あれ、とは?」

「父上と剣をまともに打ち合ってたことだよ!」

「それは私も気になっていた。どういう原理なんだ?」

「何って、身体強化の魔法ですけど?」

 身体強化の魔術は魔術の基本と言ってもいい。身体中に魔力を巡らせるのは魔術を使う上で重要になってくるからだ。

「「ま、まじゅつぅぅぅぅ!」」

「どうしたんですか!?父上!兄上!」

「その年で魔術を使える者はいないんだぞ!」

「確かに貴族だから使えるとしても早すぎるよ!」

「え、えぇ…」

 嘘だろ…今の言い方は貴族以外は使えないと言っているようなもんだぞ。魔術は誰でも使えるだろ。前世は非戦闘員の一般人も生活に必要な魔術は使えたはずだ。

「というか詠唱はどうした!?」

「魔術をどこで知ったの!?」

「詠唱なんていらないですし、魔術は書斎にある本で知りました」

 ま、まさか現世では魔術は浸透してないのか…?

 俺は思わず顔が引きつる。




 ここで魔術についておさらいしていこう。

 魔術には属性と系統がある。属性は火、水、風、土、雷の5つ、系統は光と闇の2つあり、初級、中級、上級、神級というレベルがある。とは言ったものの、各級はあくまで基本のものではない。真の魔術とは各級から新たに魔術を作り出すことにある。さらに属性魔術は派生があり、水の派生が氷、火の派生が爆発などなど。あとは無属系魔術というものもあり、これらは属性や系統に分類できない、いわゆるその他というやつだ。それには転移や重力操作、身体強化などが分類されている。






 そんなことはさておいて、父上と兄上からの質問攻めがつらい。どう切り抜けたらいいか?

「あ、あの!」

 僕が思い悩んでいると幼めの女の子の声が聞こえた。

「フィリア!」

 振り向くとアホ毛がチャーミングなピンク髪の猫耳のメイド服を着た女の子が立っていた。彼女はフィリア・マキシア。コルン・マキシアの娘で俺の専属メイドだ。なぜ彼女が俺の専属メイドなのかというと俺と一歳差で年が近いからだそうだ。メイドの練習の兼ねている。

「ガル様。た、タオルをお持ちしました」

 フィリアはタオルを僕に差し出してくる。

「ありがとう」

 俺はそのタオルで服や顔に付いた土を拭く。

「ガルはフィリアと休んでなさい」

「はい」

 父上はそう言うと兄上を連れて戻っていった。

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