古代遺跡
「もう少しでみなさんお待ちかねの課外合宿が始まりますよ。みなさん拍手〜」
パチパチパチ
拍手をしたのは先生だけで拍手の音は虚しく消えていった。
「みなさんテンション低すぎませんか!?もっと盛り上がっていきましょうよ!」
「だってもう疲れましたよ」
「あんな事件があったばかりなんだから…」
生徒たちはやる気のない声でグズる。
「行き先は古代遺跡ですよ!」
しかし先生の一言でみんなの目つきが変わる。
「それって本当ですか!?」
「古代遺跡!行きたい!」
「俄然やる気出てきたあー!」
クラス全体が沸き上がる。
「みんなの盛り上がり様すごいな」
「当然ですわ。なんと言っても古代遺跡なのですから」
「そんなに凄いことなの?」
「ガルくんは知らないんだね」
「私も知りません」
「じゃあ二人のために私たちが解説してあげるよ」
「古代遺跡とはその名の通り古代の遺跡なのですわ。しかしその数は少なく国一つでも希少なのですわ。」
「ランバルト王国には古代遺跡が一つだけ存在するんだよ。本来、古代遺跡に入るには国王陛下の許可と相応の立場じゃないとダメなんだ。だからみんな人生に一度かもしれないチャンスに盛り上がってるってわけ」
「なるほど。でもそこまで国が管理する必要はあるのか?」
「もちろんですわ!まず価値のあるものの保存ですわね。古代のものですから価値は十分にありますわね。そしてなんと言っても人工遺物が発掘されるんですの」
「人工遺物、ですか?」
「えぇ。人工遺物は魔力を込めることで恩恵を受けられる過去の遺産ですわ。見つけられた際は国宝として国が管理するんですの」
つまり魔術具というわけか。
「その中には魔剣とかもあるらしいから国としては手放せないのですわ」
「でもずっと取り続けてたら人工遺物はなくならないんですか?」
フィリアはいい所に注目する。確かに取り続けたら無限に湧き続けない限りなくなるはずだが?
「古代遺跡は解明されてないことが多すぎてまだ探索ができていないところが残ってるのですわ」
「そういうことだったんですね!納得です」
もしかしたら前世の魔術具が手に入るチャンスかもしれない。
「みなさん落ち着いてください!古代遺跡に行けることの気持ちはわかりますが危険もあるのでちゃんと話を聞いてください!」
先生がそう言うとクラスは静かになる。しかし楽しみが溢れ出してソワソワしている。
「まず古代遺跡はこの国には一つしか存在しません。そのため古代遺跡は国が管理しています。今回は国王陛下のご好意で入ることが出来ますが本来ならば一生中に入れない人の方が多いかもしれません。古代遺跡からは人工遺物が発掘されますがそれらは様々。魔剣から使い物が分からないものまであります。もしかしたらみなさんが新しい人工遺物を見つけるかもしれません。今の騎士団長の魔剣や魔法師団長の魔杖は古代遺跡から発掘されたものです」
へぇ。ほんとにいろいろ見つかってるんだな。
「ですがそれと同時に危険もあります。古代遺跡は国が管理していますが全てがわかっているわけではありません。未だに不明な場所も多いです。もしそこに行ってしまえば生きて帰ってこられない可能性もあります。ですのでより一層気を引き締めてください」
「「「「はい!」」」」
「楽しみだね」
「はい。私もワクワクしてきました」
「フィリア、早すぎよ。でもティーベルとガルくんには感謝だね」
「なんで?」
「感謝される意味が分かりませんわ」
「だって今回古代遺跡に行けるのってこの二人がいるからなんだと思うよ」
「そうなの?」
「うん。ティーベルがいるからいい経験をしてほしいって言うのとガルくんがいればどんな事態にも対応できるからだと思うよ」
「…そんなこと考えたこともなかったですわ」
「リリアって政治向きなのかもな」
「リリアさんのお父さんって宰相様でしたよね?」
そりゃ内政の才能の血が流れてるわけだ。




