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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
始まり編
26/176

後始末①

 あれから1週間。騒動も少しだけ落ち着きを見せ始めていた頃、言われていた通り俺は王城へ招待された。

「フィリアは連れていったら駄目?」

「ダメですわ。ガルさん一人だけです」

「くっ…」

 呼ばれているのは俺一人だから他は連れてくるな、というお達しだ。今日は学校帰りにそのまま王城に行く手筈となっている。

「ガルくんがんばってね」

「リリア、他人事だと思って…」

 そう言っていても時間はやがてやってくる。









「気が重すぎる…」

「わたくしに言われても困りますわ」

 王城の廊下をティーベルの後ろについて歩く。ティーベルは王城ですれ違う人みんなから挨拶されていて本物の王女であることを実感させられる。

 やがて謁見の間にまでたどり着く。

「ランバルト王国王女ティーベル・フォン・ランバルト様、バルフォンス・エルミット男爵のご子息ガーリング・エルミット様。ご到着!」

 衛兵がそう言うと門がゆっくりと開かれる。

 謁見の間は赤いカーペットがまっすぐ引かれており、玉座と思しき場所には国王が座っている。その斜め後ろには宰相らしき人が。

 俺はカーペットを真っ直ぐ進み、階段の前で跪く。ティーベルはそのまま階段をあがり、国王の横に立った。

「おもてをあげよ」

 国王がそう言い俺は顔を上げる。

「ワシはランバルト王国国王、ウォレン・フォン・ランバルトである」

「私はこの国で宰相をしております、リューク・バルマントです」

 国王と宰相が自己紹介をする。ん?バルマントって…リリアのお父さん!?

「そなたが此度の功労者か?」

「はっ」

「ガーリング・エルミット。わずか12歳で英雄学校に現れた三体の魔族の討伐をした…にわかには信じられませんね」

「リューク様、それはわたくしが保証しますわ」

 リリアのお父さんが不思議なことを言ったな。俺が倒したのが魔族?あれは魔力暴走者だったはずだが…もしかすると魔力暴走者のことを魔族と言っているのかもしれないな。

「本来であればこのような偉業、爵位と領地を授けるのだが、どうだ?」

「光栄なことだと存じますが辞退させていただきます」

「やはりティーベルの言っていた通りなのだな。貴族になればティーベルの婚約者とするのだが…」

「…………今なんと?」

「貴族になればティーベルの婚約者にすると言ったのだ」

「それはどうなのかと。ティーベル様の気持ちもございますし」

「わたくしは構いませんわよ」

 なんでだよ!

「それでもダメか?」

「申し訳ございません。俺がどこかの国に肩入れすることはできないのです」

「…そうか。しかしせめて魔族が現れた時は対処してはくれないか?」

「それならば力をお貸しします。俺も魔族に好き勝手させるのはいい気がしませんので」

「頼むぞ。それで此度の褒美は何が良い?できる範囲でならばなんでも叶えてやるぞ」

「褒美、ですか…」

 それは正直考えてなかったな。

「では質のいい剣を下さいませんか?魔族との戦いで消耗してしまったため新しいのが欲しいと思っていたところなのです」

「そうか。ならば宝物庫から好きな物を持っていくが良い。質のいい剣が揃っておるぞ」

「ありがとうございます」

 そして国王との謁見は無事に終わった。

「言い忘れていたが今週末、魔族討伐のパーティーをやるから来るのだぞ」

「………………え?」

 聞いてないんだけど…










 謁見の間を出て王城の廊下を一人で歩く。王城にいる人たちはみんな成人で仕事着を着ているから俺の学生服の場違い感が半端ない。

「ガーリングくん、少しいいかな?」

「宰相様!?」

 思わぬ人に面食らってしまう。

「宰相様はやめてくれ。リュークでいい」

「わかりました。それでリューク様は何の用ですか?」

「君にお礼を言いたくてね」

「お礼、ですか?」

「リリアを、僕の娘を助けてくれてありがとう」

「頭を上げてください!?」

 こんな王城の中で宰相が学生に頭を下げてるなんて噂になってしまう。

「そうか。でもお礼は言わせてほしい。一人の父親として」

 その目はとても紳士的でリリアへの愛情で満ちていた。

「…お礼は受け取っておきます」

「それにしても君はリリアの言う通りすごい人物だったんだね」

「……へ?」

「リリアから君のことをよく聞いているんだ」

「そ、そうですか…」

 一体何を話しているんだ?

「それで君さえよければリリアの婚約者にはどうか、と思ってね」

「リューク様まで何を言ってるんですか!?」

 さっきティーベルともそんな話が上がったばかりだというのに。

「君はもう一国の英雄だ。それなら貴族でなくとも公爵令嬢ならば婚約できる。どうだろうか?」

「さすがに本人の意思を反映させずに決めるのはどうかと思いますよ」

「リリアは喜ぶと思うんだけどな」

「どうしてですか?」

「…ウィンの言っていた通りなのだな、君は」

 懐かしい名前を聞いたな。

「それってどういう意味ですか?」

「さてね。それじゃあ僕は仕事に戻るよ」

「わかりました」

「パーティーにはリリアも連れて行くから楽しみにしていてくれ」

 それだけ言ってリューク様は行ってしまった。

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