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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
始まり編
24/176

英雄学校襲撃事件④

「みなさん!ここが正念場ですよ!気を引き締めてください!」

「「「「はい!」」」」

「あなたたちがあたしの暇つぶしをしてくれるのね」

 1年Sクラスと魔族の女が対峙する。

「暇つぶしだと!」

「舐めないで頂戴!」

「「「『火球』!」」」

「「「『風刃』!」」」

「「「『石弾』!」」」

「「「『水球』!」」」

「「「『雷撃』!」」」

「所詮初級魔術、弱いのには変わりないわ。『雷槍トネランス』!」

 1クラス全員の魔術を一つの魔術で相殺する。いや、相殺してない。『雷槍』が勝っている。

「そんな!」

「逃げろ!」

『雷槍』は地面をえぐって爆発を引き起こす。

「「「「うわああああああああ!」」」」

 全員、爆風で吹き飛ばされる。

「あらあら、そんな程度なのね?やっぱり人間は弱いわ~」

「舐めやがって!」

「まだまだ!」

 彼らは負けじともう一度魔術を発動する。

「芸がないわね!これだから低俗な人間は――――!」

「これが避けられるとはね」

 ミーナ先生は魔族の死角から身体強化を乗せた一撃を振るう。完璧な奇襲だったのにも関わらず魔族の女はぎりぎりで避ける。しかし魔族の女は魔術を発動することができない。

「みなさん!今です!」

「「「「はい!」」」」

 そしてSクラスの生徒たちは魔術を放つ。

「くっ!」

 魔術は魔族の女に当たって爆発を引き起こす。

「やった!」

「倒したの!?」

「よっしゃー!」

 Sクラスの生徒たちは喜び合う。そんな中で先生だけが気付いていた。

「まだです!構えて!」

「「「「!!」」」」

「……このあたしに攻撃を当てるなんて生意気なのよ!」

 魔族の女の気迫で煙が晴れる。

「な、なあ…これって」

「やばくない?」

 Sクラスの生徒たちはうろたえる。

「死ね!この雑魚ども!」

 そう言って魔族の女は『雷槍』を五本生み出す。

「五本って、どんな冗談だよ…」

「やだ、まだ死にたくない…」

 そんな生徒たちの呟きは届かず無慈悲にも『雷槍』すべてが打ち出された。










「『火球』!」

「たかが初級魔術で倒せるとでも!『豪炎』!」

 それぞれの魔術がぶつかって爆発が起こる。互角と思いきや、魔族の『豪炎』は消滅せずにティーベルに向かってくる。

「はあ!」

 ティーベルが魔力障壁を展開する。今度は魔力を十分に練ることができたためティーベルが吹き飛ばされることはなかったが爆発が起きてその衝撃で周辺が吹き飛ぶ。

「やはり初級魔術では…でも中級魔術はまだ…」

「まだまだ行くぞ!『豪炎』!」

「くっ!『火球』!」

 しかしまたもや同じ結果となる。

「いったい貴方たちは何が目的なのですの?」

「教える義理はない、と言いたいがここまで俺と張り合えた褒美に教えてやろう。我々はこの国、それだけでなく人類を裏から支配する!その始めがこの国となるのだ!」

「そ、そんなこと……させませんわ!」

「諦めろ!『豪炎』!」

 魔族の男は『豪炎』を二つ同時に発動する。

「そんな…あの規模の魔術を同時発動なんて…」

 ティーベルは呆然と呟く。さすがの魔力障壁でも今のティーベルでは二つの中級魔術を防ぐことはできない。

(わたくしはここで死ぬんですの?こんなところで…)

『豪炎』が近づきティーベルを焼こうとする。

 ティーベルの後ろにはまだ多くの生徒たちが倒れている。もしまともに食らえば後ろの生徒たちも巻き込んでしまうだろう。そんなこと、王女として見過ぎすわけにはいかなかった。ティーベルは手を強く握り諦めない意思を目に宿した。

「まだですわ!」

 ティーベルは魔力を極限まで練り上げる。

(今のわたくしではこれが限界ですわ。でも諦めたくないわ!)

「『豪炎』!」

 ティーベルは今まで成功させたことのなかった中級魔術をこの土壇場で成功させた。

 互いの『豪炎』はぶつかり合いさらに強い爆発を引き起こす。しかしティーベルの『豪炎』は一つだけ相殺するももう一つは相殺しきれなかった。

「きゃああああああ!」

 ティーベルは『豪炎』を使ったせいで十分な魔力は残っておらず、不完全な状態の魔力障壁しか展開できなかった。そのため、ダメージを食らってしまう。

「ティーベル!」

「問題ないですわ!」

「よそ見をしている場合か!」

「っ!」

 一瞬、ティーベルが魔族の男から目を離したほんのわずかな間にだいぶあった距離を詰められる。

「ふっ!」

「きゃあああああ!」

 魔族の男に殴られ、ティーベルは軽く吹き飛ぶ。わずかの間に身体強化を発動したため致命傷にはならなかったが、大きいダメージを食らった。遠くに吹き飛ばされてようやく止まった。

「ティーベル!」

「うぅ…ゴホッ」

 ティーベルは吐血して浅い呼吸を繰り返す。

「ティーベル!しっかりして!死んじゃやだ!」

 リリアが涙目になりながら必死に光系統魔術を使う。

「人間にしてはよくやった方だ。貴様をここで殺すのは惜しいが仕方あるまい。まとめてあの世に送ってやる」

 魔族の男はそう言うと魔力を練る。

「くらえ、『炎鳥フェニックスフレア』!」

 魔族の男は巨大な炎の鳥を頭上に生み出す。

「あ、あれは…上級魔術…」

 リリアが呆然と呟く。魔族の男が使った魔術はランバルト王国にも使い手がわずかしかいない上級魔術。この地帯は焦土に変える力を持っている。

「死ね」

 魔族の男は炎の鳥獣を打ち出した。








誰もが助からない、死ぬと思った。全員、最期の時を待つように目を閉じる。

しかしなかなかその時がこない。不思議に思って目を開けると巨大な魔力障壁が魔族の魔術すべてを阻んでいた。

「これは…いったい?」

誰もが唖然としている中でリリアは一人口が動いた。そして

「よく踏ん張ったな」

魔力障壁の真ん中には一人の男子生徒がいた。

「あとはすべて任せてくれ」

「……ガルくん」

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