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英雄騎士の最強魔道  作者: バニラ
死の森編
101/176

間幕 エルミット家(実家)の年末

 タルミール。そこはガーリングの実家であるエルミット男爵家の領地だ。

 そこにある屋敷ではエルミット家の面々の話し声が響く。

「まさかガルが独立した貴族になるとはね。流石の僕も読み切れなかったよ」

「ガルのことを読み切れるなんて思うのが間違いなのよ」

 ウィルキンスはおかしそうに笑いナリタナは呆れたように言う。

「あとは偉い立場の人と婚約しちゃったりね」

「ティーベル様、リリア嬢、リーゼロッテ嬢のことか?」

「その中にフィリアも入れていただけるなんてありがたいことです」

 コルンはフィリアとガルが婚約したことを嬉しく思いつつ恐れ多いと思っているのか肩を小さくする。

「ガルが決めたことだからコルンが気にすることじゃないよ」

「私より先に婚約しちゃんだもん。羨ましいわ」

 ナリタナは机に突っ伏してグダる。

「リタにもたくさん婚約の話がきてたじゃない」

「それは私がガルの血縁者だからでしょ?それを裏付けるようにガルが活躍し始めたころから手紙が届くようになったんだもの」

 婚約は基本、成人してから相手を決め始める。そのためガーリングやスティアードが異例なのだ。

「それについては同感だね。僕も先に婚約者を見つけていてよかったよ。それでも手紙がひっきりなしに届くから困ってるんだよね」

 ナリタナとウィルキンスはため息をつく。

「うぅ……ガルぅ……帰ってきてくれーーーーー!」

「父さんうるさい」

「な!り、リタが冷たい!?」

 バルフォンスは泣き叫ぶも娘に叱られ固まってしまう。

「王都の学校に行くならわかっていたでしょうに。そもそも進めたのはバルでしょ?」

「そうだが……そうだが!寂しいものは寂しいんだ!」

「はぁ……これがわかっていたからウィルとリタの二人は近くの学校に通わせていたのに」

 エイミネは呆れてため息をつく。

 何を隠そう、バルフォンスは大の親バカなのだ。

「でも確かに会いたいわね。それにコルンもフィリアに会いたいだろう?」

「会えるなら会いたいですね。ですがそれでガーリング様にご迷惑がかかるなら無理にとは言いません」

「相変わらずコルンは固いわね。もうあなたたちマキシア家は正真正銘の家族なんだから」

「ちょ、エイミネ様!?やめてください!」

 エイミネはコルンの頭を撫でる。

 コルンは珍しく顔を真っ赤にする。コルンはエイミネにだけはどうしても勝てないのだ。






「来年は私の成人式ね。この前までは楽しみだったけど今はめんどくさいわ」

「リタはガルの姉だからね。多くの子息に絡まれるのは確定だね」

「だから嫌なのよ!こんなことならさっさと婚約者を決めておくべきだった!」

「いや前は一つも手紙なかったよね」

「うぐ………」

 ウィルキンスの言葉にナリタナは固まってしまう。

「だ、だって~!これも全部王都の学校に行けなかったのが原因だよ!私たちの学校に貴族なんて誰もいなかったし!」

「何を言っている!リタを嫁になんぞやらん!」

「それ貴族が言っちゃいけないセリフだよ、父上……」

 バルフォンスのセリフにウィルキンスは呆れる。

「バルも昔は騎士団長としてカッコよかったのに、どうしてこうなっちゃったのかしら」

「それは家族みんなが可愛いからだ。もちろんエイミーもな」

「まぁ!バルったら……」

「相変わらず仲がいいのね」

「こっちが胸焼けしそうだよ」

 ウィルキンスとナリタナはうんざりしたように目を細める。

「「ガル……早く帰ってきて……」」

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