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第5話 マーカス

「その歳で親元を離れてくらすなんざ誰でも出来ることじゃねえ! 立派だよおめえは!」


 そう言いながら、スキンヘッドの冒険者マーカスさんはおんおんと泣く。

 今親の元を離れて暮らしていると話したらこうなってしまった。話を聞いてる他の冒険者三たちも口々に僕を慰めてくれる。

 こう言ったら悪いけど、冒険者って乱暴なイメージがあったから驚いた。確かに見た目は少し怖いけど、中身はいい人ばっかりだ。


「しかもその歳で教え手として働いてるたぁたいしたもんだ。俺はお前のことが気に入ったぜウィル坊、困ったことがあったら俺様を頼りな。金と女のこと意外だったら力になるぜ」


 マーカスさんがそう言うと、周りの冒険者さんたちがドッと笑う。よく分からないけど冒険者のお決まりジョークなのかな?

 僕は周りに合わせながらジュースの入ったジョッキに口をつける。すると、


「マーカス! いい加減にしないか! ウィル殿が困っているじゃないか!」


 今まで静観していたカレンさんがそう声を上げる。

 するとマーカスさんは面倒くさそうな表情を浮かべる。


「いいじゃねえか。こんな若えのがここに来ることはそうねえんだ。独り占めするんじゃねえよ」

「そういうことを言ってるんじゃなくてだな……」

「くく、顔に『私のウィル君を返して』って書いてあるぜ? 何があったかは知らねえが人付き合いの悪いお前がそこまで誰かを気に入るなんてな。分からねえものだ」

「な……っ!!」


 二人はやいやいと言い争いをする。

 意外と仲はいいのかな?


「もういい! ウィル殿、こんな野蛮人ども放って置いて依頼クエストに行きましょう! ええと良さそうな依頼クエストは……」


 カレンさんは紙がたくさん貼られた掲示板を見る。

 するとその横にマーカスさんもやって来る。


「これなんていいんじゃねえか? そんなに危険じゃねえが、報酬はそこそこあるぜ」


 僕は近づいてマーカスさんが手に取った依頼書を見る。

 それは帝都の近くに出現した、小規模のダンジョンの調査依頼だった。

 出てくるモンスターもそこまで強くないらしいし、確かに報酬もいい。お小遣いには十分過ぎる。


「確かにこれなら日帰りで達成できそうだし、良さそうだ。しかしダンジョンか……」


 カレンさんはそう言って微妙な表情を浮かべる。

 どうしたんだろう?


「そういやお前はダンジョンが苦手だったな。冒険者のくせに情けねえ奴だ」

「うるさい、私は迷路とか罠が苦手なんだ。正々堂々と正面なから来るなら一刀両断出来る」


 カレンさんは不満げに言う。

 そうか、ダンジョンは強いだけじゃ駄目なんだ。カレンさんは凄腕の剣士だけど、例えば毒ガスとかは斬るだけじゃ対処できない。そういった搦手にも対応できないといけないんだ。


 そういったものは魔法である程度対処できるとは思うけど、僕も初めてなのでいきなりダンジョンに行くのは少し不安だ。

 そう思っているとマーカスさんがドン! と胸を叩く。


「分かった! ここは俺様が同行してやろう! 俺も金等級ゴールド冒険者、そういった罠の対処は心得ているからな」


 マーカスさんはもう二十年間冒険者として活動しているとお酒を飲みながら語っていた。そんんな大ベテランの人が手伝ってくれるなんて心強すぎる。

 僕は喜んでそれを受け入れようとするけど、なぜかカレンさんは不満げに唇を尖らせていた。


「お前が……来るのか」

「え? カレンさんは嫌なの?」

「いや、確かに助かりはするが……」


 煮えきらない態度のカレンさん。「

 一体どうしたんだろうと僕は首をかしげる。するとマーカスさんが笑いながら口を開く。


「ハッハ! 二人で仲を深めようとしていた所に割り込んで悪いな! いい雰囲気になったらそれとなく席を外すから安心しろ!」

「き、貴様っ! 口を慎め! 切り刻むぞ!」


 カレンさんは顔を真っ赤にしながら腰に差した剣を抜き放つ。


「お、おい! それは卑怯だろ!」

「問答無用っ! 私とウィル殿を馬鹿にした罪、その身で償ってもらうぞ!」


 冒険者ギルドの中は、また賑やかになってしまう。

 初めてのダンジョンは楽しみだけど、この調子で大丈夫かな?


【読者の皆さまへ】


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