地面のつめあと
掲載日:2009/11/12
どうしたら歩いてゆける
わからなくて
泥水を服にしみこませながらもがいた
雨が降っていた
最初は手だった
凍えてゆく
街灯がそんなごみを照らしていた
誰かの顔を思い出す前に歩きたい
せめて立ち上がりたい
思い出せば惨めになるから もがくこともやめたくなるから
月は隠れていた
雲が隠していた
明かりは街灯だけ
人形がごみに傘をかぶせた
もがくことは疲れる
それを知った
降り溜まった水に浸っていたら忘れそうになった
忘れたくて傘をのけた
そして傘はころがって
凍えた体を水にとかした
ごみはとけてなくなった
泥水はやがて地面にしみこんでいった




