第1回
「高沢はかなと」
「高沢ほのかの」
「「ほのはなラジオ〜」」
『この番組は、桜ヶ浜学園放送部の提供でお送り致します』
「初めまして。高沢はかなです」
「初めまして。高沢ほのかです」
「今回は第1回目の放送ということで、各コーナーの紹介をしていきたいと思います」
「ちょっとちょっと、お姉ちゃん。まずは私たちの自己紹介をしないと」
「あら? さっき名乗ったじゃない」
「名乗るだけじゃ自己紹介とは言わないでしょ!」
「そう?」
「そうだよ!」
「じゃ、ほのかからやってみて?」
「え? う、うん。わかった……」
「それじゃ、よろしくね?」
「改めまして、高沢ほのかです。お姉ちゃん――はかな姉ちゃんとは双子で、私が妹ということになります」
「そうねぇ。まぁ、私は双子に姉も妹も無いと思うのだけど……」
「いいの! で、今は私立桜ヶ浜学園の中等部2年生。ちなみに高等部まではよほどのことが無い限りは試験パスのエスカレーターでいけるので、受験とかそういうのとは無縁の生活を送っています」
「羨ましいわよね」
「って、お姉ちゃんも同じ学園に通ってるでしょ?」
「まぁ、そうね」
「はぁ……。まぁ、気を取り直して。趣味は音楽を聴くことです。ジャンルはあまり気にしません」
「ほのかの音楽の趣味って、広いというより雑食よね。ポップにロック、テクノ、アニソン、レゲエに至るまで聞かないジャンルが無いくらいだものね」
「す、好きなんだからいいでしょっ!」
「そうね」
「うー。もうっ。次、お姉ちゃんの番!」
「私はいいわよ。ほのかが私の学校のこととかも一緒に紹介してくれたし。それに、趣味とかも特にないしね」
「お姉ちゃんって、ホントに無欲というか、周りに興味が無いというか。趣味はあった方が良いって、キヨばあも言ってるのに……」
「でもね、ほのか。ちょっと気になったんだけど」
「なに、お姉ちゃん?」
「学園の昼休み時間の放送に、学園の紹介はいらないんじゃない?」
「え? ……あぁ、うん。そだね……」
「相変わらず天然ねぇ」
「お姉ちゃんには言われたくない!」
「あら。私のは計算よ」
「ぅえ!?」
「冗談よ。大体、私は天然と呼ばれるほどドジじゃないわ」
「……それって、私がドジだと言いたいのかな……?」
「うん」
「即答っ!?」
「さて。気を取り直して、そろそろ各コーナーの紹介をしたいと思います」
「無視された!?」
「いい、ほのか? 時間は有限なのよ。お昼の放送の時間なんて、そう長くないの」
「……うん。そだね。ごめんなさい」
「分かれば良いのよ。それじゃ、最初のコーナーの紹介からね。ほのか、よろしく」
「最初のコーナーは、こういった放送の定番! お悩み相談です」
「このコーナーではリスナーの皆様からいただいたお悩みに対して、私たちなりに答えていきたいと思います」
「ラジオネームを書いていただければその名前で読ませてもらいますので生徒・教師・外部者を問わず、気軽に投書をいただけると嬉しいです。それぞれのコーナーへの投書箱ですが、一律して放送室の入口に設けさせてもらっていますので、よろしくお願いします。また、このページ内のメッセージ等でも同じように募集しておりますので、もし宜しければ書き込みの方、お願いします」
「――こんな風にやるなんて、あざといわよね」
「う……」
「まぁ、良いわ。次のコーナーね」
「つ、次のコーナーはリクエストです。私たちに言ってほしい言葉ややってみてほしい事柄を書いて投書をお願いします」
「あ、ちなみに著作権にかかるようなことは出来れば自重してくれると助かるわね」
「そうね。特に千葉にある遊園地みたいなのは遠慮したいかも……」
「まぁ、伏せ字という手もあるから良いけどね」
「と、とりあえずはこの2つのコーナーでやっていきたいと思います」
「何か増やしてほしいコーナーなどがありましたら、投書いただければ考えさせていただきますので、よろしくお願い致します」
「お願いします」
「それじゃ、今回はこの辺で終わりということで」
「えー。もう?」
「言ったでしょう? 時間は有限なのよ。それに――」
「それに?」
「これ以上やっても、ぐだぐだになるだけだし」
「……そだね」
「でしょ? だから今回はこの辺で」
「だね。皆様の投書をお待ちしております。それでは」
「また次の放送でお会いしましょう」