表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

プロローグ:ログアウト方法は、デートしてキスをする。

 ――戦闘システムは《リアルデートバトルシステム》。

 現実または異世界でデートしなければバトルにも勝てない、そういう仕様で。もうこの最初の文言から意味不明でぶっ飛んでいる。


 しかも、男と女。異性とキスしなければ、現実世界にも帰れないし、異世界にも行けないらしい。

 しかもしかも、プレイヤーは最初。1000万人全員《強制転移》だったので、1度は誰かとキスしなければ。元の世界に帰れない仕様になっていた。これはプレイヤー×プレイヤーでも、プレイヤー×異世界人でも良いらしい。

 いやよくない、何もかもよくない。こんな理不尽リア充計画なんてあって良いはずがない。何故なら「はーい2人組作ってー」と学校で言われるのと同じだからだ。変わり者・異端児は省かれる。孤独にひとりでポツンと給食を食べる。そんな苦い負け組判定をする方もされる方も嫌だろう。

 そういう振るい・天秤にかけられ落とされてゆくのだ。続ければ続けるほどリア充度は増していき。かっこうのデートスポットとなることうけあいだ。てゆうかどこのエッチなお店だ! 運営バカじゃないのか!?


 そんなこんなで、意気揚々とエンジョイプレイを楽しもうと思って始めた普通のゲームが。いきなり《キスゲーム》となり、異世界『アンノーン』に転移させられた。

 少年、浮遊戦空ふゆうせんくうと少女、凪ノ唄夜鈴なぎのうたよすずの中学1年生コンビは。いきなりギスギスオンラインとなってしまったのだった。


 ゲーム風なアナウンスがステータス画面に表示される、無駄に豪華に音声付きだった。

《このゲームのログイン・ログアウト方法はただ一つ『デートして、キスをする』。そして、ゲームのクリア方法は『真実の愛がなければクリアできない』以上です。ではプレイヤーの皆さん、楽しい『エレメンタルワールド・オンライン』ライフを――!》


 少女は恥ずかしそうにこう言う。

「……どうする、センクウ。キスする? しない?」

「……しない、まだ冒険してないから冒険する―! とりあえずいこうぜヨスズ!」

 無邪気とギスギスともじもじが入り混じる、混沌とキュートとパワフルが混ざって。少年少女の心は動揺を隠せなかった。恋や愛なんて、まだ遠い先の話。そう思っていた。

 しかし脈絡のない少年にも《リアルデートバトルシステム》には困った様子で。

「……、とりあえずデートして強くなろうぜ!」

「――ッ!?」

 両方ともギスギスな恥じらいと共に、このロマンスゲームは幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ