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第四話 異世界は辛いよ……

宗士郎視点から転じて、柚子葉達視点となります。

 




「……やっぱりダメですか?」

「ダメだね~。はるばる『(ゲート)』の向こう側から来たお客様だし、泊めてあげたいのも山々なんだけど……規則だからね。『エノコロの宿(ウチ)』では一泊食事付き、更に一時間のお風呂となれば、一人当たり三十イェーンは払ってもらわないと」


 みなものお願いを申し訳なさそうに断った宿屋の主人――猫の亜人族の男が持っていた帳簿を木製の受付テーブルへと置いた。


「そんなぁ~一泊だけで良いのに………」

「規則だからね」


 ガックシと肩を落としたみなもに投げ掛けられる言葉は日本からやってきたみなもにとって、余りにも残酷だった。


 宗士郎が『グランディア王国』を目指して出発する前日の夜。


 宗士郎と離れ離れになってしまった柚子葉達はこの世界『イミタティオ』の住人である茉心と和心の提案により、ひとまずは近くの村落を目指そうという話になった。


 茉心が上空に跳んで現在位置を確認した際、『異界の門(アストラルゲート)』から出た地点から『グランディア王国』までかなり離れていた為だ。もちろん、和心が以前行ったように転移するのも手段の一つではあったのだが、この世界に慣れる為にと茉心が徒歩で行く事を強行。


 それぞれ不満はあった。「お風呂入れない」とか「野宿は嫌」とか「疲れる」などという主に女子陣の個人的な理由からだったが。


 二日掛けて到着した此処『マタタビ村』に着くまでの魔物との戦闘やら野宿やらの経緯はともあれ、宿代を何とかして物々交換などにして負けてくれないかと、先程からみなもが一人で宿屋の主人相手に根気よく交渉をしていた。


「どうしても…………ダメ?」

「ダメ」


 そして、みなもの交渉による五度目の正直(涙目&上目遣いバージョン)。


「……ウッフ~ン?」


 更にお色気ポーズと謎の掛け声もプラス!


「ダメったらダメ」

「ぅぅっ……出直してきます」


 しかし、みなもの善戦(?)も猫耳を生やした主人の×ポーズにより無意味と終わる。


 今度は本当に涙を浮かべたみなもがトボトボと宿屋の玄関ドアを開けて去っていく。その哀愁溢れる後ろ姿に、主人さんも申し訳ない気持ちで胸が一杯だった。


「ダメだったよぉぉ…………ぐすん」

「う~ん、お色気作戦は失敗かー」

「だから言ったでしょうに。みなもに色気なんて求めるもんじゃないって」

「ハハ。ワタシ、色気より食い気なもので……アハハ」


 目尻に涙を浮かべたみなもを出迎えたのは、みなもの善戦を期待していた響と楓のガッカリした声だった。楓の言葉に自覚はあったのか、宿屋の外壁の側でしゃがんだみなもが膝を抱えてあからさまに落ち込む。


 そんな落ち込むみなもの肩に優しく手を置き、姿を隠蔽していた茉心が口を挟んだ。


「やはり無理があったか。ここの猫人族の主人は頭が固いのな。吾輩の力はいるかの?」

「いや待って。今度は四人で踏み込むわ。響は後ろで裸踊りよっ」

「いやいやいや!? 宗士郎と一緒に居られないからって適当になるなって!」


 楓、宗士郎分不足の為に考えが迷走。


「っていうか茉心さん。茉心さんはこの世界の通貨の持ち合わせはないんですか?」

「そうだぜ! それならスパッと解決じゃん!」


 ついに柚子葉がそもそも論を持ち出した。


『イミタティオ』出身の茉心がいるのに、交渉する羽目になってしまったのか。それは、「交渉するのも勉強のうちじゃ」と言い出した茉心に原因があったのだ。


 柚子葉にそもそも論を投げ掛けられた茉心は余裕ある表情を浮かべて、


「無い」


 と言い切った。実に誇らしげである。それを聞いた日本出身の三人が一斉に「は?」と口にした。


「え、それじゃあなにか? 勉強だの交渉だの言ってたのって、一銭もなかったからってことか?」

「うむっ」

「へぇ……何でそんなに堂々としていられるのかは知らないけど。茉心、貴方殴られたいのね?」


 大きな胸を張る茉心を見てカチンときた楓(みなもが交渉する前の犠牲者)がボキボキと拳を鳴らし近付いた。少し前に交渉した際、少し焦っていた事もあり痴態を晒してしまった楓の怒りは頂点に達している。


 柚子葉と響とみなもが軽く戦慄した。


「楓様! 落ち着いてください!? これにはれっきとした理由がございます!」

「なら教えてくれないかしら?」


 コヒュー! と息を漏らす楓の前に、茉心と同じく隠形を掛けていた和心が立ち塞がった。可愛い可愛い和心に怒りは抱けないので、楓も息を落ち着かせて説明を促した。


「この世界では、狐人族と神天狐の存在は認知されているのでございますが、私達の故郷は俗世間とは断絶しているのです。狐人族は他の種族との交流はほぼ無いに等しく、一族全員が農作業等をしてひっそりと暮らしているので、通貨などは必要ないのでございます」

「そういう事だったのね。茉心、ごめんなさい」

「…………」

「茉心?」


 成程、と事情に納得した聡明な楓が茉心に頭を下げた。が、何故か深刻そうな面持ちで物思いに沈んでいた茉心の反応はない。


「ああっと、気にしないでおくれ。まあ、どっちみち何か手を打たなければいけないのぅ」

「そ、そう? わかったわ」


 今の「気にしないでおくれ」は楓の謝罪に対するものか、考え込んでいた事への謝罪なのか。


 浮かべていた深刻な表情はすぐに元なら戻ってしまったので、何事もなかったかのように作戦会議が続く…………


「さっきも言ったけど、今度は四人で特攻をかけるわよ。ちゃんとお風呂に入れてないから髪がぼさぼさでもうウンザリなの!! 何としてでも説得するわよ!!!」

「楓さんの言う通りだよ! 夜は魔物を警戒して寝辛いし、野宿で体がバキバキになるのももう嫌ぁぁ!」

「これが現代人故の(サガ)かぁ。辛いね……」


 かのように思われたが、女子陣の不満は我慢の限界だった。作戦も何もあったものではない。幼い頃、宗士郎と共に山籠もりした事のある柚子葉が辛うじて冷静に現代人の欠点を口にしている。


 事態は当初、各自が出発前に想定していたものより深刻であった。


「てか、あいつNPCなんじゃないのか! 〝規則だからね〟しか言わねーじゃん!!」

「響君、それ途轍もなく失礼だよ? ごく当たり前の事しか言ってないからねあの人」

「取り敢えず逝くぜ!! 皆付いてこぉーい!」

「待ちなさい響!」

「響君は考えなしだな~」

「私も行くでございます!」


 我慢の限界だったのは響も同じだったようで、(せき)を切ったように宿屋のドアを開け放ち特攻。それに続き、みなもや楓、柚子葉、隠形している和心が雪崩(なだれ)の如く突撃していった。


「華仙郷の(みな)は無事じゃろうか……簡単には捕まらぬとはいえ、心配じゃのぅ」


 外に取り残された茉心のその一言は、静かに闇の中へと吸い込まれていった。





「どうしても駄目?」

「ダメ」

「こんなに頭を下げても?」

「ダメダメ」

「響、土下座」

「この通りでっす! なにとぞっ、平にご容赦をっ」

「規則だからね。一人三十イェーン、びた一文負けられないよ」


 交渉の結果、やはり何度頼んでも、二の句は決まって「規則だからね」と終わる。頭を下げているのは響だけで、最終的にはプライドを捨てて土下座しても答えはノーだった。


 まさに暖簾に腕押し。他の面子(和心以外)もRPGのNPCでもあるまいし、少しくらい譲歩してと思わずにはいられなくなったきた。


「そんな事言われても~……私達こっちのお金なんて持ってる訳ないし、そもそも百二十イェーンとか言われてもわからないよぉ」

「なんだ嬢ちゃん。〝イェーン〟も知らなかったのかい? まあ、向こう側から来た人だし知らないのも当然か。説明してあげるから、そこにの兄ちゃんも顔上げな」


 弱気になったみなものひょんな一言から、猫人族の主人が何やらカウンターの下からゴソゴソと取り出し、カウンターへと並べた。


「〝イェーン〟ってのは、この世界『イミタティオ』の南大陸共通の通貨だ」


 並べた硬貨のようなものを順に指差し、主人は親切にも懇切丁寧に教えだした。


「一番下から青銅貨、銅貨、銀貨、金貨。今はここにはないけど、一番上が白金貨だ。最初から順に一、十、百、千、一万イェーンってなっているのさ」

「……驚いたわ。五円や五十円、五百円や五千円がない事を除けば、貨幣価値は日本と同じだなんて」

「〝エン〟? なんだ、面白い事もあるもんだな。ちょっと親近感湧いちまうぜ!」

「親近感というか、ほとんど一緒というか……ははは」


 なんと驚いた事に、細かい点に眼を瞑れば貨幣価値はほぼ同じだった。更に、通貨が〝イェーン〟だという事にどこか作為的なものを感じなくもない。


「それでおじさん、三十円――じゃなくて、三十イェーンは高い方なの?」

「王国から離れてるからちょっとばかし高いけど、収入が少ない人でも良心的な値段の筈だ。この世界において、一般市民の月収は金貨一枚、つまり千イェーンだ」


 その後も話を聞けば、王国でならば、〝二十イェーン〟で『マタタビ村』では〝三十イェーン〟らしい。王国から離れており、物流も行商人に頼み故にこの値段だ。日々の生活費なども考えれば、一日三十~四十イェーンあれば事足りるようだ。


 時代やその場その場の環境によって、また更に変動するだろうが、持ち合わせのない今の柚子葉達には関係のない話である。


「やっぱり、サービスの価値や物価は日本とは似てるようで違うみたいだね」

「日本と同じなら安っ!? って、思ったけど案外こんなもんか」

「…………まあ、それは良いとして――」


 そこで楓が一旦話を切り上げ、美人の笑顔で主人に頼んだ。


「一泊だけでもさせてもらえないかしら?」

「規則だからね」

「……チッ、駄目だったか」

「楓さん!?」


 普段しもしない舌打ちをかました楓に、周囲がざわめく。「お風呂に入れないのは我慢の限界」と眼を血走らしていた。こちらに来る際、茉心の便利な神天狐としての力を活用して、ありったけの食料と水、調理器具や寝袋を収納していたので、食事面は問題なかったのがまだ幸いであった。


 今にも暴れ出しそうな楓を柚子葉達が必死に止めている中、猫人族の主人に投げ掛けられる声があった。


「――主人。なんとかこの者達を泊めてはくれぬか?」

「うぅん? 蒼銀の狐人族か…………尾は――――十尾ぃぃいいい!?!?!?」


 猫人族の主人が声の主の髪、尻尾の数を順に見た後、一拍遅れて素っ頓狂な声が上がった。小刻みに体が震え、主人はカウンターから離れて地べたに付した。それに合わせ、客と(おぼ)しき周囲の猫人族達や店員さん達も跪いた。


「茉心、貴方……」

「良い、お主も限界じゃろう。吾輩に任せておけ」


 蒼く銀色に光るロングヘアーをたなびかせ、その真紅なる眼を以って主人を見据えたのは茉心だったのだ。


 ここまで主人が驚く理由はこの世界の住人ではない柚子葉達には知る由もなかったが、側で隠形していた和心は誇らしげに微笑んだ。


「も、もしやっ……恐れ多くも申し上げさせてもらいますが、貴方様はもしや『神天狐』様ではありませんかっ?」

「そうじゃ」

「な、何故この者達に助け舟を出されたのですか」

「理由や経緯こそ話せぬが、この者達は吾輩の仲間なのだ。吾輩は()いからこの者達だけでも泊めさせてはくれぬか?」

「そんな事はできません!? 宿泊するのであれば、是非とも神天狐様にもっ…………と言いたいところですが、規則は規則ですから。便宜を図る事は、できません」


 周囲の猫人族が「おいおい死んだわあいつ」的な視線を主人に投げ掛けた。主人はガタガタと震えながらも宿屋の主人として立派に仕事をこなしている。


 主人に目線を合わせた茉心が彼の肩に手を置いた。


「震えずとも良い。お主は立派に責務を果たしておるのだ。胸を張れ」

「は、はい!」


 茉心の言葉に、猫人族の主人は立ち上がりカウンターへと戻った。それを見た周囲の空気が一気に弛緩した。


「うむ、それにしても困った。物々交換もダメという話じゃし、一銭も持たない吾輩達にはできる事はないか…………時に、主人」

「ひゃい!?」

「この宿の食料やらは行商人に頼り切りと聞く。互いに助け合っておるという認識で構わぬか」

「そうでっす!? その行商人とは古い付き合いでかれこれ十年以上になります!!」


 主人がビシッと宿屋の奥、食堂らしき場の一席に座る男の猫人族を手で指した。男がコクコクと頷く。


「そこな商人。次に王国に向かうのは何時(いつ)じゃ」

「あ、明日の朝……ですハイ」

「護衛はおるかの?」

「い、いえ。疲れていたので、護衛の募集はまだです。ここで数人雇おうかと思っていました」

「ならば丁度良い。その役目、吾輩達に任せてはみぬか? 安全はもちろん、温かい食事もこの者達が保障するぞ!」

「ね、願ってもないです!! 是非お願いしたく存じます、護衛の代金もそのまま宿代に使っても構いません」

「良し!」


 急に護衛の話が転がり込んできた当の柚子葉達がポカンとする中、茉心が実に良い笑顔を浮かべて主人へと向き直った。


「あやつはああ言っておるが、どうする主人?」

「はぁ、神天狐様には負けました…………いいでしょう、皆様をおもてなしさせて頂きます!」

「――やったわぁああああ!!!!」


 主人が宿泊させてくれると口にした瞬間、楓が思わずガッツポーズ。ようやくお風呂とちゃんとした寝床にありつけるという事で、他の面々も同様の反応をしていた。


「カッツ! お前の宿代にこの人達の分も付け加えておくからな!」

「わかってる!」


 カッツと呼ばれた行商人が返事を返すと、主人はカウンターの下から宿泊名簿を取り出す。


「ええと……神天狐様に君達、計五人で…………」


 名簿に筆ペンのようなもので文字を書き込む。名前を聞き、それぞれの名前を()()()()で書き留める。余りの自然さに誰も気にも留めない。


「計六人でございます!」


そんな中、カウンターにひょいっと顔を出した和心に主人が茉心を見た。


「……この子は?」

「吾輩の娘、和心じゃ」

「あ、ハイ。計六人で、百八十イェーンね。お風呂は――」

「い・ま・す・ぐ・ねッ!!!」

「…………ハイ。あちらです、使い方は……ぁ、行ってしまった。余程、疲れてたらしいな」


 お風呂と耳にして、楓が主人の目と鼻の先まで接近して血走った目をぶつけた。主人は最早用済みとばかりに無視し、そのまま返事を待たずに他の女子陣を連れて風呂場へと全速力で走っていった。


「なんか、ウチの楓さんがすんません」

「良いんだ。君も大変だなっ」


 そして、一人残された男子の響の頭は申し訳なさで自然と下がっていた。「俺も風呂に入りたいんだけど!?」と抗議する気力すら湧かない。


 そんな響の姿に、主人はそっと目元を拭った。風呂場は時間帯で分けていて、男湯と女湯という概念はないからこその同情の涙だった。


 この後の食事で、この二人の(男)友情が増した事は言うまでもないだろう。





「はぁぁぁ~~……異世界のお風呂、料理……最高だったぁ」


 その日の夜。もうすぐ一日が終わるといった時間。


 宿屋のベッドにうつ伏せで寝転がったみなもが恍惚の表情を浮かべていた。


 少し広めの部屋でベッドが四つ。女の園だ。響は他の客と別室で寝泊まりする予定だ。今この部屋には、みなもと柚子葉、それに既に寝ている和心だけ。自然とみなもと柚子葉が会話に花を咲かせる。


「響君には悪い事しちゃったねー。今お風呂でしょ?」

「お兄ちゃんと同じで響君にも苦労を掛けてるな~。後で謝っとかないとね」

「和心ちゃんはもう寝ちゃってるし、茉心さんと楓さんはカッツさんと護衛の話をしてるし……後は寝るだけか」

「…………」

「鳴神君……お兄ちゃんの事が心配?」


 うつ伏せから仰向けになったみなもが不意に宗士郎の話題を持ち出した。ベッドに座っていた柚子葉は少し考えてから、


「やっぱり、心配かなぁ?」

「ぅぅん? なぜに疑問形?」


 小首を傾げると、再び考えてから口にした。


「こっちに来た初日に、茉心さんにお兄ちゃんの居場所を探ってもらって、居るかどうかも分からないって分かった。正直、泣きそうだったよ」

「……柚子葉ちゃん」

「後で遠すぎるだけって茉心さんに聞いて少しは安心したし、お兄ちゃんは強いから魔物に負けたりしないって確信もしてる。でもお兄ちゃんは一人だから誰にも頼れない。私達は野宿や食事やらで困ったり困らなかったりしてる中、食料も水もないお兄ちゃんはこの世界で生きるか死ぬかのサバイバルしなくちゃいけないのはきっと辛いと思う。だから、心配じゃないけど心配なの」

「(愛されてるな~鳴神君)」


 想定以上の兄思いな柚子葉の本音を聞き、みなもが今ここにいない宗士郎の顔を思い浮かべた。暫し、二人の間に無言が続いた。その堰を切ったのはみなもの爆弾発言だった。


「柚子葉ちゃんってブラコンだよね!」

「なっ――違うよ!? そりゃあ確かにお兄ちゃんは好きだけど、それはあくまで家族としてで!」

「そうだよねー。鳴神君がシスコンだもんね! 本人は隠してるっぽいけど」

「……みなもちゃん?」

「ごめん、冗談。でも私も鳴神君を信じてるよ。私を救ってくれた鳴神君ならきっと大丈夫。もし、再会できたらその時は苦労を労ってあげよう。ね?」

「うん……そうするね」


 一度は上がったテンションも直ぐに冷め、結局は精神論となってしまったが、二人は宗士郎の無事を願っている。それは和心や今この場にいない楓や茉心、響も心は同じだろう。


 その想いは宗士郎に届くか否か。


 柚子葉達による異界(イミタティオ)二日目の夜は、静かに更けていく。





柚子葉達は異界『イミタティオ』(見知らぬ土地)ならではの苦労をしていた。ようやく宿屋で現代人のような食と住を享受できるというのはかなり嬉しい事だろう。しかしその間、宗士郎はひとり孤独に戦っているかもしれないという事実に、柚子葉達は胸を痛めたのだった。



見知らぬ土地(異世界)での苦労を掛けたかな? と思います。『イミタティオ』の通貨設定には理由がありますが、五円、五十円系がないのは、私がただ単に面倒という理由からです(泣)。悩みに悩みましたが、宿代も結構アバウトになっております。通貨設定や他の謎については、物語が進むにつれて次第に明かしていくつもりです。


また、時間軸はできるだけ合わせていくつもりですが、少しのズレが生じる事は眼を瞑って貰えると助かります。次回は宗士郎視点に戻ります!!!



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