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トリノミルユメ  作者: 東頭 保
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第派章 デート

第派章 デート


私は牢屋の中にいた。

またかっ!

どうしてわたしが囚われの姫となったのか。

時はお城を出た後のお話。


001


ユウガの提案のおかげでマキトと二人きりになれた。

「さぁ、僕はどこへ行こう」

マキトは一人で町を回る気なんだ…

なんとかして引き止めなきゃ。

「ねぇ、マキト」

ん?と、マキトがこっちを向いてくれた。

どうしよう…なんて言おう。

「?、どうした?」

「あのさぁ、そのぉ、ええっとさ」

がんばれ私!あとちょっと!

「よかったら一緒に行かない?」


002


「いいぞ、一緒に行こうか」

………

「どうした?」

!!

「ううん、何でもないよ。えへへ、じゃあ行こっ!」

危ない危ない、嬉しすぎて現実逃避しちゃた。

私達は一緒に、二人きりで町を降りる。


でぇっと、でぇっと、マッキトとでぇっと!

「やけに、上機嫌だな?」

「え!? そ、そうかなぁ?アハハハ…」

あ!

「ねぇ、あれ果物屋さんかな?行ってみようよ!」

うわぁ、すごい!見たことないやつばっかり!

「ねぇ、これトゲトゲしてる!」

「おや、あんたたちパイナップルを知らないのかい?」

おばさんがパイナップルのかけらをくれた。

黄色い実が美味しそうに輝いている。

一口食べてみる。

「…んん!ちょーおいしいよこれ!」

マキトにも私の食べかけをあげよう。

「…んんん!美味しい!」

やった!間接キッス!

私が喜んでいると、マキトは黒っぽいやつに手を伸ばす。

「ん!臭い…」

マキトが悶えだした。

いつも静かなマキトが悶えてる…

あはははは!ちょー面白い!


003


あー面白かった。

私達は町を降り、店の中に入る。

「ガハハハハ!そうか!逃げてきたのか!」

店の中では、マキトとオジサン達が楽しそうに話している。

「どうだ?この町は」

「活気に満ち溢れている。いるだけで楽しいよ」

「だよなぁ!カスミちゃーん、おかわり!」

「ハイよー!」

カスミさんはこの酒場の店主だ。

若い、そして美人!いくつだろ?

「33歳、子持ちだよ」

マジか!

「いやぁ9歳の息子が可愛くって可愛くって」

息子さんの女性感覚が狂いそうだ…

「ルッカ、そろそろ出よう」

一通り話したマキトと、話し足りないおじさんをあしらって店の出口へ向かう。

扉を開けマキトが外へ出たとき、私をぐっと引っ張る力が

「なぁ嬢ちゃん。おじさんと一杯飲もうや」

怖い

さっき話してたおじさんとは違うその目に恐怖を覚える

「は、離して」

私を掴む力が強くなる

怖い

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖…

私の身体が震えだしたそのとき、扉が開く

「おい…離せ」


004


キャー!カッコイイ!

さっきまでの恐怖がまるで嘘みたい。

足早に店から離れる私達。

ちょうどいい所で足を止める。

「大丈夫だったか?」

「うん…」

再び歩きだす。

歩きながらふと思い出す。

そういえば可愛いアクセサリー屋さんがあったな。

マキトにプレゼントしよう!

秘密でお揃いの物を買うために一人で町を歩く。

マキトには適当な言い訳をしてきた。


005


そして今に至る。

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