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トリノミルユメ  作者: 東頭 保
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第派章 俺、道場へ行く

第派章 俺、道場へ行く


001


二人に別れをつげ、町へ向かう俺すなわちユウガは

ある場所へと向かっている。

俺達が捕まる前、俺は面白いものを見つけていた。

その張り紙には、

「強さを求める者 募集」

道場 ーー と雑な手書きで書いてあった。

強さを求める者、いい響きじゃねぇか。

そんなわけで道場へ向かう俺。

ところで、道場ってどこにあるんだ?


002


聞き込み開始!

手当たりしだいに道場の場所を聞いていく。

「道場?なんだそれ?」

「道場…ごめんなさい、わからないわ」

「道場か、えっとあれだよなアレ、なんだっけな?」

いい結果は得られなかった。

道場って本当にあるのか?

誰かのイタズラなんじゃねぇの?

そんな風に疑いながら歩いていると、

前に見た美人さんとすれ違う。

ちょうどいいや、美人さんにも聞いてみよ。

「なぁ、お姉さん、道場って知ってる?」

「ええ、知ってますよ。父さんが師範を務めてますから」

マジかよ…


003


そんなわけで美人さんに道場へ案内してもらっていた。

正直、展開が急過ぎてついていけてねぇ。

「私の名前はリン、リンと呼んでください」

最近、道場の生徒も減ってきて大変なんですよね。

と、リンさんは言う。これは行くっきゃねぇ。

リンさんは路地裏へと入って行く。路地裏?

「うちの道場はちょっと辺鄙な場所にあるんですよ」

交差する路地裏を右へ左へと迷いなく突き進む。

ちょっとどころじゃねぇ、超辺鄙だぜ。

着きました ーー と、そこには厳しい屋敷があった。

なんでこんな所に屋敷があるんだよ。

辺鄙ってか…変だろ。


004


俺は今ぶっ倒れている。ぶっ倒された。


「ただいま父さん、新しい人連れてきたよ」

屋敷の中にある道場に連れられ(屋敷の中にある道場ってどんだけ屋敷広いんだよ)、俺はリンさんの父親、すなわち中央で正座をしている道場の師範と対面する。

「貴様は 強さを求める者か」

屋敷同様(もしくはそれ以上)に厳しい声で問われた。

「おう。強くなりてぇ!」

「何故」

何故?強くなりたいからじゃだめなのか?

「強さとは」

強さとは?なんだろう。

いかにもアイツの考えそうなことだ。

そんな風に答えを考えていると、不意に師範が立ち上がる。

「語れ 拳で」

へっ、そういうことならいいぜ。

拳で語るのは俺の得意分野だからな。

俺は構える。


俺は、倒れていた。


005


強かった。なんて言葉では言い表わせない。

強すぎて、その強さがわからなかった。

わかる暇もなかった。

「父さん!少しは手加減しなよ!そんなだから来る人来る人逃げてっちゃうんじゃない!」

そうか、辺鄙な場所とか関係ない。

こんな洗礼を受ければ誰だって逃げだしたくなるもんだ。

「出直せ 強さを知らぬ者 求めるに能わず」

師範は屋敷の方へと去っていく。

「ごめんなさい。大丈夫だった?」

「あぁ、大丈夫だぜ…」

不思議と身体は痛くなかったので、俺はピンと立ち上がる。

「父さん、頑固だからああ言い出すと聞かなくって。悪いけど、出直してもらえる?」

本当にごめんね。ーー と言われたら帰るしかねぇ。

「ぜってえ強くなって帰ってくる」


006


俺は町へ戻ってきた。

ふと空を見上げると、もう日は暮れている。

あれ?アイツ何してんの?

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