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その七:小話

 今回は、二つの話をします。一つではちょっと足りない気がしたので二つにしました。

 私が高校生になり夜道を歩く機会が増えた。部活を終えて帰宅中の私は通学路を歩いていた。雪が降る前だったので自転車には乗っていなかった。

 コートの前をしっかりと合わせ、白い息を吐きながら人気のない道を歩いていた。満月が照らしてくれるので浦寂しい住宅街も闇に沈むことなく見えた。

 人影もまばらな道に前方から人が来た。顔を上げて、そいつを見る。

 背広を着てコートを羽織り、手には鞄を持っていた。中肉中背の可もなく不可もない体形。首から下は申し分ない人間だ。

 しかし、顔は人間ですらなく、人でもなかった。爬虫類のようだった。よく、「人の皮を被った化け物」とかいう表現があるが、今回はこれがしっくりきた。

 人の皮を被った何かが前から来るのだ。自分は恐怖した。

 結局、何も起こりはしなかった。

 このことは私の見間違いだったらいいなあと思っています。


 もう一つの話ですが、中学生の時に本州の列車に乗っていた時に、確か埼京線だったかに乗っていたはずです。

 それに乗っていた時のことです。

 通勤ラッシュは外していましたが、家に帰ろうとするサラリーマンの渦に巻き込まれ列車の中は軽い満員電車でした。

 僕は吊革につかまり立っていました。暇なので窓の外を見ていました。窓には車内の光景が鏡のように映っていました。半分ガラスに透けるように外の景色が見えていた。外は暗く、街灯の明かり、家の灯、車のライト等が見えました。

 私は、かわり映えしない景色に飽きてガラスを鏡にして乗客一人一人の姿を見ていきました。おばさんや、おじさん、子連れ、他の大多数は仕事帰りのサラリーマン。そんな中に、車掌さんが吊革につかまり立っていました。場所は僕から見て右に三人分ずれたところにいました。彼の制帽が彼の顔に影を落として表情は分かりませんでした。

 僕は不思議に思いました。なぜココに車掌がいるのだろうか?ガラスの鏡を存分に使って舐めるように見ます。外套、手袋、制帽、制服のズボン、なぜだが彼は手ぶらでした。

「おかしい……。」

 私は右に顔を向けました。彼は居ませんでした。あわててガラスの鏡を見ました。彼は消えていました。最初からいなかったように消えていました。

 私の首筋には冷汗がたらりとたらりと流れてきました。

 

 次回は、高校に入学した自分がお化けが出る部活に入った話をしたいと思います。

 ご静聴、ありがとうございます。

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