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着信

作者: 漆射今晶
掲載日:2018/04/10

かなり前に診断メーカーで貰ったお題で書きました。

拙い文です。

怖いお話お題は

『地蔵』

『着信』

『歩道橋』



歩道橋の脇にお地蔵様が鎮座している。

軽くお参りをし、前を横切ろうとしたその時、突然携帯が鳴った。

知らない番号だったが、出てみると何やら向こう側が騒がしい。

救急車の音が聞こえてきた辺りで、ようやく相手が口を開いた。

「歩道橋を使いなさい」

そう告げられて通話が切られてしまう。

不思議に思ったが、そうしているうちに渡ろうとしていた信号は変わってしまった。

仕方なく歩道橋を渡る。

中ほどまで来ると、何やら下が騒がしい事に気づく。

覗き込むと、刃物を持った男が次々と通行人を襲っているのが見えた。

慌ててしゃがみこみ、男から身を隠すと、再び携帯が着信を告げる。

いつの間にかマナーモードになっていたそれに出ると、

「もうすぐ男がそちらへ向かう。反対の方向へ逃げなさい」

それだけ告げて再び切られた。

電話の通り男のいた方向と反対側に進む。

階段にたどり着いた所で男が歩道橋に上がってくるのが見えた。

慌てて階段を駆け降りる。

降りる音で気づかれてしまうと思ったが、階段はなぜか音一つ響かせず、男もこちらに気づく様子はない。

無事に地上へと足をつけた時、正面から駆け寄って来た警官達に保護されながら、思った。

(あれはお地蔵様からの電話だったのかもしれない)


完

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