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物語の始まりは転職2

門はアレでしたが、建物の中は至ってシンプルで特におかしなものはありません。

シンプル・イズ・ベスト、外とは真逆です。

良く言えば落ち着いた色合いです。

深い緑と濃い茶色。地味おぶ地味。

ここは書蔵施設ですので場所柄を考えますと合っているとも言えます。

あの門さえなければ………今はサクッと忘れましょう。

正式に雇って頂けた場合毎日アレを見ることになる事も。



「初めまして。本日仮配属となりましたシェイラと申します。よろしくお願いします」

「……………」

「あのー、すみませーん。」

「……………」

「誰かいませ」


ドンッ!!!!!!!!!!!



「よーし、歯ーくいしばれーい」

「……no」

「聞ぃーこぉーえーなぁーーーい!」

「……oh」

「(アレコレ諸々)なめとんのかぁ!!」


以上、上司との初対面のやり取りをお送りしました。



はいはい。わかってますわかってます。状況を説明いたしますよ。

まず、ノックして在室伺いしましたが無音。

ちょっとだけ扉開いて呼び掛けてみましたが無音。

でもここが最後の砦。諦めて帰るなんて選択肢はありません。

中に入りながら呼びかけてみたら、爆音。

耳のキーンが治まるのを待っていましたら、

とっても美味しそうな甘い香りがしてきたではあーりませんか。

音がしたと思しき隣の部屋をそっと覗いてみたら、

ポン菓子を大人食いしている上司?を発見しまして。

胸のプレートで上司であることを確認した上で一発。

ほほほ。



隣の部屋が何もない部屋であったなら問題無しでした。

ですが、書類の山脈が広がった盆地にその機械が置かれている上、

機械が置かれた台の下にも書類や本の丘が形成されていたりだとか。

窓はあるものの黒色の重苦しいカーテンが引かれていて、換気のかの字もなく。

部屋のそこかしこにホコリの回転草。

色々アウトな状況でポン菓子…ないわー。

入口から見て部屋の最奥にいかにも重そうなツヤツヤの机。

その手前、つまり盆地の機械の脇の椅子の上に白衣を着た恐らく男性、一体。

近付けば椅子の上にしゃがんでポン菓子貪り炭酸を飲みながら本を読んでいます。

何故にそんな疲れる態勢で読んでいるのか…興味がないわけではありませんが、

悪寒がするので追究は無しの方向で。


挨拶をしたものの本読み続行で無視。

再度、改めて自己紹介をしましたら、懇切丁寧な挨拶が返って…

くるはずもなく、無言のまま手で「シッシッ」って犬ですか?私は。

しょうがないので体に挨拶です。母直伝というやつです。

床に正座までしてじっくりお話を聞いて下さると仰るので、挨拶は終了。

30分ほど私の置かれている現状を掻い摘んで説明。ええ、掻い摘んでも30分。

私が持参した役所からの書類の説明と、所長に届いてるはずの役所からの通知の発掘に2時間。

サインを強引にもぎ取るのに25分ほど格闘。

履歴書を渡して役所に提出する書類を頂く上でものすごく抵抗されましたが、

ポロッと母の名前出したらめでたく正式雇用です。パチパチパチ。

所長と母の間に何があったのかは気になりますが、所長がマッハのスライディング土下座を展開したのでしばらく聞かないでおきましょう。


「所長、顔面、大丈夫ですか?土下座は顔は付けずに行うべきですよー。あと…」

「土下座の詳細は言わんでいい。知っているからな。今はちょっと、ほんのちょっとトラウマが発生して動揺してしまっただけだ。きっと」

口に残っていたお菓子をポロポロ溢し、口の端から飲み物がショロショロ溢れているのでまだ動揺しているようです。

母上様、お元気ですか?あなたの元同僚はしっかりきっちり躾られたままのようです。それではまたおたよりします。母上様~。

あらいやだ。私も動揺しているわ。

場面としてはここで切り替わりたかった。でも書いてるうちに筆が踊りまくって分割する羽目に。再度練り直してみたものの大して減らなかった。書き直しの際に部屋のレイアウトが変わったのが原因なんだけども。

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