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迷子と不思議な少女

またまた久しぶりです。


道が分からなくなって1時間。歩き回ってみようということで、あっちこっちに行ったりしていたが、やはり分からない。



「マーベラスね。お腹空いた。」


「何を食べるの?マーベラス」


「ドラゴンだから肉だろう。」


「ううん。魔力も食べるの。」


「魔力……?」



裕翔が、手のひらを上に向けた。その手のひらの上に荒々しく揺れる青い光が灯った。ドラゴンは嬉しそうに、その光に飛びつき、食べ始める。



「おおう。かなり食うんだな。」


「ユウトにぃの魔力はねー、えっと、ほかほかで美味しいよ!」


「熱いのか。よくわからん。」



ほかほかはドラゴンにとってのほかほかなので、基準が分からない。

ドラゴンは炎の中でも生きられる種族だ。それは、下位ドラゴンでも上位ドラゴンでも変わらない。



「そういえば、マーベラスの種類聞いてなかったな。もうマーベラスには分かるのか?」



ドラゴンは賢い。それは上位にいく程、人よりも賢くなる。従って、この世界の人間から゛賢者゛、゛知恵の者゛、゛世界の支配者゛とも呼ばれる。

最後の゛世界の支配者゛というのは、ドラゴンの力も合わせた呼び名だ。


基本的に、あまり世界に関わらない。

だが、自分の巣に入ったものには容赦がない。特に、産卵期や育児期だ。

マーベラスの場合、たぶん親は死んだのか、育児放棄したのかのどちらかだが、ドラゴンは子供を絶対に見放さない。だからマーベラスの親は死んだものと思われる。



「ぼくはね、ラフィーネっていうドラゴンだよ。これでもじょういドラゴンなんだよ!」



幼い口調で、胸を張り堂々とする。見た目は小さな子供が兄に何かを自慢しているというように見えて、微笑ましい。



「ラフィーネか。珍しいうえに、上位のドラゴン。すごいな」



裕翔が笑いながら、マーベラスの頭を撫でる。マーベラスは気持ちよさそうに笑った。


ラフィーネ。一般的に、゛ドラゴンの王゛と呼ばれ、1番恐れられ、また崇められている種類だ。

普段は穏やかな性格だが、1度怒らせると、人間の国など一瞬で滅ぼせるほどの力を持っている。


ラフィーネはほかの種類のドラゴンからも産まれ、珍しい体色をしている。数が圧倒的に少ないので、研究も難しく謎が多いドラゴンだ。




マーベラスと裕翔が話す間、瑠樺は、木の上に登って周りを見ていた。しばらくして、木から降りてきた。



「駄目だね。村も街も王城も全く見えないよ。ここまで見えないとなると逆に怪しいね。」


「そうか。目印の一つでもあればいいんだが。」


やれやれと首を振りながら話す。

裕翔は考えこみ、何かを思い付いたような顔で、マーベラスに指示を出す。



「マーベラスのその探知能力?で、周りになにか無いか調べてみてくれ。」


「あいあいさー。」



マーベラスは目をつぶる。その瞬間、マーベラスの身体から光の波のようなものが発せられる。その波は数回続き、やがて無くなる。



「植物以外の生き物はマーベラスとね、ルカねぇ、ユウトにぃ、あと一つだけ。」


「あと一つ?」



1時間以上歩き回っていたが、自分たち以外には誰も見ていない。そして、植物以外の生き物が異様に少ないことにもひっかかる。



「こっち」



マーベラスが反応を捉えたらしき方向に向かう。景色は変わらず、進んでいるのかが分からない。ずっと森だ。




「誰?」



進んだ先に、1人の少女がいた。耳は尖っていて、肌は浅黒い。

目は金色だ。容姿はとても整っていて、人間ではないようだ。



「人間。それと、ちっこいのはドラゴンの子か。珍しい組み合わせだな。どうやって来た?」



少女が尊大な口調でいう。

マーベラスがドラゴンということがその少女には解ったようだ。


この分なら俺達の正体も分かってるかもしれないなと裕翔は思う。


裕翔と瑠樺は警戒をする。瑠樺は少女の外見に似た種族を知っていた。



「ダークエルフだね。つまり、エルフの領域に来ちゃったんだ。」


「エルフか。」


「私達は道に迷ったんです。道を教えてくれませんか?」



ダークエルフの少女はじっと裕翔達を見たあと、後ろを向いた。そして、何かと話す。



「何してるんだろう?」


「たぶん、せいれいだとおもう。」



マーベラスが少女を見ながら言う。マーベラスが言うには、エルフ族は精霊が見えるらしい。それと、ダークエルフは普通のエルフよりははっきりと見えないらしいことを言う。



「精霊達は、お前達は害ではないと言っている。良かろう、この森を抜けるように案内をしてやろう。」



何かと話し終えたダークエルフの少女は、森の中を進み出す。

相変わらず景色は変わらないが、進んではいるのだろう。



「本当に進んでいるのか?」



裕翔が怪訝そうに聞く。



「失礼な。進んではおる。遠いだけだ。」



ダークエルフの少女は不機嫌そうに返事をする。

やがて、木々は少なくなり裕翔と瑠樺にとって見覚えのある所に出た。



「マジかよ……」


「ちょっと早かったね……」


「ひっさしぶりー」



裕翔と瑠樺は頭を抱え、マーベラスは楽しそうに声を上げた。ダークエルフの少女は首を傾げた。



「お前達は英雄だろう?英雄は魔王を倒すものだから、ここに来たかったんじゃないのか?」



そして、裕翔と瑠樺が頭を抱える原因となった場所の名を告げた。



「魔王城に。」



裕翔たちの目の前には、平地に堂々と建っている古そうな見た目の城、魔王城があった。





なぜにこうなった…( ゜д゜)


自分で書き上げた後、見返した自分の感想↑



エルフについての記述↓


この世界のエルフは集落を作るのは珍しい。ダークエルフについてはなおさら。エルフが住み着いた森は、ほかの動物から認知されることが難しくなる。それを一般的に゛エルフの領域゛という。

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