表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

出立と再会

久々ですm(_ _)m


数日間で必需品を買い揃え、隣の国のコルシアに行く事になった。魔王の所に直接行かないのは、前に魔王封印をした際、装備を国々に預けたからだ。



「初心を思い出す。」


「裕翔に初心なんてあったかな?」



いたずらっぽく瑠樺は笑う。つられて、ココアも笑った。

裕翔は苦笑いになったが怒ることは無い。



「俺にもあるが。」


「へー」



明らかな棒読みで返事をされる。

裕翔は何も言わなくなった。



「ココア様、またしばらく旅をしてきます」


「また合う日まで元気でな。」



城の門近くにつき、ココアに別れを告げる。



「ユウト様、ルカ様ご武運をお祈りしております。」



ココアが深々と頭を下げる。



姿を変え、国を出て森を進む。道は覚えている。


今の姿は、裕翔が茶髪、赤褐色の目、ふわっとした雰囲気の青年。

瑠樺も似ている姿で、兄妹のようだ。



「装備集めんの面倒臭いな。幾つ預けたっけ?」


「確か六つの国に預けたね。あとは五つ。」



ココアと居た国はイシュラディア。そこで、封印を解いた。

その姿が一つ目の装備と数える。



「遠いし、走るか。」


「目立つでしょう。」



即答で裕翔の提案は却下される。2人は本気で走れば、馬並の速さを出せる。目立つのも当然だ。



「お、馬車はっけーん。」



前方に馬車が二台停まっている。

その前で、道の奥を見ながら行者たちが何かを話し合っていた。



「何かあったのですか?」



瑠樺が馬車の行者に、尋ねる。

行者は困った様子でこちらを見た。



「旅の方ですか。この先にドラゴンが1頭いるので、進めないのです。」



道の先を見ると、行者の言った通りに、黒いドラゴンが1頭寝そべっていた。



「そうなのですか。これで失礼します。」



瑠樺が冷や汗を浮かべ、裕翔の元に戻る。




「……あのさ。あのドラゴン見覚えがあるんだが。」


「……奇遇だね。私もだよ。」



互いにこそこそと話す。そして、裕翔と瑠樺は行者の見ていない隙に、ドラゴンの陰に入る。


ドラゴンが、2人を見つけ目を輝かせ何かを言おうとしたが、瞬時にその口を裕翔が無理やり閉じさせた。



「バカ。喋るな。目立つだろう。」


「ここでは駄目。どこか目立たない場所へ。」



ドラゴンが頷き、翼を広げた。行者達がどよめき、隠れた。

その隙に裕翔は先にドラゴンに乗り、瑠樺が乗るのを手伝う。


2人を乗せたドラゴンが空を飛ぶ。



「風が凄いな」



ジェットコースター並の風。急いで瑠樺が魔法を唱える。



「″天に咲く、魔法の花。求めるは静寂。ノクターン″」



ふっと風が止む。落ちないように力を入れていたのか、裕翔が前に転ぶ。



「忘れてた。ごめんネ。」



笑いながら、裕翔に瑠樺が謝る。裕翔が転んだ体勢からゆっくりと起き上がり、瑠樺をジトっとみる。



「全然、反省してないだろ」


「アハハ,キノセイダヨ。」


「棒読みだ」


「ソウカナー」



裕翔はしばらく瑠樺を睨んでいたが、諦めた様子で視線を地面に移す。


適当に開けた場所を指さして、ドラゴンに指示を出した。



ゆっくりと旋回し、地面に降り立つ。

音はしなかったので、魔法の効果が続いているのだろう。



『久しぶり。ルカねぇ、ユウトにぃ。』



だいぶ幼い口調を低めの声で話すのは、ドラゴンだ。ほとんど言葉を覚えたてなので、しょうがないだろう。


このドラゴンは1度目の魔王討伐の時、裕翔が拾って、育てた。

まだまだ子供だったので、餌を与えたらすぐに懐いたので、そのまま育てたら言葉を覚えていたのだ。



「マーベラス、なんでこんなところに居たんだ?」


「クリュウ城跡に居たんじゃないの?」



この黒いドラゴンの名前はマーベラス。裕翔がつけた。

クリュウ城跡は、はるか昔に滅んだ国の城だ。白い壁にドラゴンや龍の模様が彫ってある。とても遠くにある城跡。


呑気にマーベラスが答える。



『城跡にいても、他の子寝てるからひまだし、ルカねぇ達の気配がしたから。』



他の子とは、ドラゴン以外の動物や幻獣達だ。ドラゴンはマーベラスしかいない。



「……凄いな。俺達の気配がそんな遠くから分かるのか。」


「ちょっとしたストーカー?」



マーベラスの能力を知り、少し引いた。



「で、これからどうするんだ?」


『ついていく。』


「えー。目立つよー。」



マーベラスが付いて来る事に、裕翔と瑠樺は難色をあらわす。

やはり、目立つのが嫌いなのだ。



『マーベラスはね、色んな動物になれるよー。』


「そういえば、変身能力あったんだっけ?」



ドラゴンは魔法を使える。人間と違う魔法体系を持っていて、様々な魔法を扱う。敵にしたら厄介な相手。

ちなみに裕翔と瑠樺も特殊だ。



「人間になれるか?」


『あいあいさー。』



マーベラスが返事をする。しかし、この言葉をどこで覚えてきたのか分からない。


ドラゴンの身体か小さくなり、人の姿をとる。だが、腕や足、額に所々黒い鱗が見られる。

黒髪黒い猫目の10歳くらいの少年の姿だ。顔は整っており美少年。可愛い系なので美少女にも見える。



「少し鱗があるが、このくらい髪で隠せるか。」


『うまくなったんだよー』


「服は……これでいいか。」



白色のシャツに瑠璃色の羽織を着せ、ズボンをはかせる。ズボンはすこし丈が長かったので、瑠樺が縫った。シャツの袖は少し曲げる。



「これでいいよねー」



声の高さも変わり、どこから見ても普通の猫目の少年だ。

猫目は獣人の血が入っている人もいるので、珍しくはない。



裕翔と瑠樺はマーベラスにあわせ、姿を変えた。

裕翔は黒髪をうしろで括っている、少し茶色の目の青年に、瑠樺は茶色が少し混じった黒髪に猫目がちの黒目の少女に。



「ところで、ここ何処だ?」


「さあ?」


「マーベラスもしらない。」



最初の問題が立ち塞がった。


・・・道がわからないと言う問題に。


ドラゴンの名前で悩みました。シュバルツかネロで。

何故かマーベラスにw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ