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フィーカスのショートショートストーリー

いざ、投票へ! 

作者: フィーカス

 とうとう来た、選挙の投票日。

 若者の選挙離れが問題となっているらしいが、自分達の将来を決める重要なイベントだ。行かないわけにはいかない。


 選挙や投票に関心が無いのは、学校などでそういうことを教えないからだろう。

 本来ならこうした、自分達の生活にかかわることなのだから、学校で真っ先に教えるべきことのはずである。

 だが、そんなことよりも国語や算数といった、「お勉強」のほうが重要だと考えているのだろう。いや、そもそも教師なんて、そんなことは考えていないのかもしれない。

 とはいえ、やはり自分達の将来が決まるかもしれないことだ。自分達で指導者を決め、大事な一票を投じる。時間をかけてでも、自分達で候補者のことを調べ、投票する人を決めるべきだろう。


 さて、そんな大事な選挙だが、僕にはもう一つ重要なミッションがある。

 投票所に一番に行くことだ。

 投票所に一番に行ったら何かあるのか? もしかしたら、普段は行ける時間に投票に行く人はあまり知らないかもしれない。

 投票所に一番に行った人には、立会人として、投票箱の中に何も入っていないことを確認してもらう、という役割が与えられる。

 市町村民、都道府県民、はては国民の将来を決める大切な投票だ。

 もし、その投票箱の中に不審な紙が一枚でも入っていたら、重大な問題になる。

 選挙管理委員や専門の立会人も多数いるが、そこに第三者である投票者の確認も加えることで、「何も入っていない状態」での公平な投票を、より確たるものにできるのだ。


 そんなわけで、僕もその役割を果たすために、朝六時半に目覚ましをセットして準備をした。

 投票に行く人の中には、「一番に投票所に行って、投票箱の中を確認する」という目的のためだけに行く人もいるかもしれない。あるいは、それを不純な動機だと思う人もいるかもしれない。

 しかし、動機は何であれ、しっかりと投票に行くのだ。本当に興味がないなら、わざわざ日曜日の朝に早く起きようとは思わない。



 目覚ましの時間に目を覚まし、すばやく支度をする。

 そして最寄の投票所に向かう。普段なら日曜日の朝はまだまだ寝ている時間なのだが、静かな藍色の空を眺めると、たまにはこんな時間に起きてみるのも悪くないと思える。


 投票所に着くと、まずは誰かいないか確認する。

 入口では、投票所の係りの人が、案内表示の修正や、準備を行っていた。

「まだ投票開始まで時間がありますので、椅子に座って待っていてください」

 そう言われ、会場外のベンチに座る。

 時刻は六時四十分。さすがに、こんなに早い時間から来る人はいないのか、誰もベンチには座っていなかった。

 ベンチに座り、携帯のアプリをいじりながら、そのときを待つ。


 やがて、会場で流れていたラジオから、午前七時を知らせる時報が鳴り響いた。

「それでは、これより投票所の開場を行います。一番の人から順番に会場にお入りください」

 係りの人に告げられ、僕は会場に入った。



 ここで、入場整理券を忘れたことに気が付いた。すぐさま家に取りに帰ろう。

実際には、入場整理券が無くても、事情を係員に話せば投票は可能なのだそうです。


今日は衆議院議員選挙。せっかくの権利ですから、是非とも最寄の投票所へ足を運びましょう。

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