用法用量をよく守って正しくお使いください
前回よりも広い心でお読みください。
喪女とはかくありきという信念をお持ちの方がいたらごめんなさい。
[前回までのあらすじ]
どうも昔は銀髪美形だったおっさん宰相です。銀髪はうそです。
でも、若い頃はそれなりにブイブイ言わしてたのは本当ですよ。いやいやマジで。
さて神様のお達しにより異世界に召喚された喪女こと幸子様。
殿下の嫁としては多少じみ・・・控えめなお顔でひま・・・太目の体型ではありますが
神様に選ばれし者として好きにしていいつーのに、なかなか手が出ない。
いつでもウェルカムな殿下が熱烈に愛を囁くというのにつれない貴女。
きっと殿下がキラキラしすぎなので遠慮しちゃう複雑な乙女心なんでしょう。
どうでもいいからさっさと犯っちまえよ(ボソッ)
最近は殿下の為に釣り合いが取れるようにとダイエットを決心したようで。
日々努力されてるそうです、健気ですね。
「なんて健気なんだ幸子・・・。」
「ちげぇ!殿下!うっとりこっち見んな!」
ハイハイ。
3ヶ月たちましたよ!
まさか前回までのあらすじ内で名前を明かされるとは思ってませんでした幸子です。
神に選ばれしキラキラ殿下の嫁(仮)として異世界の城で暮らして3ヶ月経っちゃいました。
神殿に嫁のキャンセル申請したといわれましたが神様からは音沙汰なしです。
チェンジ権を与えてやれよ、神様!
あんただって嫁がガチ喪女だったらチェンジするだろうが!
ちなみに大神官様に神様はブス専なのか聞いたら神様への不敬だと怒られました。
理不尽すぎる。私がブスだということを否定しないことがさらに理不尽さを際立たせている。
殿下の惚れ薬も相変わらず継続中です。
解毒しないとダメってのがなぁ。しかも専用のを作らないとダメだそうな。
魔法使い様はどんだけ強力なのつくったんだ?
副作用とか気になるところです。
いや前回ね。ウォーキングがどうのって言ってましたが
あれ城うろついただけなんですよ。
広いですからね。庭園に出るのも一苦労です。
壮大な冒険になっちゃいますよ。
娯楽がないですから、じゃあ本だろうと思ったんですが
図書室は3時でしまるし、貸し出し厳禁。しかも遠い!
なんでか私の部屋はドコに行くのも遠いトコにあるんですよ。
ダンジョンとしてはラスボスダンジョンばりに複雑怪奇ですよ。
途中セーブポイント探して壷弄ってたら怒られました。割ったわけじゃないのに。
電気的なモノで明かりはあるんですが、基本夜は真っ暗。
気が付けば早寝早起きですよ。
そんなこんなで10キロは落ちたんですよ、体重!
体重についてはまだあと20キロは落とさないといけないんですがね!
標準への道は長いんですよ。
食事は部屋食です。一応国賓ですのでね。気分は高級ホテル滞在ですよ。
実は朝食時に、ちょっとシュッとしてきたってメイドさんに褒められまして
午後のおやつが解禁になりました!イヤッフー!
あ、10時のおやつはまだ封印中です。
この城では朝食→10時おやつ→昼食→3時おやつ→夕食→(夜食)なんですよ。
私のライフスタイルと丸かぶりでビックリしました。
まぁそのせいで肥満になってたのかもしれないですけどね!
そろそろ10時だから、城うろつきタイムかなー。
廊下がキラキラしてくる前に出ないと大変なんですよ。
「こんにちは。愛しい人。」
くっ。気障な匂いがプンプンするぜ!
ま、まぶしい。このキラキラは・・・。
「どーも殿下ごきげん「おでかけですか?」
かぶってます殿下。
おいおい、ごきげんようまでが、今までの我々においての様式美(※)だったじゃねーか。
フェイントされたって柔軟に対応してきたが、これには我慢ならないZE!
※幸子が一方的に思ってる様式美
ココから
「(挨拶)愛しい人。」
たまに愛しい以外の形容をされるがその場合は
"おいおいそうくるか殿下フェイントとは恐れいったぜ”(汗をぬぐうイメージ)
くっ。気障な匂いがプンプンするぜ!(ハッと気づいたイメージ。)
ま、まぶしい。このキラキラは・・・。
(背景はベタフラッシュ。振り返ってまぶしがるイメージ。)
「どーも殿下ごきげんよう。」(キリッ)
ココまで
ちなみにイメージといってますが、あくまで心の中だけです。
気付いて振り返るとかしたいんですけど、大体正面で遭遇するんで。
正々堂々としてますよね、殿下。
バックアタックは敵ターンか一人だけど隊列が崩れるから、この正々堂々はありがたい。
ごきげんよう、そして立ち去る。までをパターン化するのが目標です。
・・・・・だからその手を離してください。
「おでかけですか?」
「おでかけです。」
大事なことだから2回聞く。わかりま・・・いやいや、わかりませんって!
「おつきあいしますよ。」
「けっこ「今日はドコまで?」
言わせてくれよ、最後までぇええええ。
「そろそろ桜が満開だとか。よかったら行ってみませんか?」
じゅ、重箱につられたわけじゃないんだからね!
[前回までのあらすじ]
どうも、神様の忠実なる下僕大神官です。
宰相とは同世代なんですよ。
ジムでよく一緒になるんです。鍛えてるので腹は出てないですよ。
えー、幸子様がグダグダ無駄な抵抗をしていた3ヶ月。
少々お痩せになったとかで、殿下は痩せて喜ぶ幸子様を見て喜ぶというスキルを習得された模様。
幸子様との将来の為だと必死に公務もこなされていて
いままでの殿下とは大違いの愛の深さに国民の信頼もうなぎのぼり。
いいこと尽くしですね!
前回殿下の作られたお重に少々隠し味という名の媚薬を振りましたので
きっと濃密な昼をお過ごしになられたんじゃないかと思います。
真昼間でもいいからさっさと子作り励んでほしいものです。
ちなみにキャンセル依頼はクーリングオフ期間を過ぎてるとかで
神様より却下されてるのは幸子様には内緒ですよ。
「あ、あっぶねー、食べる前でよかった。」
「幸子・・・そうだね、まだ昼だしね。」
「て、ちげぇよ!あとなんかすげー重要なことさらっと出たよ!」
なんかもうあらすじじゃなくなってきたな。
おかげで助かったけどね。
薬のせいとはいえ、真昼間から盛りたくないです。
「幸子様はツンデレなんですね。」
メイドさん・・・それ違う。
ツンデレについて造詣は深くないけど、なんか違うと思う。
「きっとみんながとっとと犯れって言うからダメなんだよ。」
ボクわかっちゃったって顔すんな、護衛騎士。
「はずかしがりやなんですよ、幸子は。」
キラキラすんな殿下。
「ネックは薬なんですよ。」
魔法使い様、いつの間に!てか媚薬入りお重食べて大丈夫ですか。
「私に薬は効かないので、大丈夫です。」
便利な体ですね。魔法すげーというべきか。
「幸子様からの解毒剤の催促がすごいことから私は気付きました!」
「え?じゃあ幸子がお前の部屋に通っていたのは・・・。」
「ええ、解毒剤の催促です。決して殿下が嫉妬するようなことはありません!」(チラッ)
「そ、そうか。」
「だからボクも一緒に行ってるんだから心配ないって言いましたよね。」(チラッ)
「殿下は独占欲が強いんですわ。」(チラッ)
「だから女騎士が護衛についてたのか。」(チラッ)
ね?幸子様じゃないでしょ。
殿下以外がいちいちチラ見するからどこからどこまで小芝居なのか私にも分かったぞ!
ちなみに「ええ、解毒・・・」のあたりから「護衛についたのねー」までだ!
「ちなみにですね、殿下はつねに幸子様の動向を気にされていますというのが込められてまして。」
「ボクは殿下が他の男性に嫉妬しているというのを込めました。」
「わたくしはもし通じない場合に備えて直接表現で攻めました。」
なんか、ギャグを説明されたような気分がしました。
「殿下の気持ちは薬のお陰でよく分かってますよ。今更説明する必要もないんじゃ。」
「幸子、僕の君への恋しい気持ちを理解してくれてたのか・・・。」
あ、うん。理解はしてますよ。薬で私にメロメロってのはね。
おっさん達によれば以前の殿下はいわゆる俺様キャラ。
女性入れ食い状態だったと。もげろリア充。
「だからですね、惚れ薬によって殿下は今の状態にあるわけなんですが。」
「まさか・・・。」
「解毒して、真の愛がほしい?!」
「それだ!」
いやいやいや。
それだ!じゃないから。
どや顔でこっちみんな。
「幸子、そんなに俺のことを?」
くっ、まぶしい。
ぱぁあああっじゃないよ!少女マンガかよ!花が見えたよ。
ココ庭園だけどね!エフェクト的な花がね。
私は何も言ってないぞ。
いっつもそうやって勝手に解釈してるけど、否定する暇がない
というか持たせてくれないんだ。
コミュ障には優しくしてくれ!
クソ!キラキラしすぎて何も見えん!
「フフ、幸子様はやはりツンデレ。」
「殿下にしかわからないツンデレ。それとも殿下だからわかるのか・・・。」
「お似合いカップルですね、わかります。」
わかんねーよ!
[前回までのあらすじ]
どうも、似てない父親こと陛下です。
男の子は母親に似るって言うしね。ソコは気にしないよ。
あ、女の趣味は似てないかな。
神様の選んだ女性だから仕方ない?
でも神様が闇雲に選ぶとは思えないんだよ、あのバカは薬とか使ったけどね。
きっと幸子さんはあいつに合ってるんだよ。
報告聞いてるとツンデレでお似合いって結論に至ったってあるから
あんまり心配してないな。
幸子さんもいい歳だし、早く孫の顔みたいもんだね!
「ヘタレな性格は父親似かと思われます。」
「さ、宰相!お前まさか・・・。」
「いい加減決着をつけるべきでは。」
「大神官・・・。」
「殿下、コレを・・・。」
「魔導師・・・。」
「すまない、今夜決着をつける!」
うん。なんで私のいる前でやるのかな?
部屋の前でわーわーやられたら誰だってドア開けてみるよね。
んで、こんな感じで小芝居見てたら
さも当然の顔で殿下が部屋に進入。
ベッドに寝転ぶと
「さぁ!」
さぁ!じゃねーよ!
「あ、服脱いでた方がやりやすい?」
脱がなくていいから!
「遠慮するなよ。」
頬染めるのは相変わらずなんだが、何か違和感が。
だから脱がなくてもいいってば!
「ん?ダメか?ムード出すのお前嫌がるからこっちの方がいいかと思ったんだが。」
なんか、おかしくないですか。話し方とか。
「いや。お前がああいう王子キャラへの反応イマイチだから、路線変更しようかと。」
え?
「俺様キャラが、とか言うから地で行った方がいいかもしれないってコトで。」
んんんんん?
「いくら俺が惚れててもその気じゃない女どうこうってのは犯罪だからお前に手を出してもらおうかと。」
それもどうかと思うんですが。
「悪かったよ。お前がそんなに惚れ薬を気にしてるとは思わなくて。」
ああ、昼間の誤解ね。
「真実の愛を捧げよう、幸子。」
「俺は惚れ薬は飲んでない。」
マジで?
「すまない。たぶん幸子は信用してくれないし、解毒剤を今から飲んでみせよう。」
いい飲みっぷりですね、殿下。
まずそうな顔もイケメンて、すげーなイケメン。
急展開すぎて、よくわからないんですが。
「これで信じてくれたか?お前を愛してるんだ。結婚してくれ。」
「・・・はぁ。」
「「「ばんざーい!」」」
「やりましたね、殿下!」
「真実の愛、見届けさせていただきました!」
「純愛ですね、感動します!」
「式も孫も早めに!」
いやいやいやいや。
いきなり乱入はまぁ置いといて。
私、返事してねーし!
さっきのは口から漏れた音であって、イエスの意味のはぁじゃないよ?
「はいはい、ツンデレ乙」
王妃様・・・。
「貴女の夢の通り、愛し愛されの結婚になるのに何が不満なのよ。」
いや、そうはいってもですね。
「贅沢言う幸子様にはこれから毎日媚薬入り夕食にしましょうか。」
大神官・・・私が殿下以外に襲い掛かったらどうするんですか。
「ツンデレの幸子様には自白剤の方がよさそうですね。」
魔法使い様・・・なにそれこわい。
「貴女は知らないようですが、殿下は女性に総スカンなので浮気の心配はありません。」
宰相様・・・浮気の心配以前の問題なような。
「殿下はさ、この世界の女性にとっては残念なイケメンなんだよ。」
護衛騎士・・・本人目の前にスゴイコト言うね。
「今やアイツは喪男だ。自らを喪女と卑下した君には釣り合いが取れてると思わんか。」
王様・・・喪女は喪男と付き合えばいいってのが、一番ムカつく話なんですけど。
「幸子、俺と幸せになろう。愛し愛され、暮らすんだ。」
殿下・・・惚れ薬解毒できてないんじゃないですか。
「何も言うな。俺がお前の手を離さない。」
※ ※ ※ ※ ※
こうして殿下の熱い口付けに幸子様は降参し
晴れて殿下の嫁となったのでした。
まさか殿下が惚れ薬を飲んでなかったなんて。
ビックリしましたねー。
ヘタレな性格でさらに残念度が増してます。
幸子様的には女性の評価が下がって万々歳といったコトでしょう。
意外に策士なのかも。小悪魔?!
「・・・ないない。」
しっかし幸子様に惚れ薬が効かなかったのが、残念でなりません。
「え?」
殿下がくる日程や時間を計算して毎日盛っていたわたくしもビックリの無効用でした。
「なにそれこわい。」
もしかしたらすでに惚れてたのかしら。
だから副作用でツンデレに?
それだ!
「いやいや、それだじゃないから!」
やっぱり薬に頼るのはよくないですね。
「何かいい話的に纏めてるけど、薬盛るのは犯罪じゃないの?」
「幸子様は異世界人なので、治外法権ということで・・・。」
「なにそれこわい」
「幸子あいしてるから。今日は手をつないで歩こうか。」
で、夜は繋がると。
「さいてーだ。」
幸子さんは見た目が地味で太め。
痩せても地味で中肉中背、もしくは痩せ型にしかなりません。
宰相は地味だと思ってますが、大神官はブスだと思ってます。
殿下は幸子専です。
幸子さんの為なら王子キャラから俺様キャラまでなんでもこなせます。
今後は愛し愛され幸せに暮らすでしょう。