想像できない内定
よれよれのリクルートスーツに身を包み、太陽が照り付ける中、次の御社へと向かう。
大学4年生の夏。
内定は0、おわりだ。
小学校~高校はまじめに学業に取り組み、そこそこの成績と教師からのそこそこの内心を受け取り卒業。
そこそこの大学に進学。
そこからが地獄だった。
自主的に動かなければいけないというのに気づいたのは1年生の冬だった。
半年以上もサークルにも入らず、大学と家の往復をただただ繰り返し、時折バイトも入れていたが事務的な会話のみで成立していたし、なんだか気持ちが楽だったので気づくのに遅れた。
大学生活はパッとしなかったし先輩や同学年に友人はいないので、過去問はもらえなかったが、ほぼほぼ授業に出ていたのでテストは問題なかった。
現在の就活。
問題だらけだ。
まじめに取り組んでいたしいける!と思っていたが、周りはいつの間にか俺よりも早く就活していたし、ボランティア、留学ets...
就職に有利な実績を集めていたのだ。
「もう、いいか」
踵を返し自宅に戻る、玄関に備え付けられた郵便受けを開けた。
神崎 実 様
上位存在採用センターより採用のお知らせ
神式会社 上位存在
異世界転生部配属
はがきの内容を視認次第お迎えに上がります。
「え」
気づいた時には背後からきた暴走トラックに轢かれていた。
運転席には人型に発光している何かがいた。